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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode6 留学生を救え?!
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第91話 潜入捜査in2年D組

こんにちわ。

今こそ化けの皮を剥ぐ時です。

 オリエント通信の飯田は、沙崙のいじめ問題を解決するためにある作戦を決行する事にした。その作戦とは、彼らが危険地帯への取材に使う超小型の隠しカメラを沙崙の体に搭載し、茉莉奈達の悪行を暴くものだった。彼女の体に仕込まれたカメラは、立ち合っていた真樹と慶が一見してどこにあるか見つけられないほど見事なカモフラージュになっている。飯田は真樹達に作戦の概要を説明した後に滞在しているホテルに戻り、真樹、慶、沙崙の3人はそのまま学校へ向かったのだった。


 朝、2年A組の教室にて。

「杜夫、ちょっといいか?」

「おはよう真樹に鬼越、どうした?」

 真樹は杜夫を見つけると声をかけ、慶と共に廊下の人気のない場所へ向かった。そして、真樹は杜夫に今回の潜入捜査の事を説明した。

「マジかよ?映画に出てくるスパイみたいじゃん!」

「しーっ。声がでかいって。とにかく、八広達の尻尾をつかむ為だ。絶対に成功させなきゃいけないし、だから俺らもばれないように協力するんだ。」

「オッケー、分かったぜ真樹。俺なら大丈夫だ。」

 杜夫は笑顔でそう返した。しかし、慶には一つ気がかりなことがあった。

「でも、服に仕込んだのはいいけど、体育の授業とかで着替えた時とか大丈夫かな?その間は撮影できないし、何かのはずみで取れちゃったりしたらまずくない?」

「大丈夫だオニィ。陳さんの話だと、今日D組は体育の授業が無いみたいだ。まぁ、仮にあったとしても具合が悪いとか言ってごまかせば何とかなるだろうけどな。」

「そっか。なら大丈夫だね、よかった。」

 慶は安心してそう言った。その後、美緒、伸治、武司にも今回の作戦ことが伝えられ、沙崙を救う為の潜入捜査が始まったのだった。


 一方その頃、2年D組の教室は少しざわついていた。先週一度も出席しなかった沙崙が登校してきたからだった。そして、国際科の生徒達はヒソヒソと話し始める。

「陳さんが来たよ。」

「もう来ないかと思ってたのに。」

「あれだけの騒ぎ起こして。」

「いい迷惑だわ。」

 しかし、誰一人沙崙が戻ってきたことに対して喜ぶ者や、休んでいたこと心配している者はいなかった。そして数分後に今回の事件の元凶である茉莉奈が登校してきた。茉莉奈は教室にいた沙崙を見つけるなり、意地悪そうな笑みを浮かべて絡んでくる。

「あれぇ、陳さん来たんだ。1週間もバッくれておいて、今日になってシレっと学校来る神経が分からないわ。やっぱりあんたみたいな大バカはうちのクラスにふさわしくないわね。」

 今までの沙崙だったらここで怯えていたかもしれないが、真樹たちの励ましや先日山田を撃退したことで自信を持てるようになった沙崙は、真顔で茉莉奈の言葉を流した。

「体調が戻ったから来ただけよ。それに、ずっと言いたかったんだけどそんなに私の事が嫌いなら絡んで来なければいいじゃん。私はそんな八広さんの神経が分からないわ。」

 沙崙から帰ってきた予想外の言葉に茉莉奈は一瞬たじろいだ。そして、その直後に顔を真っ赤にしながら沙崙に詰め寄る。

「何よ、生意気ね!折角あんたみたいな害虫が来なくなって平和な教室になると思ったのに、これじゃまた逆戻りじゃん!」

「私は何もしてないわ。」

「うっさい!あんたの存在そのものが迷惑なのよ!さっさと台湾に帰ってよ!」

 今までと違い、真顔で冷静に言い返す沙崙に茉莉奈はイライラしていた。そんな沙崙の態度は他の国際科の女子生徒も気に入らなかったのか、段々と周りから沙崙に対して野次が飛ぶようになった。

「茉莉奈の言う通りよ!」

「あんたがいない間は平和だったわ!」

「これだけ空気悪くしておいて!」

「とっとと消えろ、クズ女!」

 しかし、それでも沙崙は冷静だった。むしろ心の中では茉莉奈の事を嘲笑っていた。何せ、彼女の体には小型カメラが仕掛けられており、国際科の今の状況を全部録画していたからだった。そして、沙崙は更に茉莉奈に牽制をかけることにした。

