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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode5 アイドル声優を潰せ
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第75話 トライスターズ解散?!

こんにちわ!

さぁ、いよいよこの章もラストスパートです!

 悠が逮捕された影響はあまりにも大きかった。今期の彼女の看板アニメとも言える『聲天使ハーモニーエンジェル』は最終回間近で放送休止に追い込まれ、レギュラーだったラジオ番組も打ち切り、メディアの取材もすべてキャンセルとなり、彼女の周囲は大混乱となっている。そんなトライスターズをよそに、今日も大門が監督を務めるダイノイドの収録は順調だった。


「えー、皆さん集まって下さい!」

 スタジオに入った大門は声優陣やスタッフを呼び集める。よく見ると、後ろに見慣れぬ若い男性がいた。

「おはようございます!えー、今日から皆さんと一緒にアフレコに参加していただく、飛田翼(とびたつばさ)さんです!」

「初めまして!飛田翼、24歳です!舞台やドラマをやりながら声のお仕事もいただいていますが、アニメのレギュラーは初めてなので、足を引っ張らないように頑張っていきます!宜しくお願い致します!」

 飛田と名乗る人物は男性にしてはかなり高い声で自己紹介をした。自己紹介を終えると、再び大門が説明を始める。

「飛田さんには新型ダイノイドであるプテラノイドの役をやっていただきます!先輩声優陣の皆さんも、彼と一緒に頑張っていただきたい。それでは飛田さん、最後にプテラノイドになりきって意気込みをお願いします!」

「僕はプテラノイド!先輩方の足を引っ張らないように、頑張ってヘルズメテオから地球を守るよ!みんな、宜しく!」

 飛田がプテラノイド風に自己紹介をすると、周囲から拍手喝さいが沸き起こった。飛田は幼少期から子役として舞台やドラマを中心に活動しており、アニメでもエキストラ程度だが声優として出演したことがある。大門は飛田が出ていた舞台の童話「ブレーメンの音楽隊」でのニワトリ役の演技を観て何かを感じたのか、プテラノイド役としてスカウトした。そして、智子同様緊急オーディションを受けて見事合格してダイノイドの仲間入りを果たしたのだった。智子は飛田に駆け寄って挨拶する。

「初めまして。デリジノイド役の稲毛智子です。今日からよろしくお願いします!」

「いえいえ、こちらこそ。僕も稲毛さんみたいにダイノイドになりきれるようになりたいです。」

「そんな…私だって今までろくにレギュラー取れなくって、ようやくメインキャラやらせてもらえるようになったばっかりですし…。私も勉強しなきゃです!」

「そんな、稲毛さんは勿論、ダイノイドに出ている方はみんな演技がお上手だと見てて思いました。だから僕も、おいていかれないように頑張ります!しっかりプテラノイドになりきれるようになりたいです!」

「うん、一緒に頑張りましょう!」

 智子は笑顔で飛田にそう言った。そして、他の声優陣も飛田に激励を送る。

「いい声ですね!これから一緒に盛り上げていきましょう!」

「よかったぜ、さっきの演技!本番でもよろしく頼むぜ!」

「この役、僕は大好きです!飛田さんもプテラノイドを大好きになって下さい!」

「分からないことあったら何でも聞いて!みんなでダイノイドをもっといい作品にするわよ!」

 飛田が智子をはじめとした先輩声優陣から激励された所で、いよいよ本番が始まる。

「じゃあ、皆さん。本番入ります!今日は最初のシーンから通しでいきましょう!よーい、始め1」

 大門がそう言って、この日のアフレコが始まる。因みにプテラノイドは名前の通り、プテラノドンの遺伝子が組み込まれている翼竜型のダイノイドだ。唯一飛行能力を備えており、偵察機能が優れていることもあって、ダイノイド期待の新戦力とされている。そんな彼を加えて、ダイノイドのアフレコは順調にスタートした。


 ある日の休日。

「じゃあ、先生。僕はこっちに乗りますんでお先に失礼します!」

「うん。気を付けて帰ってねー、鬼越さん。」

 上野駅前で、ジャージ姿の慶は陸上部顧問である芝山千代子や他のチームメイト達に挨拶して改札に入っていった。この日大谷津学院陸上部は都内の高校と合同練習をしており、そのために上野まで遠征していたのだった。他の部員は京成ユーザーだったのだが、慶だけJRユーザーだったため、彼女は一人成田行きの快速に乗り込んだ。

「はぁ、疲れた。遠いし、大会近いから張りきりすぎちゃったけど、天気よくって走りがいがあったな!この調子で頑張ろう。」

 慶は座席に座ってスマホを観ながらそう呟いた。上野は慶の自宅から距離があるため、この日彼女はかなり早く起きた。自宅に帰ったらシャワーを浴びて寝たいと思っていた慶だったが、彼女は車内に異変が起きていることに気付く。

「ん…何だあれ?」

 慶が座っている所から少し離れている所で、帽子とマスク姿の若い女性が立っていた。その前には座席に座って眠っている年配の男性がいたのだが、女性は周りをきょろきょろしながら男性のポケットに手を伸ばす。すると、女性はそこから何かを抜き取り、素早く自分のカバンに入れた。それを見逃さなかった慶はすかさず女性に駆け寄り、問い詰める。

