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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode3 恐怖の体育祭
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第36話 無事に?閉幕

おはようございます!

体育祭編、クライマックスです!

 真樹と美緒が実行委員の卑劣な罠を暴いてからすぐ、グラウンドに戻ると1年生最後の競技が行われようとしていた。その競技とはクラス対抗選抜リレー対決。そう、慶が一番気合を入れている競技だった。真樹は自分の席に戻ると、隣にいる杜夫に声をかける。

「杜夫、まだ始まってないよな?」

「おお、まだだぞ。ってゆうかお前どこ行ってたんだよ?急に消えやがって。」

「トイレだっつーの!」

 真樹はそう誤魔化した。因みに実行委員の女子達は自分達が仕掛けた罠を暴かれた上に真樹以外の人物にもばれて完全に意気消沈していた。その後、美緒は実行委員の先生にこのことを報告し、現在4人は連れていかれて事情聴取を受けている所である。

『それでは改めまして、只今より1年生女子によるクラス対抗選抜リレーを行います。選手の皆さん、位置に着いて下さい!』

 放送が流れ、最初に走る生徒達がスタート位置に着く。慶は後の方なのでまだそこにはいない。準備が終わった所でいよいよ始まろうとしていた。

「位置に着いて、よーいスタート!」

 パァン!とピストルの音が鳴り響き、各選手が一斉にスタート。因みにこの選抜リレーは各クラスから5人ずつを選抜して行う。初めのうちはBクラスがリードをし、真樹達のAクラスは徐々に後れを取り始める。そして、4人目にバトンが渡された時には既にB→C→D→Aの順となり、最下位に転落してしまった。

「あ~あ。ビリになっちゃったよ、うち!」

「うーん。最下位ってよりもB組に負けるのだけは嫌かな。」

 頭を抱える杜夫に少し悲しそうな表情を浮かべた真樹。無論、真樹がB組に負けたくないのは裕也がウザ絡みしてくるのに相手をしたくないからである。そして、A組は最下位のままアンカーにバトンが渡された…。

「おい、あいつアンカーだったのか?」

「まぁ、オニィの実力なら異論ないだろ。陸上部の時期エース候補だから。」

 A組のアンカーが慶だっと事に杜夫は驚き、真樹は当然だと言わんばかりの表情を浮かべている。 バトンを渡された慶は気合いっぱいのひょ上で、まるで獲物を狙う猛獣のような表情で前を走る走者を見た。

(この距離だったら、全力を出せば可能性はゼロじゃない!よーし行くぞ!ターボ全開!)

 心の中でそう呟いた慶は物凄い勢いで前を走る走者を追い始めた。因みにその頃、保護者の応援席では…。

「お父さん、慶よ!あの子アンカーよ!」

「おお、ホントだ!慶ー!頑張れー!そのままごぼう抜きだー!」

 慶の両親がアンカーを走るわが子に大声で声援を送っていたが、慶は集中するあまり耳に入っていなかった。そして、物凄いか速力で慶はまず、D組の走者に追いつき抜いていく。

「やば!」

「速い、さすがオニィだ!」

 慶の驚異的なスピードに杜夫と真樹は勿論、他の生徒達も驚いている。その後も慶のスピードは落ちることなくC組の走者を抜き、遂に先頭を走るB組の走者も射程圏内に収めた。

「よーし、このまま突っ走るぞ!僕の本領発揮はこれからだー!」

 そう叫ぶと慶は更にスピードを上げ、B組の生徒を猛追した。ゴールはすぐそこまで迫っていなが、慶は諦めることなく加速を続け、遂にB組の走者と並んだ。

「負けるかー!」

 慶はそう叫んだ。ゴールまであと7m。慶は最後の力を振り絞ってさらに加速し、ついにトップに躍り出た。そして、そのまま1位でゴールを決め、会場からは拍手喝さいが沸き起こった!

「う、嘘だろ…。あいつ全員抜きやがった。」

「やっぱり速い!あいつは文句無しでうちのスピードスターだな!」

 驚く杜夫と感心する真樹。一方ゴールした慶はというと…。

「やった!勝ったぁ!」

 ゴールテープを切ると同時に喜びの声をあげながら笑顔で万歳をした。その様子を見ていた慶の両親が大人しくしている訳もなく…。

「お父さん!見ました?あの子、ごぼう抜きしたわよ!」

「素晴らしい!さすが俺の娘だ!今夜はあいつの好きな物食わせてやろう!後、あいつにも報告しなきゃ!喜ぶぞぉ!」

 すっかり興奮気味の慶の両親。因みに、慶の父が言ったあいつとは、部活の試合で来られなかった慶の兄の事である。そんなこんなんで慶は満足げな様子でグラウンドから退場し、満足気な様子でクラスの所に戻ってきた。

「慶、凄かったな!」

「お疲れ、オニィ。いやぁ、たまげたぞ。ナイスラン!」

 杜夫と真樹が戻ってきた慶を温かく迎え入れる。慶の方も満足な様子で話し始めた。

「杜夫、真樹。ありがとう。いやぁ、最初は僕もどうなるかと思ったんだけどあきらめなくてよかった!やっぱ走るっていいね!」

 満面な笑みでそう話した慶。その後、全ての競技が終了し、大家trす学院体育祭は閉会式を迎えようとしていた。

「お待たせいたしました。それでは得点を発表致します!まずは紅組394点、白組382点。よって今年度の勝者は紅組です!」

 紅白戦は真樹達のいる紅組が勝利し、歓声が沸き起こる。その後、壇上の先生は続ける。

「続いて、各学年の最優秀クラスを発表します。まず、3年生はC組…。続いて2年生ですが…A組!祭儀に1年生は…C組!以上です!」

 最優秀クラスが発表され、呼ばれたクラスは皆大喜びだった。真樹達1年A組は残念ながら選ばれなかったが、真樹は裏で動いていた実行委員の悪事を暴くことができただけでも満足だった。こうして、大谷津学院の体育祭は実行委員の罠がありながらも、真樹の活躍によって無事に閉幕したのだった。


 終了後…。

「真樹、お疲れ様。」

「よく頑張ったわね。」

 真樹は応援に来ていた祖父母の正一と多恵に会っていた。

「ありがとう、今日は来てくれて。」

「そんなの当然だ!」

「今日はごちそう作ってあげるからね!」

 嬉しそうな二人を見て真樹家らも微笑みがこぼれる。今までこういうイベントには嫌な思い出しかなかった真樹にとって初めて満足に終えられた体育祭かもしれない。

「ありがとう。じゃあ、俺はホームルームあるから先に戻ってて!」

「おう、分かった!」

「夕飯楽しみにしててね!」

 正一と多恵はそう言って先に自宅に戻り、真樹はホームルームが行われる自分の教室に戻って行った。

「フフフ、馬鹿な実行委員共め。百戦錬磨の俺を罠にかけようなんて百万年早いぜ!」

 真樹は自分に罠を張っていた実行委員を返り討ちにできたことが一番嬉しく思い、不敵な笑みを浮かべながら教室へと向かって行った。

おはようございます。

何とか体育祭を終えましたね!

慶も見事な走りでした!

次回は後日談です。

実行委員の女子はどうなったのでしょうか?

お楽しみに!

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