性転換少女vsロックヘッド幼馴染 〜少女は友情を乞う〜
ts少女が幼馴染に迫られる場面を書きたくてこの短編を書きました。満足しております。
ドン!っと大きな音が横から聞こえた。恐る恐る目を開けると目の前にはシュウジの顔が左にはあいつの腕が。どうやら俺は床ドンというものをされているらしい。ほんとは俺がやってみたかったなぁ。床ドン。床に女のこを押し付けて上からかぶさる。顔が真っ赤な彼女に囁くだ。もう逃さないぜ!って。って待って待って。なんで俺を今されている立場にいるんだっけ。いやほんとにお前マジで調子乗ったの悪かったから、謝るから顔近づかせないで!男子にキスされるなんてほんとにやだ!
「ユウキ、昼休みだ。起きろ。」
「んあぁ?母さん、あと10分……。」
「誰が母さんだ。お前を産んだ覚えはない!」
「ぐへぇ!」
頭に物凄い衝撃が走る。頭がヒリヒリする。たんこぶできそう。
「シュウジ!俺の髪が将来禿げちまったらどう責任取ってくれんだ!?」
「お前がすぐ起きないのが悪い。そもそも授業中寝るとはどういうつもりだ?学生の本分は勉強だろ?お前はそもそも成績悪いんだからこういうところで勉強しとかないと受験にも影響が…」
「あー、はいはい。わかってますよ。母さん。頭硬い上にすぐに暴力に訴えるゴリラなんだから救いようがねえな、こいつ。」
「なるほどなるほど。ユウキ、俺家のサンドバック壊しちまったんだよな。 家に帰ってもストレス発散できないし困ってたんだ。 協力してくれるよな?」
「ちょっ、シュウジさん?あの、目が本気なんですけど冗談ですよね?流石に親友をサンドバックにしてあなたの受験勉強のストレス発散しようとしてませんよね?」
「全部説明してくれてありがとう!ほんと物分かりがいいやつで助かる。」
「待ってマジで!ほんと勘弁して!洒落にならないから!」
ゴキッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
とりあえず飯を食いに食堂に行くことにした。やつめ腕相撲で俺の右腕を全力で倒しにきた。ほんと右腕が痛い。俺はせめてもの復讐として横で飄々として歩いているシュウジを睨んだ。同じくらいの悪戯をした場合、倍返しにされるのである。俺、上村ユウキは学ぶ男である。ぐすん。
「まだまだ勉強が足りないな。」
やつは英語の単語帳を見ながら呟いた。
「お前、もう勉強しなくてもどんな大学でも受かるだろ?伝統ある雄栄高校史上最高の頭脳、米山シュウジ様は。」
シュウジは俺を見ながらため息をつく。なんだよ馬鹿を見たような目をしやがって。馬鹿だけど。
「いいか、ユウキ。大学受験に限らず何かの勝負ごとは何が起こるかわからないんだ。俺が聞いた話だが、受験日前日に気分を盛り上げるため家族に牡蠣を頼んだばかがいるらしい。そいつは受験当日牡蠣に当たって全く実力を出すことができず無事不合格。 だから受験に向けては万全な準備をしなくちゃいけないんだよ。それこそ、ユウキだって授業中の時間でも寝てないで受験のために必要な知識をインプットするべきじゃないのかもう大学受験まで一年もないんだぞ?」
「あー、はいはい!一日の最大の楽しみである昼ごはんに不快なことは聞きたくないぜ、兄弟。俺はリュウジと違ってバカだからよ、テキトーにそこらへんの大学行ければいいんだぜ。」
呆れ顔でこちらを見ること、シュウジは自分の単語帳に目を戻した。こいつ受験期になってから付き合い悪いんだよな。まあ、暇を持て余している俺の方がおかしいのかもしれないけど。
その後の記憶がない。まあ寝てただけだ。ガハハ。下校時刻のチャイムになり俺は目を覚ました。どうやらシュウジは先に帰ってしまったらしい。あいつは塾に通っているから一緒に帰ることさえ叶わないのだが。仕方なく俺は一人で正門へと向かう。下駄箱の近くの掲示板にはデカデカと共通テストまで後〇〇日と紙が張り出されていた。何日かって?馬鹿野郎。そんなの見たくないに決まってるだろ。しらねえし〜! こういうのがあると萎えちまうんだよな。俺たちの過ごした青春がもう死んでしまうということをカウントダウンしているんだぜ?ほんとひどいよな。いつかの日、俺はシュウジとずっとバカやって生きていけるんだと思ってたんだ。一緒にゲームやってカラオケ行ってお互いどんな女が好きか語り合って。でも、このカウントダウンが張り出されてから俺はそれが永遠じゃないことを知った。今のこのバカな関係はもう終わってしまうのだということも。
「ああー!だから今できる時にバカやってやろうと思ったのに!!あいつ受験勉強しか頭にねえから、ほんと石頭!」
でもあいつに遊ぶことを強制することは面白くない。あいつにも受験勉強を必死にやんなきゃいけない事情があるしな。むしゃくしゃするな。この鬱憤どうしたらいいっちゅうねん!