「ちょっとあなた!今そのおじいさんから財布盗んだでしょ!返しなよ!」

 慶がそう問い詰めると、女性は驚いた表情をした。そして、電車が北千住駅に到着してドアが開くと同時に慶を振り払って一目散に逃げ出した。

「あ、待て!皆さん、その人スリです!」

 慶も負けじと電車を降りて女性を追いかける。女性は捕まりまいと必死で逃げだしたが、陸上部の時期エース候補である慶の足から逃げ切れるはずもなく、階段を上がった所であっさりと取り押さえられた。

「もう逃げられないよ!さあ、大人しく観念するんだ、泥棒め!」

 慶は犯人を拘束しながらそう言った。その際帽子が吹き飛び、マスクのひもが切れて素顔が見えたのだが、その顔を観て慶は驚愕した。

「き、君は…トライスターズの浦賀美優?」

「放してよ!私にこんな事してタダで済むと思ってんの?」

「スリした人がそんなこと言えるの?人気声優がスリなんて、世も末だね!」

 なんと、スリの犯人はトライスターズのメンバーで杜夫が大ファンだと言っていた浦賀美優だった。美優は尚も抵抗して慶に暴言を吐いていたが、慶はさらに締め上げて、駆け付けた駅員と警察官に突き出したのだった。


 同日の夕方。

「あ、いたいた。」

 帽子とサングラスで顔を隠した若い女性が、人気のない裏路地へやってきた。そこには金髪に眼鏡をかけたチンピラ風の男性がたばこを吸いながら立っていたのだが、女性を観ると笑顔で駆け寄る。

「お待たせ、春香ちゃん。まずは金。持ってきた?」

「ええ。はいこれ。」

 春香と名乗る女性が男性に数枚の万札を渡す。すると、男性は白い粉が入った袋を女性に渡した。

「いいのか?君の相方が逮捕されて、目を付けられるんじゃねぇのか?」

「大丈夫。私は悠みたいにバレたりしないし、それに私可愛いからソロでも十分にやっていけるわ!トライスターズなくても馬堀春香は健在よ!」

 女性はトライスターズの馬堀春香だった。どうやら春香は数時間前に美優がスリで捕まった事をまだ知らないようだった。二人は要が済むと同時に立ち去ろうとしたが、時すでに遅し!

「動くな!警察だ!お前達には麻薬所持と売買の容疑がかけられている!」

「げっ!やば!」

「逃げるぞ!」

 二人は逃げようとしたのだが、路地の反対側やビルの上からも警察官に囲まれており、逃げ道など無かった。そして、警察官にパトカーまで連れて来られた二人は事情聴取を受け、春香は買った袋を、金髪の男は春香に売った物の残りを警察官によって見つけられ、詳しく調べられた結果…。

「はい。青く変色した。これは麻薬である証拠ね!17:55。馬堀春香さん、あなたを麻薬所持の現行犯で逮捕します!」

「ちょ、ちょっと違うの!これは誤解なの!」

 春香の反論もむなしく、彼女は一緒にいた売人諸共逮捕されてしまった。こうしてトライスターズは全員が逮捕されるという異常事態になってしまい、世間をさらに騒がすこととなった。


 その夜。

「今日午後15:30頃、東京都足立区の北千住駅構内で、人気アイドル声優の浦賀美優さんが逮捕されました。浦賀容疑者は、JR常磐線の車内で70代の男性のズボンから財布を抜き取った所を車内にいた女子高生に見つかり、逃亡。その後取り押さえられ、女子高生が携帯電話で撮影していた映像が証拠となり、窃盗の現行犯で逮捕されました。調べによると、同区間では金品の紛失が相次いでおり、警察では余罪も含めて浦賀容疑者との関連を捜査をしております。」

「へぇ、やるじゃんオニィ!あの浦賀美優を逮捕するなんて!」

 真樹はニュースを観ながらそう言った。そして、テレビにはインタビューに答える慶も映っている。

『その…若い女性がおじいさんから何か抜き取る所を見たんです。変だと思って念の為スマホで動画とったんですけど、これはまずいと思ったんで問い詰めようとしたら逃げだしたんで追いかけました。こんなこと初めてで混乱しましたけど、捕まえられてよかったです。』

「まぁ、オニィから逃げられる訳ないよな。ともかくナイスだ、我が友よ!」

 真樹が感心していると、次のニュースになった。

「人気声優がまたも逮捕されました。今日夕方、東京都新宿区内で人気アイドル声優ユニットのメンバー、馬堀春香容疑者が麻薬を購入した所を現行犯逮捕されました。調べによると、馬堀容疑者は同じく逮捕された小林啓司容疑者から麻薬を購入した所を張り込んでいた警察官に取り押さえられた模様。取り調べに対し、馬堀容疑者は『面白いことを求めて手を出してしまった』と容疑を認めており、小林容疑者も『金が欲しかった』と述べているとのことです。先日恐喝と名誉棄損で逮捕された大津悠容疑者、そして、本日逮捕された浦賀美優容疑者と共に馬堀容疑者は『トライスターズ』と言うユニットを組んで多数のレギュラー番組を持っていましたが、メンバー全員が逮捕されたことによってアニメ業界や音楽業界への多大な影響が懸念されています。」

「まぁ、これで解散は決定っしょ!アイドル声優が犯罪者集団だったなんて、笑わせてくれる。今頃トライスターズファンは荒れているだろうな。」

 真樹は皮肉っぽくそう言った。こうして一連の騒ぎの元凶が逮捕され、アニメ業界に平和が戻るのであった。

こんにちわ!

とうとう全員が逮捕されてしまいました。

長くなりましたが、これで一件落着!

次回でこの章は終わりです!

お楽しみに!

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