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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode3 恐怖の体育祭
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第25話 乗り気になれないな

こんにちわ。

今回より新編です。

 秋というのは学生にとって様々なイベントがある。勿論、真樹達が通う大谷津学院高校も例外ではない。この学校のスケジュールは、毎年10月に体育祭、11月に文化祭がある。そして、今の時期は9月末。体育祭に向けての準備が進められている最中だった。

「そういや、もうすぐ体育祭だったな。」

「ん?ああ、そうか。まぁ、どうでもいいけど。」

 午後の休み時間、杜夫の言葉に真樹は素っ気なく返事した。真樹は元々イベント事には疎く、今回の体育祭も全く興味無かった。それに、幼少期は肥満茶位室で運動もあまり得意ではなかった真樹には運動会やそう言う類にいい思い出が無い。

「俺は楽しみだな。だって、本番でいい所見せれば女の子からキャーキャー言われるかもしれないんだぜ。」

「俺にとって世界一不要なカテゴリーだ。それに、お前は人から歓声を浴びるほど運動神経に自信があるのか?」

「うっ…。それは…。」

 この杜夫、勉強では赤点の常連だが、運動神経も正直言って悪い方だった。華奢な体系と比例するように体力が無く、駆けっこや腕相撲でも女子に勝ったことが無い。

「こ、これから練習も始まるだろうし、本番までに何とかしてやるよ!」

 動揺しながら杜夫は答える。時々、体育祭で活躍後に好きな人に告白する人がいるが、この学校も共学化後に過去何人かいたらしい。そして、杜夫は今年その枠を狙っているみたいだが、そんな彼を見て真樹はいろんな意味で呆れかえり、溜息をついていた。

「ねぇねぇ、どうしたの二人とも?」

 そこにやってきたのは慶だった。彼女は陸上部の短距離選手なので、本番では活躍するだろうと一部ではささやかれている。

「なんだ、オニィか。なんつーか、体育祭めんどくさいなーって思って。」

「俺は、活躍して女の子からちやほやされたいなーって思ってた。」

 真樹と杜夫はやってきた慶に対してそう答えた。それを聞いた慶はクスりと笑いながら話し始める。

「なーんだ、それか。僕は結構楽しみだな!走るの好きだし、もしクラス対抗リレーやるなら、是非とも立候補したいね。」

「オニィはいいよな。何にでも情熱注げて。それに、体育祭の競技でも得意分野活かせそうだし。」

「真樹だってパワーあるから騎馬戦や綱引きで活躍できそうだけどね。」

「まぁ、ダイエットして、体力は付いたからそこには自信あるかも。」

 真樹も微笑みながらそう答える。元々太っていたが、父の勧めで野球を始めて以降は順調に筋力も上がり、いまでは筋肉質の体型になった真樹だった。すると、杜夫が何かを思い出したかのように言った。

「そう言えば、この後体育祭の打ち合わせやるんだっけ?」

「ん、そうだったか。」

「僕も忘れてた!リレーには立候補したいな。」

 体育祭本番が近付いてきたので、この日の放課後各クラスに体育祭に関する打ち合わせの時間が設けられた。部活がある生徒もいるが、打ち合わせがあるということで、各部は活動開始時間を繰り下げている。それぞれの思うことは違うものの、3人は打ち合わせ前の午後の授業を受けるのだった。


 効果後、教室内にて。

「えー、じゃあこれから10月の体育祭の打ち合わせを始めます。ダラダラやっても仕方ないから、希望があれば積極的に手をあげるように。じゃあ、菅野さん。お願いね!」

「はい!」

 担任の立石に呼ばれて菅野という女子生徒が前に出てきた。そんな彼女の名前は菅野美緒(すがのみお)。このクラスの学級委員長だ。セミロングの髪の毛をポニーテールにまとめ、身長は女子にしては比較的高い方。きりっとした狼の様に整った顔立ちが印象的だ。バレー部に所属しており、勉強も真樹ほどではないが学年で5位以内には入っている。

「えーっと、みんな!まずは個人種目から決めて行きたいと思います!出たい種目があったらどんどん手をあげて!もし、定員オーバーになったらじゃんけんで決めるから!」

「はーい!はいはーい!」

「鬼越さん!どうぞ!」

 美緒の言葉に慶は真っ先に手をあげた。そして、一番望んでいたことを伝える。

「僕、クラス対抗リレー出たいです!あとは、残った枠でいいです。」

「鬼越さんがリレー出てくれるなら大歓迎よ。じゃあ、一人は決まり…。えーっと次は…。」

 早速慶のクラス対抗リレー出場が決まった。慶はガッツポーズをしながらご機嫌な様子で席に付いた。その後も障害物競争、玉ころがし、100m走といった個人種目の出場者がだんだんと埋まっていったが…。

「これで決まり…次は…。ん?」

 黒板から教室内を見た美緒は一瞬顔をしかめた、その視線の先には…。

「ちょっと、湯川君!」

 美緒の怒鳴り声が教室に響く。真樹はすっかりうとうとしていたのか、寝ぼけた表情で美緒の方を見た。

「何?」

「何じゃないわよ!今個人種目の出場者決めてる所なの!さっきからボーっとして話に参加してないし!少しは積極的に手あげてよ!」

「うるさいな。俺は特に個人種目にこだわりはねぇよ。余った所があるなら適当に入れといて構わないからさ。」

「そうはいかないでしょ!学級委員として私はそんな勝手なことはできないわ!だから希望あるなら言って欲しいって言ってるのに!こんなんじゃ進みが遅くなるじゃない!」

「進行遅らせてるのはそっちだろうが!俺は特に好きな種目ないから空きがあればどこでもいいって言ってるのに!出たい奴の種目先に決めた方が進み早くなるんじゃねぇの?」

「な…生意気な!もう、そんなんだからあんた女子全員から嫌われるの!何で分かんないの!」

「余計な御世話だ!」

 案の定、全く乗り気でない真樹と真面目に委員長としての仕事をこなそうとする美緒は些細なことで口喧嘩になってしまった。他のクラスメートたちは「またかよ。」と呆れかえっていたが、見かねた立石が立ちあがった。

「湯川君。」

「何ですか?」

「本当にそれでいいの?」

「いいんです。正直何に出ても同じですから。」

「ふぅ、分かったわ。これ以上ズルズル行っても仕方ないしね。定員が足りないところが出たらそこに入れる形でいいかしら?」

「最初からそうしてくれって言ってます。」

「了解。菅野さん、そうして頂戴。」

「う…分かりました。」

「それと、あんまりムキにならないこと。あなたがキレちゃったら元の子もないでしょ!」

「はい…。」

 美緒は不満そうだったが、とりあえず真樹を置いて打ち合わせを続けた。立石はというと、こんな状況でうちのクラスは本当に大丈夫なのか心配になっていた。真樹は相変わらずどうでもよさそうな様子で椅子に座っている。それぞれの思惑が渦巻く中、A組の体育祭の準備は着々と進んで行った。

こんにちわ!

真樹はやっぱり真樹でした。

そして、新キャラ登場&体育祭と今後も色々あります!

お楽しみに!

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