二講:あらすじはどこに、どういった形で表示されるのか
あらすじがどうやって表示されるのか、どこに表示されているのか知らずに良いあらすじも何もないだろう。
とは言え、おそらくこれはとてもマニアックな知識だ。
今からわたしが説明することをもし全て知っていると言えるなら、君は素晴らしいなろう研究者だ。
わたしか? どうだろうか。一応全て挙げたとは思うが抜けがあるかとは思う。気づいたものがあったら教えてくれたまえ。
また、この文章に関しては使用環境によってある程度文字数等や表記のデザインにズレが生じることには留意されたし。
さて、読者目線で考えた時、あらすじはどこに、どうやって表示されるだろうか?
あらすじをどこで見かけるだろうか? と言い換えても良いか。ちょっと考えてみると良い。
……どうだろうか。考えてみたかね?
もちろん、作品をクリックすれば当然冒頭にあらすじが表示される。
……今、頷いた者がいるな?
否。その条件は正確ではない。
あらすじは作品のトップに表示されない場合がある。なぜだ?
短編は表示されないからだ。実のところ短編のあらすじは表示されないため、例えばそこに注意書きをしても読者に読まれていないことが多い。
連載作品をクリックした場合のみ、目次のページにあらすじは表示される。
またこの表示形式は、文字数が多い場合、途中までの表示となり、折りたたまれている。
それが何文字だか言えるかね?
空白込み300字だ。300字より先は『>>続きを読む』をクリックされない限りその先は読まれない。
では短編のあらすじを読みたい場合、どこに表示されているだろうか? もちろん連載でもそこに行けば必ず完全な形で表示される。
それは作品の小説情報タブをクリックした場合だ。
どんな作品でもあらすじが作者が意図した完全な形で読めるのはここともう一箇所。
その作品を既に直近で読んだ場合のみだが、閲覧履歴機能から『詳細+』を押した場合である。
完全な形? と思っただろうか。
いや、例えばランキングにある作品、あらすじ表示されているではないかと思うだろうか。
もちろん、ランキングにも表示されているな。
あれは文字数制限で折りたたまれてもいない。厳密に言うとPCでの閲覧はあらすじが表示されていて、スマホからの読者は『あらすじ等』のタブをクリックしないと表示されないが。
さておき、ここで表示される形はその作品の作者が書いた完璧な形ではない。段落が消されて文字詰めされているからだ。以下これを段落なしと表記する。
これは小説検索機能で作品を検索した場合もそうである。
PC版は段落のない形で表示されており、スマホだと右のチェックマークをクリックされると同じものが表示される。
と言うわけで、ランキングと小説検索でもあらすじが段落なしで表示される訳だ。
ちなみにコンテストや企画参加作品は小説検索機能を利用して表示されるので同じものとする。
後はもうだいぶマニアックなのしか残ってないな。あまり気にしなくても良いところではあろうが……。
一つは小説に読もうトップページの『小説Pick Up!』に表示された場合。
あらすじの表示は段落なし。PCだと約100文字、スマホだと約140字で折り畳まれて『+』タブをクリックすると全文が表示される。
そもそもピックアップされるかどうかはただの運なのであまり気にしなくても良いだろう。
後は『未評価作品一覧』と『未感想作品一覧』か。ユーザがどこにあるのかすら知らなそうな機能だが、なろうか読もうのトップページの一番下にある。
またPC版だと読もうの左側。スマホだと画面上部の『その他』タブをクリックしても表示される。
そもそもランキング狙いの作品がここに長期的に露出されてしまう段階で作品としては失敗な気がするが、実は『評価を受け付けない』『感想を受け付けない』設定にするとここに表示されるというネタがある。
ここはなぜか他とは異なる折り畳み方をされていて、空行込みの7行と決まっている。
逆に作品名が表示されてもあらすじが表示されないのは、ユーザホームからであり、ブックマークやお気に入りユーザの新着作品、更新チェック中の作品のあらすじはこの状態では確認できない。
ところがユーザホーム(ログイン状態でないと見れないユーザ用ページ)ではなく、ユーザのマイページ(非ログイン状態で見られるページ)からだとブックマークした作品などのあらすじが確認できる。
これはどう言う意味があるかというと、他のユーザのマイページを確認する場合である。
作者読みなどという言葉があるが、ある作品が面白かった場合、その作者のマイページに行くと、作品のリストが表示されるので、そこから別の作品を読もうとする読者がいる。
この際、『作品一覧』をクリックするとあらすじが段落なしの形で表示される。
同様にそのユーザがブックマークしている作品も(ユーザがブックマークを公開している場合は)見ることができるのだが、こちらからだとブックマークした作品のあらすじを確認できる。
他人のブックマークから作品を探す読者もいる漁る読者もいるのだ。「この作者さんのブクマなら面白そうだ……」とか。
またある作品を読んだときに、その下部に『この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます!』という表示があるのはお分かりいただけるだろうか。
ランキング上位作を読むと、他のランキング上位作や有名作品が表示されるだけであまり面白くはないが、そうでもない作品だと、その作者の他の作品やなろうのお気に入りユーザの作品、どこから来たのかわからないような作品も混ざってきて面白い。
ここもあらすじの冒頭部分だけが表示されて、PC版だと80文字、スマホだと50字が表示されるようになっている。
後は作品をシリーズ化している場合。シリーズは分かるか?
