第245話 立石の決断
こんにちわ。
久々に投稿します。
東京の新小岩高校での練習試合を終えた真樹達は、帰りの電車に乗って千葉方面に向かった。しかし
、自宅には向かわずに立石の自宅がある八千代市へ向かった。
「とりあえず、先生には話しておくか。」
立石のアパートに到着した真樹はそう言った。因みに、他には慶、武司、伸治、美緒、沙崙が付いてきている。
「確かに、ズルズル引きずって取り返しつかなくなるのも嫌だよね。」
慶が心配そうな表情でそう言った。武司と伸治も神妙な面持ちで言う。
「とりあえず、その逆恨み野郎を引きずり出して、先生に懲らしめてもらう感じか?」
「でも、正体が分かんないんじゃどうしようもなくね?」
そう言う二人に対し、美緒が強めに言った。
「何でもいいわ。スプレー女に仕返しが出来れば!」
「美緒、いったん冷静になろう。ね。」
沙崙が美緒を宥める。そして、一同は二階にある立石の部屋の前に来て、インターホンを鳴らす。
「はーい。」
部屋の中から声が聞こえ、ドアを開けると立石が出てきた。
「え、どうしたの?みんな。」
立石も真樹達が家の前に現れて少し驚いている。真樹は真面目な表情で言った。
「先生、お話したいことがあります。少しお邪魔してもいいでしょうか?」
「わ、分かったわ。みんな入って。」
立石は全員を部屋に招き入れた。そこで、慶が立石に聞く。
「先生、昨日とか今日は大丈夫でした?」
「うん。昨日は何もなかったわ。今日も今のところは。」
立石はそうは言ったものの、やはり少しやつれている。そんな時、真樹は言った。
「先生。今日新小岩高校で練習試合したんですけど、そこで先生のお友達の伊藤先生に会って話してきました。」
「ええ、さっき葵から連絡あったわ。じゃあ、もう色々知ってるのね。」
「はい。」
真樹は表情一つ変えずにそう言った。そこで、美緒が口を開く。
「私は前に先生が話してくれたんで知ってましたけど、何度聞いても腹が立ちますよね。こうなったらもう、私達が直接手を下しましょうよ。」
「で、でも…そんなことしたら火に油を注いじゃうかもしれないし…。」
立石が元気なくそう言うと、再び真樹が話し始める。
「先生、これ以上放置しても、事態が悪化するだけです。さっさと犯人捕まえて警察に突き出しましょう。」
「湯川君…。」
「犯人が最近現れなくなったのは、伊藤先生に顔を見られ、似顔絵が公開されたからでしょう。でも、先生への腹いせは諦めてはいない。おそらく今夜にはまた来るでしょう。」
真樹のその言葉に、立石達の表情が強張る。真樹は更に続ける。
「先生、俺に考えがあります。ここは、信じてもらえないでしょうか?」
真樹がそう言うと、伸治が尋ねる。
「真樹。どうするつもりだよ?本当に犯人が今日来るのか?」
伸治に続いて、武司も首を傾げながら言う。
「捕まえるのはいいとして、相手が武器とか持ってたらヤバくね?人的被害も実際出てるし。」
武司の指摘はもっともだった。嫌がらせの為に色々な道具を持っている犯人が、凶器を隠している可能性は高い。沙崙も複雑な表情で言った。
「まぁ、でもさ。真樹の言う通り、こっちから行動しないと手遅れになりそう。先生、今日でケリをつけましょうよ。」
沙崙にもそう言われて、立石は複雑な表情で悩んだ。そして、しばらく考えた後に顔を上げる。
「分かったわ。色々心配してくれてありがとう。湯川君の考えとやらに乗るわ。」
こうして、立石は真樹達と協力し、犯人を捕まえる決断を下したのだった。
その頃。
「顔を見られたせいで、外に出づらくなった…。畜生…。」
犯人は伊藤に顔を見られてから、立石に報復できなくなり、イライラが溜まっていた。
「こうなったら、直接痛めつけてやる。覚悟しろ、立石美咲!」
そう言いながら犯人は、再び立石の所に向かうべく、準備を進めたのだった。
こんにちわ。
中々投稿できなくて本当に申し訳ありません。
この章ももうすぐ終わります。
皆さんも、よい夏をお過ごしください。