結局トボトボ帰ってきた俺。気晴らしになんか飲むか…
冷蔵庫を開け、キンキンに冷えたお茶を探し出した。
「親父。たかがお茶になんでドクロマークなんてかいてんだ?まあ、いいか。どうせ自分専用とかいいたいんだろ。」
俺はその缶を開け一気に飲んだ。急に眠気が襲ってきた。睡眠薬でも入ってんのか?まあ、寝るか。自分の部屋に戻り俺は布団に潜り込む。睡魔は俺の意識を急激に蝕み俺の体は闇の底へ。
3日経過したらしい。目が覚めた時に隣にいた母さんが言っていた。父さんはひたすら謝っていた。意味がわからない。どういうことだ?
「落ち着いて聞いてください。」
医者が真剣な表情で言ってきた。いつも花粉症とかで診断してもらうときには穏やかな顔だったからかなり緊張した。ちびりそう。
「あなたの体は完全に女性になっております」
「へ?」
心なしか、俺の声のトーンが若干高い気がする。つまり、おっぱいもあるのだろうか?いや、でもこんな真剣にお医者さんとか父さんと母さんが見ているところでみる勇気ないし…
てか、空気重くない?なんか葬式みたいなんだけど。
「ユウキくんの体は完全に女の子になってしまったのです。君のお父さんの薬によって。」
「ごめんよ…ユウキ。お父さんが会社の新薬を冷蔵庫に入れるなんてバカなことしなければ…」
「え、じゃああのお茶の中身が性転換する薬だったってこと?」
「そうなる…」
父さんはどんな罰でも受けるっていう感じの覚悟をしてた。いや、そんな気にしてないし、未使用の息子は悲しいけど。
にしても雰囲気が重すぎるから病室にいるみなさんには一回でてもらった。現状を一人で理解したいということで。
確認したところ、無からまあまあのメロンが2つ生まれ粗末な棒と金の玉2個が消えていた。棒が消えたの悲しいけどまあまあ大きいメロンが生えてきてプラマイゼロでは?
なんなら、プラスでは?やったー!人間の価値が上がったぞー!元々俺には男性に未練がなかったのかもしれない。でも、恋愛対象は依然女のままだ。ナースさんって可愛いよね。
健康的な問題も一切ないようで目覚めてから1日もしないうちに退院することができた。
俺としては早く残り少ない高校生活に復帰しなくては、という気持ちでいっぱいだった。だがそんな俺の気持ちとは裏腹に女の子として生活する基本などを叩き込まれ学校へ行かないまま一週間が経とうしていた。
そんな土曜日の夜11時。シュウジから珍しく連絡が入った。文面は、
「一週間強も休んでいるが大丈夫か?体調不良にしても長すぎるぞ。明日見舞いに行く。」
あいつが受験以外のことに目を向けるなんて。なかなか珍しい。あいつと二人でなんかするなんてことほんとに久しぶりな気がする。でもあいつ、見舞いに来て俺がピンピンしてると知ったらすぐ帰るんじゃねえの?親友が女になっても全然驚かなさそうだし… このチャンス、どうやって生かすべきか。ない頭を捻って俺は計画を練り始めた。シュウジ攻略作戦じゃ!
