1話 久しぶりの外の世界
若者の趣味創作です。暖かい目で見てあげてください。
3000年ぶりの外の世界。そこにはとても大きな都市が広がっていた。
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あれからどれくらいの年月が経っただろう。
突然そんなことを思った。私は3000年前のあの頃以来、一度も街に出たことがなかった。というよりは、出られなかった。
「そういえば、もうあれから3000年か。」
私はあの日、様々な国で追われることとなった。それ以来街にはでていかず、ずっと山の中でひっそりと人に見つからないようにしてきた。
もう3000年も経ったのだし、街に出ていくのもいいかもしれない、そう思った。
そうと決まれば街に行こう。そう思って私は街に向けて走り出した。
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大量の魔法が放たれ、爆発する音が響いていた。
ここは大陸最大都市、ナルドガード。大陸最大の防御力と戦争力を持った都市である。だか、今そんな都市が攻め落とされようとしていた。それも、たった一人の幼女に。
その幼女はこう呼ばれていた。
…妖狐の邪神と…
その幼女はその名の通り、いろいろなものに化ける。時には村人、時には騎士、また時には吟遊詩人といろいろなものになりすます。
そのどれもが完璧なもので見破れるものなどいるはずもない。
何故なら…"神"だからだ。
そう、その幼女は神なのだ。全てを滅ぼし尽くす、妖狐の邪神と呼ばれる。
いまその神にナルドガードは攻め落とされようとしている。それもたった一人で。
この神は気まぐれで都市を滅ぼす。そして、世界までも。
たがいま、そうな神に立ち向かうものたちがいた。
そのパーティーの名は、ホーリースター。聖なる力であらゆるものを倒す者たちだ。
今ホーリースターが妖狐の邪神にたちむかっていた。
魔法が飛び交う戦場の中央で、剣を撃ち合う音が響いていた。そう、妖狐の邪神とホーリースターのリーダー、リクテリカだ。
その他のメンバーは妖狐の邪神が出した神に圧倒されていた。
そんな中リクテリカが口を開いた。
「ちっ。本気を出してもかなわないなんて。それに…」
そう言ってリクテリカはチラリと周りを見た。
「あんなにあっさりやられるなんて…。ありえない。あんなに神を殺した私たちが…。」
「それはそうだよ。こっちは世界を滅ぼすんだ。世界最強なんかにはやられない。」
リクテリカに対して余裕のそうにそう言った。だが、そういっているリクテリカも、まだ希望を失ってはいなかった。
「こんな危険な奴、野放しにはしていられない。絶対に、ここで倒す!」
「ははは、私が倒されるわけがないだろう。それこそ、十柱神とニ殿が揃いでもしなければ、私を倒すことなどできない!!」
「私はその言葉を待っていた!」
突然リクテリカはそうなことを言った。妖狐の邪神は何を言ってるかわからない様子だ。だが、そんな様子が突然焦ったような様子になった。
「お前っ…!」
「お前を倒すためならなんでもやるっ!例え神と協力しても!」
リクテリカはそう言った瞬間、膝から崩れ落ちた。するとリクテリカの膨大な魔力が突如溢れ出した。すると魔力がどんどん人の形になってくる。それも十一の。
魔力が変形を終えると、それは実体になっていった。実体になると魔力はどんどん増え妖狐の邪神を囲うように立っている。
「くそ、あいつこんなことしやがって。」
妖狐の邪神はそういって魔力で体を覆い、十柱神ニ殿を全力で攻撃している。
そうしている間も魔法はどんどん構築されていく。
構築している間に何人もの神が死んでいく。
「くそ、なぜ。」
もう九割術式が完成していた。そうな中で妖狐の邪神も一つの魔法を完成させていた。
「二殿、お前らはこれおしまいだ。」
そう言って妖狐の邪神は最後の悪あがきと言わんばかりに自分の魔力を全て注ぎ込んだ魔法を二殿に放った。
「させん!!」
だが、二殿のうち一人がそう言って前は出た。その神は自分の前に黒い球体を作った。すると魔法は全てそこへ吸い込まれていった。その球体は全てを無に返す魔法だった。
その魔法は全てを無効化する…はずだった。そう、その球体はあろうことか爆発したのだ。
だが、それはごく単純な理由だった。それは、魔力が大きすぎたのだ。
「な!?」
それは神たちにはあまりにも予想外だった。爆発しただけならまだよかった。その後行き場のなくなった魔力はその神を滅ぼした。
その直後完成した魔法は魔力がたりず、妖狐の邪神を封印するだけとなった。
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