この作品だと目次のタイトルの上に『創作系エッセイ』というリンクがあるだろう。それだ。短編をシリーズ化することで短編集のようにしたりする機能だ。
作品の目次とマイページから確認できて、ここには段落なし先頭100字の形で表示される。
最後に作品の小説情報の最下部に「同一作者の作品」が表示される。更新の新しい順かつ公開している作品で5作品だ。
ここにもあらすじが段落なし先頭100字の形で表示される。
小説を読もうのトップページに表示される月間ランキングや、新着作品(新着完結済み作品、新着連載更新作品、新着短編)はあらすじが表示されない。
これらは『もっと見る』タブをクリックすればあらすじも表示されるが、これは単に小説検索機能を該当の条件で表示しているにすぎない。
なろうで表示される場所はおそらく以上の通りであろうかと思うが、それ以外にもう一つ追記したいことがある。
Twitterでの表示である。かつては更新しました!や読んだ!という文面のみが表示されていたのだが、Twitterカードが実装されたことによりTwitter上に作品のあらすじが表示されるようになっている。これも冒頭100文字まで。
以上である。
これらのうち重要度が高いところはどこか?広告効果のあるところ、人目に触れる可能性が高いところという意味で言うと4つ。
・連載作品をクリックした場合。
・ランキングに表示された場合。
・小説検索機能で表示された場合。
・Twitterカードで表示された場合。
であろう。それ以外の場所はそもそもすでに読まれている可能性が高いか、広告効果として見込みづらい場所である。
閲覧履歴機能に表示されるあらすじは当然既に読まれた後だし、小説PickUp!はそもそもそこに選ばれるのは運であるし、正直あそこから流入する読者は多くない。
次講では効果的なあらすじの書き方について思考するが、それは上記4箇所の表示について考えることとなる。
以上、以下は表示の具体例をこの下に記載しているものであり、読み飛ばして構わない。纏めは一番下に。
サンプルとして拙作、『モブ令嬢テサシア・ノーザランは理想の恋を追い求めない』のあらすじがどう表示されるかを示す。
・完全な形(小説情報など)
――はぁ、今日もルートヴィッヒ様がステキで幸せだわ。
テサシア・ノーザランは、王都の学園に通う辺境の男爵家令嬢。
吹けば飛ぶような田舎貴族の娘として、学園で形成される高位貴族や聖女たちの派閥とは全力で関わらないように、息を潜めてモブとして過ごしている。
そんな彼女の人生の潤いはアーべライン侯爵家令息のルートヴィッヒ様。
銀髪に眼鏡の怜悧な貴公子をそっと陰から眺めることを至上の喜びとしている。
――無論、話し掛けるなどというような真似をするはずもなかったのだけど……!
なぜか距離を詰めてくる推しに翻弄されるモブ令嬢のお話。
日間総合ランキング1位達成。
第三回ESN大賞奨励賞の受賞により書籍化が決定いたしました。こちら中編ですが大幅加筆いたしますのでいずれそちらもよろしくお願いいたします。
みなさんの応援に感謝です!
・300字で折りたたまれる場合(小説の目次)
――はぁ、今日もルートヴィッヒ様がステキで幸せだわ。
テサシア・ノーザランは、王都の学園に通う辺境の男爵家令嬢。
吹けば飛ぶような田舎貴族の娘として、学園で形成される高位貴族や聖女たちの派閥とは全力で関わらないように、息を潜めてモブとして過ごしている。
そんな彼女の人生の潤いはアーべライン侯爵家令息のルートヴィッヒ様。
銀髪に眼鏡の怜悧な貴公子をそっと陰から眺めることを至上の喜びとしている。
――無論、話し掛けるなどというような真似をするはずもなかったのだけど……!
