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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode18 真樹と裕也、最終決戦?!
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第318話 イケメンの虚しい最期

こんにちは!

最近少し涼しくなってきましたね。

 日本、いや世界トップの財閥の大和田コンツェルンはもはや完全に分解されてしまったも同然だ。何せ、執事の山本や会長夫人の美千代、そして総帥である圭一郎までもが今までの悪事が世間にバレたことで逮捕されてしまったからである。大和田コンツェルンは今まで経営と一族のプライドを守るために手段を選ばず、被害者や反発する者に対しても汚い手段で口を封じてきたので、これまでの事が明るみに出ることはなかった。しかし、御曹司である裕也が真樹が気に入らないから消して欲しいと言い、山本がそれを実行しようとしたことで状況は一変。真樹を本気で怒らせてしまっただけでなく、湯川家は貧乏だから何もできないと安心していた裕也たちの油断も助け、被害者を中心に反大和田のグループ勢力が拡大。なし崩し的に破壊されてしまった。しかし、最後に残った裕也はまだ諦めておらず、真樹にしか言え死をしようと企んでいた。


「よし。こうなりゃ実力行使だ!」

 圭一郎が逮捕された日の翌朝。裕也は一人で鞄に何か詰めていた。しかし、それは勉強道具などではなかった。

「スクーターで轢き殺すのはこの間失敗したからな。直接ぶっ殺してやる。俺のありったけの力を使ってな!」

 そこにはサバイバルナイフや違法改造したモデルガン、更に日本では発売が禁止されている劇薬などがあった。家族が逮捕されて、裕也は半分自棄になっていると言ってもいい状態だ。

「クズ湯川を殺した後は、そうだな…。生意気に俺に逆らうドブス女の鬼越もついでに殺しちまおう。何かの間違いで牢屋に入っても、保釈金ですぐに出られるしな!」

 真樹だけでなく、慶に対しても手を掛けようとしている裕也。もはや復讐の鬼と化した裕也は、大量の危険物を持って玄関を出た後、スクーターに乗って学校を目指した。


-AM8:00 大谷津学院正門付近-

「そろそろあいつらが仲良く来ることだな。待ってやがれ!」

 学校まであと少しの所まで近づいてきた裕也は、スクーターを運転しながらそう呟いていた。そして、正門から入ろうとした時、予想外の事が起きた。

「待っていたぞ、大和田裕也。」

 聞きなれない声を聴いた裕也。その目の前にはスーツ姿の男女数人が行く手を遮るかのように立っている光景があった。訳が分からない裕也はスクーターを止めて言う。

「どけよ。何だよお前ら!轢くぞコラっ!」

「警察だ。大和田裕也君。申し訳ないが、君は今日登校できないよ。」

「何だと!警察のくせに生意気なこと言いやがって!本当に轢くからな!」

 警察に対しても暴言を吐く裕也。その様子を見た他の女子たちも…。

「ねぇ、裕也君どうしたの?」

「何か、やばくない?」

「どうしよう、助けなきゃ!」

 と言いながら集まり始めた。異様な雰囲気や裕也の暴言にも怯まず、刑事たちは冷静に続ける。

「君が金持ち息子なのを鼻にかけて、暴行や違法転売、賄賂積んでサッカーでの危険プレー…あげ出したらきりがないほどの悪事を働いていたことはもう知っているぞ。君の執事とご両親から昨日全部話を聞いているからね。」

「くそぉ、みんな余計なこと言いやがって。」

 裕也は悔しそうに歯を食いしばりながら言った。それを聞いた女子たちは、裕也を擁護するかのように警察に野次を飛ばす。

「何よ、それくらいで!」

「裕也君はカッコいいから何しても許されるの!」

「馬鹿警察、さっさと帰れ!」

 どんどん増す女子たちの野次。更に、裕也もそれに乗っかるかのように警察に詰め寄る。

「そうだ、そうだ!俺は世界一の男、大和田裕也だぞ!俺に逆らったら、お前ら全員死刑にすることだってできるんだ!」

「悪いが、それはもう無理だ。警察だけでなく、政府関係者も大和田コンツェルンと癒着していた者は全員摘発した。そして、政府長官も大和田コンツェルンの完全解体に同意した。もうお前はただの子供にすぎん!」

「くそっ!こんなはずじゃなかったのに!」

「そういう訳で、大和田裕也君。さっき説明した罪で逮捕状出てるから、君を逮捕します!」

「は、離せ!」

「おっと、君。荷物に物騒な物入れてるね。銃刀法違反の現行犯も追加しとくね。」

 抵抗しようと大暴れする裕也を何とか取り押さえ、パトカーに乗せようとした。しかし、それに反発したのは女子たちだった。

「裕也君を離して!」

「そんなんで逮捕とか、お巡りのくせに馬鹿すぎる!」

「死ねよ、糞お巡り!」

「みんな、こいつらをぶっ殺して、裕也君を助けるわよ!」

 女子達が暴徒化して刑事たちに詰めかける。しかし、真樹からこうなるだろうと事前に聞かされていた刑事たちの対応は冷静だった。

「公務執行妨害、現行犯逮捕!抵抗するものは全員逮捕だ!」

 暴徒化した女子たちも流石に現役の刑事たちに勝てるはずもなく、次々と逮捕されていった。そして、そんな様子を少し離れた所で見ていた者がいた。

「ハッハッハ!愉快愉快!あいつの逮捕を最後に残しておいてよかったぜ!」

 そうご機嫌な様子で言ったのは真樹である。そして、隣にいた慶と杜夫もその様子を見守っていた。

「修学旅行の事件の時は、実行犯庇って暴れて逮捕されてたけど、今回は当事者だからね。」

「いいんじゃねーの。大和田がいるとうるさいから、これでようやく静かになる。」

 慶も杜夫も裕也の事が嫌いだったので、内心ざまあみろと思っていた。真樹は更に続ける。

「さてと、落ち着いたら囚人服姿のイケメンでも拝みに行くかな?無様な裕也君を!」

「でも、今日学校どうするんだろう?みんな逮捕されちゃったし。」

「ま、普段通りにはいかないよな。」

 慶と杜夫はそう呟いた。その後、非常事態により学校が臨時休校になったのは言うまでもなかった。

 

こんにちは。

裕也も逮捕されました。

そして、このエピソードは次回で終わりにしようと思います。

新エピソードも今考えておりますので、よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
取り巻きの女の両親が娘にバカなことをしたと責めそうだな
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