「八広さんって顔は美人なのに性格悪くて残念だわ。最初会った時は綺麗な子、仲良くしたいなって思ってたたけど今はすっかり幻滅したわ。美人で頭いいからって、何をしてもいいって訳じゃないことが分からないの?」

 沙崙のこの言葉に茉莉奈は完全にカチンと来た。そして、持っていた飲み残しのカフェオレを沙崙の顔に思い切りかけた後、座っていた彼女を椅子ごと突き飛ばした。その時に沙崙は側頭部を床に強打し、ブラウスもしみだらけになってしまったが、やはり冷静だった。リボンに仕込まれカメラにも飲み残しがかかっていたが、超防水機能付きで壊れることなくしっかり録画できているのを知っていたからだ。一方の茉莉奈は倒れてうつ伏せになった沙崙の頭を踏みつけながら怒鳴った。

「うっさい!こいつ、これだけ私達に迷惑かけてまだ懲りないみたいね。いいわ、分かった!もっと痛めつけて、台湾にいるあんたの親がドン引きする位その顔面変形させてやるから!」

 茉莉奈がそう言い終えたタイミングで担任の金町がだるそうな表情で教室に入ってきた。そして、沙崙を見るなり溜息をつきながら言った。

「あら、陳さん来たのね。」

「はい。1週間も休んでご迷惑をおかけしました。」

「そう思ってるんだったら、ホームルームの後職員室来てくれる?話しあるから。」

 金町は不機嫌そうにそう言い捨てた後、ホームルームを始めた。そして、ホームルームが終わると沙崙を連れて職員室に向かい、さらにその奥にある物置部屋へ彼女を連れて行った。そして、イライラしながら沙崙に言った。

「陳さんねぇ、これ以上私の事苛々させるのやめてくれる?」

「お騒がせしたことは申し訳なく思っています。」

「あなたがそうやって騒ぎ起こしたせいで、私やクラスの子たちまで同じ目で見られんのよ。これ以上私達の顔に泥塗ったら本当に許さないから。」

「申し訳らりませんでした。」

「はぁ、あなたと話してたら頭痛くなってきた。もう教室戻って。」

 1週間ぶりに自分のクラスの生徒が戻ってきたというのに、金町はむしろ迷惑そうにしていた。因みに、沙崙が休んでいる間は立石や真樹一同が気にかけていたのだが、金町は一度も連絡をよこすことは無く、寧ろ忘れかけていたくらいだった。留学生を受け持つクラスの担任とは思えないような発言をしっかり録画した沙崙は無言で教室に戻り、金町もイライラしながら授業の準備をしていた。


 休み時間。更なる刺客が国際科の教室にやってきた。

「ヤッホー、みんな元気?」

 サッカー部に所属する学校内一番のイケメン、大和田裕也だった。彼が現れた瞬間教室内は女子生徒の黄色い歓声でつつまれたが、真っ先に駆け寄ったのは茉莉奈だった。

「裕也くーん!おいでおいで!いっぱいお話ししよう!」

 茉莉奈は裕也の手を引っ張って教室に入れた。すると、裕也の目に机に座って勉強している沙崙が映った。

「何?あの留学生戻ってきたの?」

「そうなの。折角来なくなって明るい教室に戻れると思ったのに、全部が大無しよ。」

「うわー、マジでないわ。また茉莉奈ちゃん達を不愉快にさせるなんて。許さねぇ。」

 裕也はそう言うと、沙崙の所にやってきて教科書を取り上げながら言った。

「おい、留学生。お前、何戻ってきて茉莉奈ちゃん達に迷惑かけてんの?マジでキモいんだけど。」

「何すんのよ。そんなの言いがかりだし教科書も返してよ!」

「うるせぇ!ゴミカスのくせにこの俺に生意気な口ききやがって!お前見てるだけでムカつくんだよ!」

 裕也はそれだけ言うと、取り上げた教科書を沙崙の顔面に投げつけ、机の上の物を全て床にぶちまけた。沙崙は黙って落ちた物を拾ったが、クラスメイト達はそれを見て笑い、裕也も意地悪な言葉で追い打ちをかける。

