修羅場になるまで 後編 side美晴
久しぶりでーす!すみませんでしたっっー!!
突然だが、私はここ最近の中で一番と言ってもいいほど不機嫌だ。何故かって?
それは……私だけの物(司)が他の女に取られそうだからだよーー!!!
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別に恥じることではないので堂々と言っておこう。私は幼馴染である時田 司が好きだ。多分、司の両親以上に彼のことを愛していると思う……だったら世界で一番愛していると言っても良くない?いいよね!?おい、作sy(←思考回路がどっかに飛んでいます)
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ウッウン!私としたことが取り乱してしまった。まあ、ここで気づいた人もいると思うけど私は司のことになると頭がちょっとおかしくなる。
え、ちょっとじゃない?またまた〜。次言ったら……分かってるよな?
「美晴〜起きないと司くんと一緒に行けないわよ?」
母の朝からの脅しでバッと体を起こす。せっかく夢の中で語っていたのに〜!
私の母は、私が司のことを好きなのを知っている。というか、一番最初に気づきやがった。そこから、父親に情報が渡り、父から司の両親に渡っているというのが今の状況である。で、その元凶(母)は私と司が高校へと進学した時に『優香ちゃん!どうせだったらウチの美晴と司くんを一緒に登校させない!?絶対面白いから!』みたいなことを言いやがった。ちなみに優香叔母さん……司のお母さんは『いいわね!あの鈍感バカを気付かせるいい機会だわ!』とメッチャ乗り気だったそうです。今っとなっちゃ〜感謝しているんですけどね。そんなわけで、今日も朝早くに起こしてもらい登校する準備をし、朝食を食べるために階段を下りてリビングへと向かう。
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朝食を食べ終わり、歯磨きをし、少しでも可愛いと思ってもらえるように髪を整える。右に偏ったり、はたまた左に偏ったりとなかなか良い感じにならず、いつもに比べて家を出る時間が遅くなってしまった。かといって、それでも司が出る時間よりは断然早い。だから、私は司の家の前で待つのだが……私の性格上、待つ事を極端に嫌うのですぐに大声を出して司を呼んでしまう。
「ゴラァァァァア!司、出てこーい!」
ホント、この性格を直したい!絶対、あいつ私のことを野蛮人だって思っている。
司の部屋の窓が開き、司が身を乗り出してきた。彼は嫌々な顔をしながらも『今、行く』と言った。そういうところ、大好きです!
「おう!早く支度しろな!」
私がそう言った瞬間、司はボーっとし始めた。あいつの何か考えている時の顔は好きだが、今は正直言ってそれどころじゃない時間である。だから私は注意をした。司は謝ってきて、そこからすぐに玄関から出てきた。
「ごめん、待たせた」
そこから、2人で歩き始めた。私は長い時間待たせた詫びとして学食のBランチを奢るように言った。司は嫌そうな顔はしたが、別に否定はしなかった。よっしゃー!昼休み一緒にいられる口実ができた〜!
その後、こいつの鈍感っぷりが分かる出来事があったが、それは前の話を読んでくれ
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電車でのハプニングのせいでドキドキが止まらないが司にバレないよう必死になって隠す。
学校に着いて、私たちは自分のクラスを確認する。お願いお願いお願いお願いお願いお願い、どうか司と同じクラスでありますように!神さまーーー!
(まあ、同じクラスにしないと話進まないし、面白くないからね)
なんか、今変な声が聞こえたような……?まあ、いいや!おっと私は3組だったか。ざっと見ると仲の良い友達が何人かいた。
よし、あとは司さえいれば完璧だ!私たちの学校はなんやら特殊で、男子と女子が一緒になって発表するのではなく、別々に別れて発表となる。なんだ、この後から付けた設定のようなむず痒い感じは……
(後から付けた設定だからね、仕方ないね)
私が不安になり始めた時に、司が駆け寄って来てくれた。どうやら、同じクラスらしい。ただ、その後の幼馴染は腐れ縁とか言ったのは少々ムカついた。
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司を連れて教室に入る。なんだか司に凄く視線が送られているのだが気のせいだろう。
「おっはよー!美晴!」
「おはよー、ゆかっち!」
去年から仲が良かったゆかっちが話しかけて来てくれた。私たちは先生が来るまで話し続けた。いつの間にか、司も席に座っているし…。前半は『また、一緒のクラスになれたね〜』みたいなことだが、後半はある男子生徒が持って来た“転校生”についての話だ。どうやら、物凄い美人らしいが……まあ大丈夫だろう。司はこんな状況の中で寝ているから。
しばらくすると、先生がやって来た。ある男子生徒は転校生が来るのかどうか質問し、その後は軽く言ってカオスだった。そんなカオスの中、先生の紹介によって転校生がクラスに入ってきた。
息を呑んだ。それくらいに綺麗だった。そして、カオスが再来!
ゆかっちも『ヤバくない!?ヤバくない!?』と連呼し続ける。先生の喝によってまた沈黙へと戻る。先生が自己紹介してくれと言うと黒板に名前を書き、改めてこちらの方を見た。
「花京院 咲季と言います。皆さん……宜しくお願いします」
声、綺麗!なんかもう、言えない!男子は目がめっちゃ血走っている。
いや〜美少女はやっぱり性格もよろしいのだろ「と、言いたい所なんですが」
彼女がカオスの中、大声で言う。もしかして腹黒い……?
「私、このクラスにいる時田 司くんしか興味がないので、他の男子生徒の皆さん諦めて下さいね?あと、もし彼に恋愛感情をお持ちの方は……覚悟いたしませんので。先生、私の席はどこですか?もちろん……分かっていますよね?」
「ん?ああ、時田の隣だよ。一番後ろの席だからなw」
なにこの教師、軽く草生やしているのよ!司の隣なんてどれだけ羨ましいことだろう!
悔しい〜〜!!!
しかも、休み時間に司の体をツンツンし始めるし、私のが上書きされるだろうがーーー!!!
彼が寝ている間に、こんな修羅場になる引き金が引かれているのだった。