恋≠愛
あなたのことが好き。
ありきたりだけど、目が合うと胸が高鳴って挨拶するのも一苦労。触れた指先は全身の感覚が集中したみたいになってしまう。
だから私はあなたに恋してる。
あなたの隣にいたい。あなたに触れてほしい。あなたに見つめてほしい。
あなたに恋してほしい。
あなたの行動のひとつひとつに、舞い上がって、落ち込んで、喜んで、そして悲しむ。
きっとあなたは、私に恋していない。あなたの目には、私と同じ恋が浮かんでいない。
それでもいい。それでも、私の心はあなたへの恋で燃え上がる。
この恋が燃え尽きてしまうまで、私はあなたに恋をしている。
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君のことが好き。
君のやわらかな笑顔が好き。
君が笑顔でいるだけで、私の心に暖かな火が灯る。
だから私は君を愛している。
だから私は君に恋はできない。
この胸をいっぱいにするのは、暖かな火。君の笑顔のような優しい火。
愛をくべても、恋のように燃え上がりはしない。
君の望む恋を与えてはあげられない。
私が望むのは君の幸せ。君の隣にいられなくてもいい。君に触れられなくてもいい。君の目に映らなくてもいい。君を愛する、それだけでいい。
この心臓が動きを止めても、私は君を愛している。