現在日曜日13時、シュウジが俺の家に見舞いにくると宣言した時間だ。そして、俺のシュウジ攻略作戦発動時間でもある。昨晩1時間ほどかけて考えた作戦だ。失敗するはずがない。めっちゃバクバク言う心臓を落ち着かせた。しばらくしてピンポーンと音が鳴る。
「はーい!今出まーす」
目の前にはひさびさのシュウジの姿。ものすごい困惑している。
「ユウキくんいらっしゃいますか?」
「ユウキは俺だよ!俺!」
バタンッ!と目の前の扉が閉まる。
「おい!ちょっと待てって!お前が見舞いにきたユウキだよ!」
「おい、ユウキ俺をからかうために彼女まで使ってこんなくだらないことを仕掛けてきたのか?」
目の前の怖い人は俺の後ろに向かって怒気を含んだ声で言った。
「まあ、落ち着けって。俺上村ユウキはある理由から女に性転換しちまったんだよ。俺らの間柄でしかわからないクイズでも出してくれ。それで証明になるだろ?」
「ユウキが初めて俺に貸したエロ本の名前は?」
「白熱チ○コ相撲!!俺とお前の亀頭がごっつんこ?!」
「あー、ユウキか、お前。」
「だから言ったろ!まあ、とりあえず入ってくれ。事情を説明するから。」
そういってシュウジを家のリビングに通す。
ソファに座ったシュウジの隣に座った。
「……ちょっと近くないか?」
「なんか問題でもある?」
俺がわざとシュウジの目を見て聞くとこいつは顔を赤らめてそっぽ剥いてしまった。そう!こいつは長い受験勉強の中で女と全く喋っていないのである!そこで、俺が女っぽいところを見せつけてやればそれに釣られてシュウジは俺と遊ぶようになるのだ継続的に俺と遊ぶようになるのだ。これがシュウジ攻略作戦の全貌である!我ながらナイスアイデア!
「それでなんで女になっちまったんだ?」
「えっと、それはね。かくかくしかじかで」
俺が女になった経緯と一週間休んでしまったことを端的に話してやった。
ひさびさにシュウジが顔を青くしたり赤くしたりいろんな顔が見えて俺はかなり満足した。だが、まだまだだ。
「なるほどな。まあ、体調が良いならそれでよかった。なら俺は帰るから。」
「ちょっと待ってよ!せっかく俺の家に来たんだからひさびさにゲームで遊んでいかない?」
「俺には受験勉強があって……」
シュウジが言っている隙に俺はシュウジの腕に自分の胸を押し当てる。
「ちょっとだけでいいからさ、ね?」
顔を真っ赤にしたシュウジ。
「まあ、ちょっとだけなら……」
よっしゃ!この童貞やろう!まあ俺もそうだったんだけどね。
「お前がゲーム辞めた後も俺は結構やり込んでたから絶対負けないぜ?」
「ゼロにいくらかけてもゼロって知ってるよな?俺が負けることないぞ」
「シュウジ!それズルだって!」
「言ってろ!勝ちゃいいんだよ!」
「ふふん!どうだ!この圧勝具合!」
「ハンデいくらやったと思ってるんだ?よく自慢できるな」
気づいたら日が暮れ始めていた。かなりゲームをやっていたらしい。
「今日は久々に楽しかった。ありがとなユウキ。」
「俺も楽しかったぜ。ほんとシュウジ強いな。半年くらいブランクあったのに……」
「ユウキが弱すぎるんだよ。って、なんか前の頃みたいだな。ユウキも女になったって途中で気にしなくなっちまったよ。」
そうなのだ。こいつ、いくら途中で俺の女アピールをしたところで全く反応しなかったのだ。多分今を逃せばもうシュウジと遊ぶ機会はなくなってしまう。そう直感が働いた。だから、ちょっと焦りすぎたのかもしれない。
「じゃあ確認してみる?」
シュウジは目を見開いて顔を赤くした。
「冗談辞めてくれ。」
「ほれほれ〜。シュウジくんが大好きな巨乳だぞ〜!受験勉強だけの灰色人生君には目にすることもない黄金のメロンだぞ〜!」
「……」
ついに黙りこんじまった。
ちょっと苛めすぎたかな。
「まあ、なんだ。受験勉強やってるとマジでストレス溜まるだろ?だからときどきでいいから俺みたいな美少女に会いにきて発散しろよ。な?」
計画は遂行できた。けど、シュウジさんの様子がおかしい。
「おーい。シュウジさ〜ん。聞こえてる?あ、まさか童貞君には刺激強すぎた?」
ドン!!!
