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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode18 真樹と裕也、最終決戦?!
306/328

第306話 酷い真実

こんばんわ。

久々に夜間に更新します。

 大和田裕也。彼は大谷津学院高校(来年度より水戸大学付属成田高校に改名)に通う3年生の男子生徒である。つまり、真樹と同級生だ。しかし、彼は真樹とは何もかもがあべこべな存在だ。親がおらず、祖父母と暮らしており、主にその不愛想な性格から一部を除く学校中の女子生徒から産業廃棄物以上に嫌われている真樹に対し、彼は日本一の財閥である大和田コンツェルンの長男として生まれ、おまけに容姿端麗で学校中の女子生徒から人気を集めている。つまり何もかもが恵まれているのだ。そして、彼は自分よりも圧倒的に苦しい立場にある真樹を大いに見下しており、また裕也自身の女好きの面もあって女子から嫌われている真樹を非常に不愉快に思っていた。そんな裕也だが、理助長達の手で真樹を追放できるかと思った時には大いに喜んだものの、真樹のよって逆に理事長が追放され、学校が水戸大学に身売りされたことに少し焦りを感じていた。そんな状況の中、彼の中で自身の手で真樹を消したいと思う考えが増々膨らんでいた。


-12:00 長野県長野市-

「おい、売り上げが去年より10%下がっているぞ!どういうことだ?!」

「す、すみません。この不景気で、思ったより伸びなくて…。」

 長野に出張中の大和田コンツェルンの総帥、大和田圭一郎は県内にある関連企業を訪れるや否や、支社長に怒号を浴びせる。支社長である眼鏡をかけた中年男性は、頭を下げて謝るしかなかった。

「こんなんじゃ、赤字になるし大和田コンツェルンの名に傷がつく!今すぐ責任者変えろ!」

「か、かしこまりました!」

 支社長の男性はぺこぺこと頭を下げながら部屋を出て言った。圭一郎は腕を組みながらぼやく。

「全く…。大和田コンツェルンは常に一番でなければならないのに。」

 そんな圭一郎の携帯電話が鳴り出す。

「もしもし、私だ。」

「旦那様、山本でございます。」

 電話の相手は執事の山本であった。山本は更に続ける。

「旦那様、坂田工業の件ですが証拠の隠蔽は完璧です。完全犯罪の如く、自殺に偽装することが出来ました。」

「そうか。よくやった。大和田コンツェルンを出し抜いて、新技術で特許を取ろうっていうのが間違いなのだ。」

 前日、機械メーカーの坂田工業の社長が静岡県内で変死体で発見されたのだが、実はこれも大和田コンツェルンが仕組んだことだった。圭一郎は坂田工業の新技術やその特許を大和田コンツェルンの物にするために、坂田社長を自殺に見せかけて殺害するように山本に指示していたのだった。執事である山本も嬉しそうに報告を続ける。

「これで坂田工業を買収して、技術も特許も旦那様の物です。警察も自殺として疑わないでしょう。」

「うむ。もし疑われたら、警察に金を積んで買収しろ。そして、遺族が疑い始めたらそいつらも事故に見せかけて消してしまえばいい。」

「かしこまりました。我々にお任せください。」

 そう言って、山本は電話を切った。圭一郎は不敵な笑みを浮かべながら言った。

「我々は、常に誰かの上に立たなければいけない。誰かから出し抜かれるなど決してあってはならない事なのだ。それが代々、大和田家に定められた宿命。」

 そう独り言を呟いた後、圭一郎は長野での仕事を続けたのだった。


 一方、こちらは浦安での大会を終えた裕也だった。

「あー、愉快愉快!雑魚を叩きのめす時って最高に気持ちいいぜ!」

 裕也は試合中、対戦相手の浦安西高校にラフプレーを繰り返し、負傷退場者を大量に生み出した。しかも、審判を全員金を積んで買収したので彼は一切の処分を受けなかった。

「ルールっているのは破るためにあるんだよ。ってゆうか、権力があればいくらでも都合よくルールを変えられるんだよ!」

 相手チームの浦安西高校は最後まで腑に落ちないままスタジアムを後にしたが、裕也は罪悪感などみじんも抱いていなかった。更に、応援に来ていた裕也目当ての女子生徒達もラフプレーを注意するどころかむしろ堂々とラフプレーするのがカッコいいと褒め称えており、増々裕也をつけ上がらせていた。

「俺ってやっぱり世界一充実している男!でも、あの湯川がいると空気が台無しになるからな。俺に恥かかせる奴はそろそろ消しておかないとな。」

 裕也の考えでは、真樹さえいなければ自分が大好きな女子生徒が嫌な思いもせず、自分も楽しく学校生活を送れると考えている。なので、今回の理事長及び校長の追放、そして大谷津学院の身売り騒動によって、自らの手で真樹を学校から追い出そうと考え始めていた。


 その日の夜。真樹は自宅でくつろいでいた。夕飯を食べ、入浴も済ませた後に部屋でゴロゴロしていたのだが、ふと何か思い出したのか、パソコンを起動させてテレビ電話アプリを起動させ、どこかに連絡を取った。少し時間が経った後、通話の相手が出た。

「もしもし、真樹?」

「陳か。何度もすまん。」

 通話の相手は台湾に帰国した陳沙崙だった。彼女が帰国後も、真樹を含む仲が良かった面々はちょくちょく連絡を取っている。

「どうしたの?何かいいことでもあった?」

「ああ。まあ、悪い報告もあるんだが…。」

「そうなの?じゃあ、とりあえず悪い報告から聞かせて。」

 沙崙がそう言うと、真樹は淡々と話し始めた。

「今回、俺が学校を水戸大学に買収させて理事長と校長を追放したせいで、大和田の地雷を踏んだみたいだ。あいつは校長と理事長とも仲良しだし、アイツの家も学校に随分金つぎ込んでたみたいだから。実家とのパイプが一つなくなった腹いせで、今度こそ本気で俺の事を消してくるだろう。」

 そのことを聞いた沙崙は不満げに返事をした。

「何それ?どこまで自分勝手なのアイツ。生意気すぎてマジで嫌い。あいつの方こそ消えればいいのに。」

 裕也からも散々な目に遭わされた沙崙は、かなり過激な言葉を言い放った。真樹は彼女を少し宥めながら言った。

「まぁ、アイツの事は俺がどうにかする。それと、いい報告もあるといっただろ。」

 そう言いながら、真樹は続ける。

「野球部に新入生が入って来たんだが、なんと20人も入って来たんだ。中には、お前に会えなくて残念がってた1年もいたぞ。」

 真樹の言葉を聞いて沙崙の表情が明るくなった。

「本当?それは嬉しいわ!戦力も増えたし、絶対今年も甲子園目指してね!」

「ああ。当たり前だ。」

「次いつ日本に来れるか分からないけど、私は何があっても真樹達の味方よ!」

「それはありがたい。」

「じゃあ、またねー!」

「ああ。もし日本に来る機会があれば、また連絡くれ。」

 そんな感じで二人は通話を終了した。真樹は一息ついた後に呟いた。

「とりあえず、次は大和田をどうにかしないとやばいかもな。」

 女子生徒が圧倒的に多い学校の中で、真逆の男子生徒同士の戦いが始まろうとしていた、

こんばんわ。

真樹と裕也の最終決戦になる本省ですが、一体どうなるのか?

次回もお楽しみに!

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