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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode19 理系女子の逆襲
324/327

第324話 調査報告書

こんにちは。

今月最後の投稿です。

 湯川真樹を嫌う理系女子、堀ノ内希美は幼馴染である長沢唯奈、三浦有紗、津久井奈々と共に対真樹抹殺用の女性型アンドロイド、ヴィーナス01を完成させた。ヴィーナス01は問題なく起動し、早速堀ノ内は真樹の調査を任せたのだった。真樹が授業は部活動をしている間、ヴィーナス01は離れた場所から自身に搭載されている望遠機能を使い、真樹のデータ集めに成功。その日の夕方に学校が終わった堀ノ内たちと開発用の部屋で合流し、収集したデータを報告するのだった。


-18:00 堀ノ内達の研究部屋-

「ヴィーナス01、ちゃんと湯川のデータ取って来たんでしょうね?」

 堀ノ内が長沢たちと部屋に入るとヴィーナス01は既に部屋の中で待っていた。堀ノ内はヴィーナス01に質問すると、ヴィーナス01は頷きながら答える。

「問題無いわ。しっかり記録したから、見て頂戴。」

 ヴィーナス01は収集したデータを堀ノ内のパソコンにコピーし、彼女たちは収集した真樹のデータを閲覧する。その間にもヴィーナス01は真樹の行動パターンや交友関係を口で説明した。

「以上よ。同性間の交友関係は人並みだから、始末するなら一人になった隙を狙うのがいいともうわ。」

 ヴィーナス01はそう説明したが、データを見た堀ノ内はイライラしながら言った。

「あー、もう!湯川のくせに、何生意気に学校生活送ってんのよ!本当に見ているだけで腹が立つ!大嫌い!何でもいいから早く消して!」

 それに強調するかのように今度は長沢が声を上げる。

「昔はデブでバカないじめられっ子だったのに、進学校に行って野球部の主力とかムカつく!」

 更に三浦と津久井も眉をひそめながら言った。

「彼女はいないみたいでよかったわ。もしいたら、湯川を始末してその女の子の目を覚まさせてあげるつもりだったけど。」

「湯川真樹は一生結婚や恋愛をする資格はない。そもそも、世の女性の為に存在してはならない男。」

 4人による真樹に対する悪口大会が始まった。そんな4人に対し、ヴィーナス01が質問する。

「で、その湯川って男をいつどこで、どうやって始末すればいいの?希望があるならその通りにするけど。」

 ヴィーナス01の質問に対し、4人は議論を始めた。まずは長沢が案を出す。

「せっかくだし、試運転も兼ねてあの鬼越とかいうブスを見せしめに始末しちゃおうよ。女のくせに湯川と仲良くするのは立派な裏切り!あいつも女の敵として見なしていいわ!」

 更に三浦もそれに同調する。

「そうよ、そうよ。その女を先に消して、湯川を女から完全に孤立させて絶望させてから始末するのも面白そうじゃない?」

 長沢と三浦の提案に堀ノ内と津久井は少し考えたものの、首を横に振った。

「確かにそうだけど、やっぱり最優先は湯川を片付ける事よ。アイツさえいなくならば、後の事はどうにでもできるわ。」

「希美に賛成。湯川真樹は学校を身売りしたり、大和田財閥を壊滅させた強敵。先に倒しておいた方がいい。鬼越はバカそうだから後で始末しても問題なさそう。」

 そんな感じで中々意見がまとまらない4人。ヴィーナス01はそんな4人に再び聞く。

「どうするの?私の判断としても、長引かせるのは却ってよくないと思うけど。」

 そう言われて考え込む4人。そして、しばらくすると堀ノ内は決断ができたのか力強く言った。

「そうね!うん、わかったわ!もうこれで行くわよ!」

 こうして、堀ノ内によるヴィーナス01を利用した、真樹の駆逐作戦が始まったのだった。


 翌日。

「じゃあね、真樹!僕は練習行ってくるよ!」

「じゃあな、オニィ。大会頑張んな!」

「うん、勿論だよ!」

「お先に!」

 陸上部の練習がある慶に対し、真樹は手を振りながら帰った。途中杜夫や伸治たちとも話しながら駅に向かい、電車の方向はそれぞれ違うので今は真樹がホームで一人でいる。その後、真樹が乗る列車が駅に到着し、真樹もその列車に乗った。車内の座席は埋まっていて座れるところがなかったので真樹はドア付近に立った。電車が発車してしばらくすると、車体が揺れて真樹の所に別の客が一人倒れこんできた。

「あっ。」

 お客はどうも女性のようで、転びそうになった際に思わず声を上げながら真樹の左手首を掴んだ。おかげで女性は転ばずに済んだが、真樹のかをおみるなりすぐに謝った。

「ご、ごめんなさい!倒れそうになってしまい、つい…。」

「謝罪とかいいんで、とりあえず手を離してもらえませんか?」

 真樹が不愛想にそう言うと、女性は慌てて手を離す。

「す、すみません。すみません。」

「あー、もういいですから。」

 女嫌いの真樹ならではの対応だった。その後女性は真樹の家の最寄り駅の一つ前の駅で降りて行ったが、その直前に小声で呟いた。

「第一段階完了。」

 その声は真樹には聞こえなかったが、真樹も真樹で違和感を覚えていた。

「さっきの女の手、気のせいか妙に冷たく感じる。冷え性の可能性もあるが…考えすぎか?」

 妙な感覚が頭の中で切っかかりつつも、真樹は一度考えを置いて帰宅するのだった。

 

 

 

こんにちは。

今回の堀ノ内たちや、今までも裕也から慶がブス等と罵られていましたが、慶は決してそんなことはありません!

中性的な僕っ娘且つ、明るくて元気いっぱいのかわいらしい女の子です!

作中の人物が慶の悪口を言うシーンが結構ありましたので、慶の名誉とイメージの為にもこの場を借りてフォローさせてください!

それではまた来月に!


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