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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode16 盗んだのは誰だ?
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第269話 次こそは…!

こんにちわ。

2月最初の投稿です。

 それは、前年のこと。大谷津学院写真部が県主催の写真コンクールに参加した時の事だった。各学校の審査が終了し、最後の結果発表を迎えた。

「それでは、審査結果を発表いたします。」

 審査員の言葉に、参加していた杜夫達写真部一同は息を飲む。各部門の受賞校が次々と発表される中…。

「続いて、団体。自然風景部門…金賞、大谷津学院!」

 大谷津学院は、写真部の合宿で八ヶ岳に行った時に撮った写真で見事金賞を受賞した。

「やったー!!!金賞だー!俺たち金賞ですよ!先輩!」

 はしゃぐ杜夫は隣に座っている木下にそう言った。木下はやれやれといった感じで杜夫を諭す。

「もう、公津君ったら…。騒ぎ過ぎよ。」

 木下はそう言ったものの、やはり嬉しいのか微笑みが垣間見えた。団体の各部門の発表が終わると、その次に個人部門の発表が始まった。

「続いて、個人部門の発表を始めます。」

 そしてまた、各部門毎に受賞者が次々と発表されていく。残念ながら杜夫と後輩の小林は入賞できなかった。

「マジかよぉ…。」

「くそお、自信あったんだけどなぁ…。」

 杜夫も小林もかなり悔しがっていた。そして、個人の結果発表も佳境を迎え…。

「続いて、個人。総合部門…金賞、木下希美。大谷津学院高校。」

 木下が個人総合部門で金賞を受賞した。木下は過去にも何度か個人での受賞経験があったが、総合部門での受賞は初めてであった。それも、引退目前、最後の大会での受賞である。この受賞には、木下の前にまず、杜夫と小林が喜んだ。

「先輩!すごいっす!金賞ですよ!」

「さすが我らが部長!おめでとうございます。」

 2人に褒められて一瞬固まる木下。普段はクールで、大はしゃぎするタイプではない彼女だが…。

「やっっったぁぁぁぁぁ!」

 この時ばかりは彼女も嬉しさの感情を爆発させていた。

「もう、最高!最後の最後で総合優勝できるなんて、嬉しすぎる!」

 笑顔腕そう言った木下。その後、木下は壇上へ呼ばれ、賞状を受け取った。大谷津学院は団体、個人それぞれで受賞し、最高の形でコンクールを終えた。その一方、遠くから何者かが恨めしい視線を送っているとも知らずに…。


 ある日の夜。

「はぁ~あ。こんな形で受験できなくなるなんて…。」

 木下は自宅の部屋で悲しそうにつぶやいた。あのような形で受験前に実質的な不合格を言い渡されるなど、誰が予想できるだろう。しかし、疑問も残る。

「でもどういうことかしら?何で私と全く同じ写真が…?それもいったい誰がどうやって…?」

 木下が提出した河川敷での写真。今思い出しても、木下以外カメラを構えて撮影していたものはいなかった。そもそも、複数人がそれぞれカメラを構えても、ミリ単位で全く同じアングルで撮ることは不可能である。なので、疑問は増す一方だった。

「はぁ~。落ち込んでも仕方ないし。次がんばろ!第一志望だけは、絶対に落とせない。」

 木下は何とか気持ちを切り替えようと、筆記試験の対策を始めたのだった。


 別の日の日中。休憩時間。

「で、真樹。話しって何だ?」

 真樹は杜夫に電話で話したことに関して、彼を呼び出した。真樹は真剣な顔で話し始める。

「その前に、一つ聞きたいことがある。」

「お、おう。いいけど、何をだ?」

「木下先輩が誰かに恨まれている…。その可能性はあるか?」

 真樹の質問に杜夫は首を振りながら答える。

「まさか!あの人めっちゃいい人だし、俺たちも随分世話になった!それに、誰かともめているなんて聞いたことがないぞ。」

 杜夫は全力で否定した。しかし、真樹は冷静な表情で続ける。

「だが、今回の件。聞く限り、間違いなく先輩の受験を邪魔しているとしか思えない。俺たちの見えないところで、誰かが先輩を恨んでいる可能性は高いだろう。」

「い、いや…。でも心当たりねぇよ。」

「だろうな。おそらく誰かの勝手な逆恨みだ。」

 真樹は自分の憶測を杜夫に話した。そして、結論を交えて続ける。

「それでだ。おそらく今回の犯人は学校の中にいる。だから、罠を仕掛けて暴き出すんだ。」

「でも、どうやって?」

「これは全員の協力がないと上手くいかん。一度、木下先輩と小林と話す時間が欲しい。」

「分かった。」 

 真樹の提案に杜夫は頷いた。受験を邪魔する謎の人物との戦いが始まろうとしているのだ。

 

こんにちわ。

今月はリアルで色々忙しく、投稿頻度が少なくなる可能性が高いです。

申し訳ありません。

可能な限り、投稿は続けますので、何卒よろしくお願いいたします。

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