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特別回『次元融合の前後で変わった世界4』

この小説に目を留めていただきありがとうございます。

皆様の暇つぶしになれば幸いです。

 次元融合が起きた際、当然ですが当時の世界は大混乱に陥りました。

 2つの異なる世界が融合したことによる影響は、地形から気候、さらには生物まで無差別に起きます。今まで道だった場所が突然山になり、逆に今まで山だった場所に海や湖ができ、さらに存在していなかった生物が出現する。

 さらには噴火や津波、地震などの自然災害もまた、ほぼ同時に多発したのです。


 この次元融合によってもたらされた災害により、少なくとも当時の総人口の半数が失われたと言われています。

 中には突然現れた山や海に取り込まれた人もいるというのですから、被害と混乱の大きさは推測することすらできません。


 ちなみにこの時に起きた噴火や津波などの自然災害は、世界が融合した反動だけでなく、マナが急激に濃くなったことも原因ではないかと言われています。

 簡単に言うならば『地球』という大きな生物が、突然増えたマナを持て余してしまった結果、増えた分のマナをなんとか魔力として消費しようとして、自然災害を起こしたのではないかということですね。



 この自然災害はなんと1ヵ月にもわたって続き、災害が終わった頃には人口はさらに失われていました。

 もちろん、この大規模な自然災害によって人類の文明は大きく破壊され、生きていくことすら困難な時代が始まります。



 新魔時代のはじまりは、このように最悪の形で訪れました。

 天変地異によって失われた文明、そして多くの人命。さらに周囲は今まで見たことのない生物――我々の知るモンスターも含まれています――が闊歩し、食糧調達すら命がけの世界。

 この時期、人類はまさに絶滅の危機に瀕していたと言えるでしょう。



 これまで紹介してきた中でも、ディグラビットやスライムといったモンスターは、銃火器でも対処することが可能ではありますが、当時は天変地異により人類側の武器はほぼ失われています。

 世界各国の軍隊もまた、天変地異によってほぼ壊滅状態。とても各地にはびこるモンスターを討伐することはできません。

 それにシルバーベアなどの大きなモンスターに至っては、それこそ戦車を持ち出してようやく互角。とてもではありませんが、補給がままならない状況で積極的に生存圏を広げることは難しい状態だったのです。


 次元融合による人類にとって初めて直面する絶滅の危機。

 それを救ったのは、世界で初めて魔力欠乏症を発見したユカ博士、そして現在まで伝わる魔法を初めて作り出したとされているトレバー博士の2人です。

 この2人の博士によって、魔力による人体強化と魔法が開発されたことにより、人類はモンスターに奪われていた生活圏を再び取り戻していくことになります。


 ユカ博士は魔力欠乏症を発見してからの経験により、魔力とは人体に欠かせないものであることと同時に、その魔力を効率的に使うことで、人体の限界を超える力を発揮できるということを発見しました。

 さらにユカ博士は当時の人々の中に、とても少ない割合ではありますが常人とは違い、体内に貯蔵しておける魔力の量が増えていく人間がいることも発見します。


 通常、人間が貯蔵できる魔力の限界量は赤ん坊の時に決まり、その限界量に合わせて体を成長させていきます。

 ですから、限界量を超えた魔力を体内に蓄えてしまった時には、普通の人間なら最悪器の崩壊――死につながるのです。


 しかし、今でいう探索者に多く見られるこの限界量が増えていく人種は違います。

 モンスターなどを討伐した際に、そのモンスターが持っていた魔力の一部はもっとも近くの生物……つまり探索者へと吸収されていきます。

 探索者の体内では、その吸収した魔力に合わせて蓄えられる限界量が少し増えるのです。

 もちろん、死んだモンスターの魔力ですから量は微々たるもの、100が101になるかどうかという程度。


 しかし彼らは短時間で複数のモンスターを討伐するため、増えていく量も意外とバカにできません。

 そうして、探索者たちはモンスターを討伐することで、モンスターよりも多くの魔力を体内に貯めこめるように進化、簡単に言うならレベルアップをしていけるのです。


 そして魔力の貯蔵量が多いということは、魔法や魔力強化で使える魔力も大幅に増えることになります。

 そうなると、彼らは銃火器を使わず剣や槍といった原始的な武器を使って、大型のモンスターとも生身で戦うことができるようになっていきます。

 生身でモンスターたちと戦える存在、それが当時の人類にとってどれだけ明るいニュースだったのかは想像に難くありません。






お読みいただき、ありがとうございます。

その5へと続きます。


※誤字脱字などありましたら、感想からご指摘ください。

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