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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode15 菅野美緒、絶体絶命
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第248話 悩み事多き少女

こんにちわ。

今回より新章に入ります。

 もうすぐ1月が終わり、2月を迎えようとしている中、相変わらず寒い天気が続いている。そんな寒い朝、部屋の中で一人の少女が目覚めた。

「んん…。もう朝か…。」

 背が高く、すらりと伸びた長い手足。寝ぐせで少し乱れているが、艶のある黒いロングヘア。狼の様に鋭い吊り目をもち、色白で顔立ちも非常に整っている。少女の名前は菅野美緒、真樹と同じ大谷津学院に通う生徒の一人だ。

「6時か…。二度寝怖いから起きよ。」

 そう言って美緒は部屋の中で軽いストレッチをした後、リビングに移動して朝食をとる。その後、着替えて学校に向かうのだった。

「行ってきます。」

 氷点下の中、美緒はスタスタと駅に向かったのだ。


 そして、美緒は学校に無事に着いたのだが…。

「ヒュー!朝風に打たれながら学校に通うのもいいねぇ。」

 ブーンというエンジン音と共に、楽しそうな男性の声が聞こえてきた。美緒が振り向くと、一人の男子生徒がスクーターに乗って校舎に入ってきたのだった。それを見た他の女子生徒たちは…。

「きゃー!

「裕也君、カッコいい!」

「スクーター似合う~!」

 その男子生徒の名は大和田裕也。美緒や真樹と同学年で、学校一の美少年として女子生徒からモテモテの男子である。女子の歓声を聞いた裕也は満面の笑みを浮かべながら言った。

「だろ?昨日免許取って、親父がご褒美に150万の新型電動スクーター買ってくれたんだ!自転車より速くてカッコいいから、俺みたいな男には相応しい!」

 そう自慢げに言う彼に対し、女子は更に歓声を上げる。しかし、美緒だけは違った。

「ちょっと大和田君!スクーターで学校来ちゃダメでしょ!何考えてるの!」

 美緒は裕也に注意をしたが、裕也は聞く耳を持たない。

「うるせぇ!俺がいいって言ったらいいんだよ!折角の気分に水差すな!」

「とにかく、こんな馬鹿なことはやめなさい!」

「黙れ、菅野!お前みたいに可愛げの欠片もない女は邪魔だ!轢き殺してやる!」

 裕也の言葉に取り巻きの女子たちも「そうよ、そうよ!」「あんな石頭轢いちゃえ!」等の声を裕也に送る。裕也はスクーターを加速して美緒に突進してきた。

「きゃっ。何すんのよ!」

「うるせぇ!」

 尻もちをついた美緒に対し、裕也はそれだけ言ってスクーターを自転車置き場に停めに行った。

「なによ、もう…。」

 朝から災難に巻き込まれた美緒だった。


 お昼休憩にて。

「見ろ!この前の写真部の活動で河口湖行った時撮った富士山だ!すげぇだろ!」

 杜夫がデジカメの保存画像を見せながら楽しそうに話している。それに対し、真樹が笑顔で頷いた。

「うん。さすがは杜夫だ。俺も河口湖行きたくなったぞ!」

 そして、慶と沙崙も笑顔で言った。

「いいなぁ、僕も行きたい!昔合宿で行ったっきりだから、観光したいな。」

「私も!帰国まで時間ないから、それまでに富士山近くで見たいわ。」

 そんな話をしていると美緒が何かに気付いたかのように言った。

「河口湖…富士山…。あっ!そうよ、次の大会の会場山梨だったわ!」

 美緒は今度出場するバレー部の大会の事を思い出していた。それを聞いた慶と沙崙が美緒に激励の言葉をかける。

「そうだ。美緒も大会控えてるんだよね!頑張ってね、応援するよ!」

「私も!美緒のいいとこ見せてきなよ!」

「ありがとう、みんな!」

 美緒が微笑みながらそう返した。真樹と杜夫も頷きながら言った。

「菅野は春季大会。俺たちも選抜の結果がそろそろ届くころだから負けてられないな。」

「真樹も選抜出れることを信じようぜ。」

 そんな感じでこの日の昼休憩は終わった。


 放課後。体育館にて。

「そこ、もっと反応速く!」

「はい!」

「もっと強くサーブ打たないと、相手にしてやられるわよ!」

「すみません!」

 バレー部が練習中だった。コートで実戦練習をしていたのだが、そこで美緒が1年生達にげきを飛ばしていた。

「じゃあ、今度はこっちから行くわよ!それ!」

 美緒がそう言って鋭いサーブを打ち、実戦練習を続けていく。そして、大会が近い事もあって普段以上に練習に熱が入った美緒たちは、最後辺りはすっかりへとへとになっていた。

「はい、じゃあ今日はここまで。練習に精を出すのはいいけど、ケガだけはしない様に。以上!」 

 顧問がそう言って、部員たちはゾロゾロと帰って行った。美緒も着替えを済ませ、校舎を出て駅に向かう。

「あー、疲れた。ちょっと気合入れすぎちゃったかしら?にしても寒い!早く帰らなきゃ!」

 足早に駅に向かった美緒。ドタバタしながらも、彼女の学校での1日は何とか終わったのだった。

こんにちわ。

新しい章を考えるのに時間がかかってしまいました。

今後も、こまめに投稿したいと思います。

よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 新章始まりましたね!今度は菅野美緒がメインの話でしょうか?果たしてどんな展開になるのか楽しみです!
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