第250話 朝からため息
こんばんわ。
今月最初の投稿です。
真樹は夜のニュースを険しい表情で見ていた。その内容というのが、都内で男子中学生が不良少女グループに恐喝され、現金を奪われるというものだった。女嫌いな真樹からすれば、叩きたくて仕方のないような事件である。
「あ~あ。どうすればこんなバカ女に育つんだろうな?親の顔が見てみたいぜ。」
そう呟いた真樹はテレビを消し、部屋に戻って眠りに就いたのだった。
翌日。真樹はいつも通りに起きて、学校に行くために家を出る。そして、駅で電車を待ち、抵抗通りに到着した電車に乗り込んだ。その時、すぐ横にいた男子学生二人がスマホで動画を見ながら何やら楽しそうにしている。
「おい、見ろよ。リオリオの動画更新されてるぞ。」
「ホントだ。おお、可愛い!」
「リオリオって歌もダンスも上手いよな!」
「可愛くて何でもできるとか最高!」
「こんな子がうちのクラスにいたら楽しいだろうな!」
「ホントそれ!まだ中学生だって?うちの高校受験してくれないかな?」
「リオリオが学校来たら、うちの学校もバズるぞ!」
少年たちは真樹の真横にいるので、会話の内容や二人が見ているスマホの画面は嫌でも真樹の目と耳に届いていた。真樹はちらりと目に入った動画を見て、少し溜息をついた。動画の内容は人気中学生インフルエンサーのリオリオが歌いながら踊っている物だった。
(何が面白いんだか、さっぱり分からないな。女が歌って踊る動画見るだけで喜ぶとか、どんだけ趣味が悪いんだよ。それに、その女が本当に中学生なら、そんなことに力入れずに勉強しろよ。)
身も蓋もないが、ごもっともな意見を心の中で述べた真樹。そんなこともありながら、真樹が乗る列車は学校がある成田駅に到着したのだった。
学校にて。
「おい、湯川。」
「…。」
「おい、この俺様を無視すんのか!」
裕也に絡まれたが、真樹は無視を決め込んだ。裕也としては自分がこの世で一番偉いと思っているので、無視されたことに怒り始める。
「てめぇ、誰の許可取ってこの俺様にそんな態度とってんだ?!」
裕也は増々口汚く真樹を罵り始めた。そして、昨日美緒に注意されたにも関わらず、この日も新品の電動スクーターで通学している。
「悪いけど黙っててくんない?ただでさえ耳障りなお前の声に加えて、スクーターのモーター音も合わさるともはや騒音公害だ。」
毒たっぷりの真樹の言葉に裕也が黙るはずもなく、むしろ火に油を注ぐ結果になった。
「この野郎。スクーターも買えない貧乏親無しクズ陰キャが!俺だって朝からお前の姿を見るのは不愉快だ!今すぐ轢き殺してやる!」
裕也の言葉に周りにいた女子は、昨日の美緒の時と同じように同調しながら真樹に野次を浴びせる。
「裕也君、頑張れー!」
「学校のばい菌、湯川真樹を殺せー!」
「湯川君は人間じゃなくてゴミだから、殺しても殺人罪にはならないわよ!」
女子の声援を聞いた裕也は、猛スピードで真樹に突っ込んできた…が。
「なっ…!?」
「下手な運転だな。そんなんでよく免許取れたもんだ。」
なんと真樹は両手で裕也のスクーターのライトを掴み、正面から受け止めていた。裕也も振り払おうとモーターの出力を上げてハンドルを振るが、真樹の怪力によりタイヤは空回りするばかりでびくともしない。
「このっ、離せ!汚い手で触るな!」
「お前が土下座して謝罪するなら、考えてやらないでもない。」
お互いに意地を張り、一触即発名二人。そんな時、またも仲裁に入ったのは…。
「いい加減にしなさい!」
丁度登校してきた美緒だった。美緒は二人をにらみながら言う。
「大和田君、私言ったわよね。スクーターで学校来ちゃダメって。いい加減その横暴な振る舞いを改めなさい!」
「うるせえ!」
「それと湯川君も!こんな馬鹿な反撃しない!相手の喧嘩もすぐ買わない!もっと大人な振る舞いをしなさい!」
「何で俺まで…。」
お互い不満な表情を浮べつつも、始業時間が近づき、気分的にも興ざめした裕也は、取り巻きの女子を連れてスクーターを止めに行った。美緒は真樹を睨みながら言った。
「湯川君。」
「何だよ。」
「もう、何であなたはそんな無茶ばっかりするのよ!」
「突っ込んできたのは向こうだ。」
「何も素手で受け止めることないじゃない!」
「あいつの面食らった顔を拝みたくてな。」
そんなことを話していると、慶が走りながら登校してきた。
「はぁ、はぁ…間に合った。」
「オニィじゃん。」
「おはよう慶。」
真樹と美緒は息を切らしている慶に挨拶した。
「寝坊して、いつも乗る電車に乗れなくって…。っていうか、何かあった?」
「何でもない。教室行くぞ。」
不思議そうな表情を浮べた慶に対し、真樹はそう言って3人そろって教室へ向かったのだった。
こんばんわ。
最近寒くなってきました。
体調管理には気を付けていきます。
それではまた次回!