視界がシュウジからいきなり天井へと移った。
「へ?」
そして視界いっぱいのシュウジの顔。
「ちょっとシュウジさん。あの。」
え、これ床ドンってやつじゃん。漫画とかで見たことある〜。俺もやって見たかったんだよな。だってこれをされる女の子ってほんとあたふたしてて可愛いんだもん。ってシュウジこっちをみるな。目を合わせるな。恥ずかしいからやめて。
「さっきまであんな大胆に迫ってきたのに、どうして恥ずかしがっているんだ?」
「え、あの、その、ほんと勘弁して……」
「やだ。」
えっ、ちょっと待ってどう言うこと。別に俺はシュウジを女で釣って一緒に遊ばせようとしたけどここまで踏み込んだ関係になりたいとは思ってない。やりすぎた?彼女いないそして半年くらい灰色人生君のお尻に火をつけちゃった?って待って待って。ほんとに顔を近づかせないで!俺はまだ女の子が好きなの。しかも長年の親友にファーストキスを奪われるなんてなんかやだ!俺はまだ友達として一緒にいることが好きなのに……
「んんんんっ!!」
うわああああ!口に、口に感触が!!ほんとごめんなさい調子乗ったから!謝るから早く止めて!
「っぷは!」
「ようやく慌てた顔を見せたな。そのすました顔を責めるのはそそられる。」
「お、お、お前!親友になんてことを……」
「親友?お前あそこまでして親友なんて言い続けられるのが不可解だぞ」
「だって、だって、俺はお前と遊ぶために餌として女の部分を見せつけたのであって、別に好きなわけじゃないから。」
「はあ?どう言うことだユウキ?」
「シュウジは受験勉強で全く遊んでくれないから……お見舞いに来てくれた今日しかチャンスないから。今もてるもので勝負を挑んだだけだから。ほんとに、そう。うん」
「ああー。なるほど。言いたいことはなんとなくわかった。つまり、俺と付き合うつもりは一切ないと言うことだな?」
「ええ!?めっちゃはしょるじゃん!そうだけど、もっと大事なところが……」
「俺は今お前が付き合ってくれるのかそうじゃないのかしか興味ないんだ。ならわかった。俺がお前を攻略してやる。絶対に俺のことを好きにしてやる。」
「うへええ?!」
その後、シュウジは意気揚々と帰っていった。どうやら、これからの計画を練るらしい。
どうしてこんなことに……
でも、付き合って恋人になったらいつでも遊んでくれるわけだし付き合っちゃえばいいのでは?
でもでも、親友を好きになるっておかしいでしょ。
だから俺がシュウジのことを好きになるのはありえないはず。まあでも、これでシュウジが俺のもとへ足繁く通うことは確定したんだから作戦は成功したと言うことにしとこう!
だから、今俺の顔がすごい熱を持っていることとか心臓がバクバク言っていることとかは知らない。胸なんかキュンキュンしてないし、シュウジの顔がかっこいいと思ったことなんて一瞬でもないんだから!!
他人が書いたtsコメディにはかなり興奮するが自分が書いてもなかなか興奮しない。なぜだろう。。。。