なぜか距離を詰めてくる推しに翻弄されるモブ令嬢のお話。
日間総合ランキング1位達成。
第三回ESN大賞奨…>>続きを読む。
・段落なし(ランキングや小説検索)
――はぁ、今日もルートヴィッヒ様がステキで幸せだわ。 テサシア・ノーザランは、王都の学園に通う辺境の男爵家令嬢。 吹けば飛ぶような田舎貴族の娘として、学園で形成される高位貴族や聖女たちの派閥とは全力で関わらないように、息を潜めてモブとして過ごしている。 そんな彼女の人生の潤いはアーべライン侯爵家令息のルートヴィッヒ様。 銀髪に眼鏡の怜悧な貴公子をそっと陰から眺めることを至上の喜びとしている。――無論、話し掛けるなどというような真似をするはずもなかったのだけど……! なぜか距離を詰めてくる推しに翻弄されるモブ令嬢のお話。 日間総合ランキング1位達成。 第三回ESN大賞奨励賞の受賞により書籍化が決定いたしました。こちら中編ですが大幅加筆いたしますのでいずれそちらもよろしくお願いいたします。 みなさんの応援に感謝です!
・段落なし100文字(Twitterカードなど)
――はぁ、今日もルートヴィッヒ様がステキで幸せだわ。 テサシア・ノーザランは、王都の学園に通う辺境の男爵家令嬢。 吹けば飛ぶような田舎貴族の娘として、学園で形成される高位貴族や聖女たちの派…
・7行で折りたたまれる(未評価・未感想作品一覧)
――はぁ、今日もルートヴィッヒ様がステキで幸せだわ。
テサシア・ノーザランは、王都の学園に通う辺境の男爵家令嬢。
吹けば飛ぶような田舎貴族の娘として、学園で形成される高位貴族や聖女たちの派閥とは全力で関わらないように、息を潜めてモブとして過ごしている。
そんな彼女の人生の潤いはアーべライン侯爵家令息のルートヴィッヒ様。
銀髪に眼鏡の怜悧な貴公子をそっと陰から眺めることを至上の喜びとしている。
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・段落なし80字
――はぁ、今日もルートヴィッヒ様がステキで幸せだわ。 テサシア・ノーザランは、王都の学園に通う辺境の男爵家令嬢。 吹けば飛ぶような田舎貴族の娘として、学園//
・段落なし50字
――はぁ、今日もルートヴィッヒ様がステキで幸せだわ。 テサシア・ノーザランは、王都の学園に通う辺境の男爵//
あらすじが見られるところの纏め
重要度の高いところ
・作品をクリックした場合、連載作品であれば目次の上。完全な形で冒頭300文字の部分で折りたたみ。
・ランキングに表示された場合。段落なし表示。PC版だと初めから表示されているが、スマホからだと『あらすじ等』タブをクリックすると表示される。
・小説検索機能で表示された場合。段落なし表示。PC版だと初めから表示されているが、スマホからだとチェックマークのタブをクリックすると表示される。コンテスト参加作品や新着作品をもっと読む場合なども小説検索機能が使用されている。
・Twitterカード。段落なし冒頭100字。
重要度が低いところ
・作品の小説情報。完全な形で表示。
・マイページから表示されるそのユーザの作品一覧とブックマーク。段落なし表示。
・閲覧履歴機能の『詳細+』タブをクリック。完全な形で表示。
・小説pick Up!に選ばれた場合。段落なし表示。PC版の場合は冒頭100字で折りたたみ、スマホ版の場合は140字で折りたたみ。
・未評価作品一覧、未感想作品一覧に表示される場合。完全な形で表示、上から7行で折りたたみ(空白も行に数えられる)。
・マイページから見る『作品一覧』。段落なし表示。
・マイページから見るそのユーザが『ブックマーク』している作品。段落なし表示。
・『この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます!』に表示された場合。段落なしで、PC版だと冒頭80文字、スマホだと50字。
・シリーズ一覧。段落なし冒頭100字。
・小説情報の最下部の『同一作者の作品』。段落なし冒頭100字。