「そこで這いつくばっとけ!お前みたいな魅力の欠片もない女はそういう姿がお似合いだ!」

 裕也がそう言った直後、国際科の女子生徒達が裕也をほめちぎる。

「裕也君、カッコいい!」

「ありがとう、私達の為にここまでしてくれて!」

「みんなの為を思ってここまでしてくれる…顔も心もイケメンね!」

 そう言われた裕也は女子生徒達に微笑んだ。そして、茉莉奈の方を向いて彼女の頭をなでながら言った。

「茉莉奈ちゃん、もう大丈夫だよ。また何か困ったことあったら相談して。」

「ありがとう、裕也君!もう、嬉しすぎてこの後の事手がつかなくなっちゃう!」

 茉莉奈が嬉しそうにそう言うと、裕也は笑顔で手を振りながら自分の教室に戻って行った。一方、落ちた物を拾い終えた沙崙は黙って机に座り、心の中では笑っていた。何せ、先程の事もばっちりとカメラで録画していたからだった。


 その後、沙崙は茉莉奈をはじめ他の国際科の生徒や担任の金町からネチネチと嫌みを言われたり、昼食に泥水をかけられたりと散々な目に遭ったが、身体を張って撮影を続けた。ボロボロになりながら1日を乗り切った沙崙は放課後になると家に帰らず真樹、杜夫と共に新勝寺の方へ向かった。3人が到着すると、既に荷物を持った飯田が待っていた。

「お疲れ様。陳さん、大丈夫だった?」

「ええ。何とか。」

「じゃあ、映像を確認したいからカメラを外しておいで。」

「分かりました。」

 沙崙はそう言うと、近くの公衆トイレに向かい、身につけた小型カメラを外した状態で戻ってきた。その後、4人は近くの喫茶店に向かい、飯田は沙崙から渡されたカメラのメモリを取り出してノートパソコンに接続。映像を確認した。

「よし、ばっちり撮れている。」

 そこには茉莉奈に飲み残しをかけられて突き飛ばされたり、金町から嫌みを言われている所等がはっきりと映っていた。これを見て、真樹と杜夫は呆れている。

「もうどうしようもないな、こいつらは。とっとと地獄に送ってやろうぜ。」

「これが国際科の闇か…見てはいけない物を見てしまった気分だ。」

 二人の言葉に飯田も同意だった。そして、全ての映像を確認した飯田は3人に説明する。

「これから僕は編集部に戻ってこの事を記事にしてもらえるよう手配する。絶対何とかするから安心して。」

「「「はい、ありがとうございます!」」」

 3人は深々と頭を下げてお礼を言った。その後、真樹と杜夫は沙崙を家に送り届け、飯田はコインパーキングに止めていた自身の車に乗りこむと大急ぎでオフィスに向かった。オフィスに到着した飯田は沙崙が撮影した映像を持って自分のデスクに戻り、他の編集部の社員と共に撮影した映像をパソコンで再生した。その映像を見ていた他の社員たちは完全に引いている。

「ひどい…。」

「可哀想…。」

「ここ、進学校なんだよね。信じられない。」

「先生まで、何やっているんだ…?」

 他の社員と共に全ての映像を見終えた飯田は、立ち合っていた課長と部長に言った。

「課長、部長。これは陳さんと、陳さんを助けたいと思った彼女の友人たちが勇気を持って協力してくれたんです。アジアのニュースを正しく伝えるうちの会社の立場として、このニュースを扱って彼女を救うべきだと私は思います。お願いします。彼女らの頑張りを無駄にしたくないので、是非記事にさせて下さい!」

 飯田の話に、課長も部長も頷きながら言った。

「部長。私も飯田君の言葉には賛成です。このことは、うちで記事にすべきだと思います。」

「勿論だ。私もこんな酷い事を知らん顔する訳にはいかん。みんな、すぐにオンラインニュースにアップする準備をしてくれ。それと、今週号のオリエントタイムズにこの事を特集記事として差し込む。頼んだぞ!」

「「「はい。了解です!」」」

 飯田を含む、その場にいた全社員が力強くそう言った。こうして、沙崙を苦しめていたことが全て世間の明るみに出ることになったのだ。

こんにちわ。

作戦は大成功でしたね。

次回、もっと大変な騒ぎになります。

お楽しみに!

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[一言] 糞イケメンも処刑されるのかな、楽しみ
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