第252話 美緒の生い立ち
こんにちわ。
急に寒くなってますので、体調管理気を付けます。
-21:00 東京都江東区内-
「な、何なのよ!あんた達?!」
夜になり、人気がほとんどなくなった路地。そこで20代くらいの女性が、突然4人組に囲まれていた。グループの内の一人が言う。
「なぁ、お姉さんよぉ。うちら金ないの!だからくれない?」
「金だけ置いて帰れば、命だけは助けてやるよ!」
もう一人のメンバーも女性にそう言った。しかし、女性は首を横に振る。
「嫌よ。何で私がそんなことしなきゃいけないの?」
すると、3人目のメンバーが黒いパーカーのボス風の少女に言った。
「って、言ってるけど愛理。どうする?」
「じゃあ、仕方ないわね。力ずくでもぶん取ってやる。」
愛理と呼ばれたボス風の少女は、女性の首を掴んだかと思った瞬間、道路に仰向けで押さえつけた。
「な、何すんのよやめて!」
「うるさい!うちらに楯突いたらどうなるか思い知らせてやる。みんな、やれー!」
「「「おう!」」」
少女達は女性に殴る蹴るの暴行を20分ほど続けた。そして、女性は顔中血だらけになって動かなくなると、愛理は女性の鞄から財布を取り出し、現金6万円を抜き取った。
「お、結構持ってんじゃん。最初から素直に渡せばケガしないで済んだのにな。みんな、今日はこれでパーッとやるぞ!」
「りょーかーい!」
「愛理、様様だな!」
少女たちは倒れている女性を放置して、そのままどこかへ向かってしまった。
-10分後 同区内のファミレス-
「じゃあ、今日も大収穫だから、カンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
愛理は仲間たちとファミレスにて強奪した金で料理を大量に注文し、騒いでいた。そんな時、愛理はスマホで何やら気になるものを目にした。それを見て、不敵な笑みを浮かべながら仲間たちに言った。
「あ、みんな聞いて。いいこと思いついた。」
「何~?」
仲間の一人が興味深そうに聞いた。
「今までは適当に、嫌いな先公や金持ってそうな奴らを狩ってたけど、次はターゲットを決める。こいつだ。」
愛理のスマホの画面を仲間たちが見る。仲間の一人が首を傾げた。
「こいつを狩る?別にいいけど。」
「金持ってるの?」
その問いに愛理は首を振った。
「いや、今回金はどうでもいい。今まで結構な額はふんだくれた。痛めつけるのが目的よ。」
「なるほど。こないだうちのババアと喧嘩してイライラしてたから、丁度良かった。」
愛理の作戦に一同は賛成した。そして、愛理も笑いながら言った。
「フフフ、楽しいことになりそうね。」
その後、一同は店員に注意されて追い出されるまで店で騒ぎ続けた。
一方。こちらは菅野家。
「はーい。皆さんどうも!リオリオです!今日も楽しく動画撮っていきましょう!」
夕食を終えた菅野一家は、それぞれの時間を楽しんでいた。そして、次女の莉緒はこの日も動画撮影に夢中になっていた。
「今日動画で使うのはこちら!見てくださいこの大きさ。私の顔が完全に隠れる、超巨大なジャンボ煎餅です!」
莉緒は直径50㎝はあろうかという巨大な煎餅を取り出してカメラに向かって話し続けた。
「なので、今回のテーマはこちら!女子中学生が、超巨大な煎餅を食べきるのに、どのくらい時間がかかるのか?早速やってきましょう!頂きまーす!」
そう言うと、莉緒は巨大煎餅を上からバリバリ齧り始めた。無言で煎餅にかじりつくだけのシチュエーションは、傍から見てかなりシュールに映っている。そんな撮影中の莉緒の部屋の前を通り過ぎた長女の美緒は、撮影中の莉緒の事を想像しながら呟いた。
「今日もやってるわ。よく飽きないわね。」
そう言って美緒は隣にある自分の部屋に入り、ベッドに腰かけた。そして、ふと本棚にあったある物に目が移り、それを手に取った。
「懐かしいわね。横浜に住んでた時だ。」
それは小学校の卒業アルバムだった。紺色の表紙には『横浜市立東神奈川小学校』の文字が刺繍されている。美緒は現在は千葉県船橋市在住だが、出身は神奈川県横浜市神奈川区であり、小学校6年生まで住んでいた。両親の仕事の都合で中学進学と同時に千葉に引っ越し、現在に至っている(当時小学校3年生の莉緒は4年生に進級と同時に転校している)。ページをペラペラめくり、小学校時代の同級生や思い出の写真を見ながら、美緒は微笑みを交えて呟く。
「みんなどうしているかしら?携帯電話も持ってなかったから、横浜時代の子たちとは連絡取りようがないし…。でもまぁ、みんな元気にやってるでしょ!」
そう言って美緒は読み終えた卒業アルバムをしまうと、次は漫画を取り出して読み始めたのだった。
そして、真樹はというと案の定夜のニュースを見ていた。前のニュースが終わった途端、アナウンサーが速報の原稿を受け取った。
「速報です。今日、東京都江東区内の路上で、女性が4人組の少女に襲われ、意識不明の重体です。」
それを見た真樹は難しい表情で言った。
「4人の女に人が襲われる…。荒川の時と同一犯っぽいな。」
アナウンサーは速報を続ける。
「現場は、江東区亀戸郊外の住宅地で、当時人通りは少なかった模様。女性が倒れている所を近所に住む50代の夫婦に発見され、警察と救急に通報。その時に夫婦は離れた場所に4人の若い女性らしき影が見えたと話しており、警察では先日から神奈川県東部や都内で発生している連続恐喝事件と同一犯として捜査をするとの事です。」
ニュースを見た真樹は真顔で何か考え込んでいた。そして、こう呟いた。
「う~ん…。俺らと同年代位か…。神奈川から東京って随分範囲が広いが、仮に同一犯だったとしてどうやって移動しているんだ?とりあえず、千葉に来ないことを祈るしかないな。」
そう言って真樹はテレビを消して、部屋に戻って就寝したのだった。
こんにちわ。
物語を動かす話と、キャラクターの情報を紹介する話、バランスよく書くのが難しいです。
もっとうまく書けるようになりたいと思ってます。
それではまた次回!




