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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode14 立石美咲の受難
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第233話 立石の愚痴

こんにちわ。

投稿が遅れてごめんなさい。

 朝、立石は自室のベッドから起き上がった。時間通りには起きたものの、目覚めがいいというわけではなさそうだ。

「何だろう?疲れがたまってるみたいね。」

 そう言いながらも着替えて朝食をとり、学校へと出勤する。いつもと変わらない日常の始まりである。

「おはようございます。」

 立石は他の教員に挨拶して、自分のデスクに着いた。朝のホームルームと1時間目の授業をしている時、関屋が声を掛けた。

「おはようございます、立石先生。」

「あ。関屋先生。おはようございます。」

「あの…なんか顔色が悪いみたいですけど、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。何か、最近疲れちゃって…。」

「そうでしたか…。あまり無理しないでくださいね。」

「ありがとうございます。」

 二人はそんな会話をして、朝の仕事の準備に取り掛かった。


 そして、2年A組の教室。

「…という訳で、3月には学期末テストがありますから、まだ時間があるからって勉強を怠けない様に。皆さんは次は3年生なので進路の事も考えてください、以上!」

 立石はそう言って朝のホームルームを終え、職員室に戻って行った。そんな立石の様子を、真樹は難しそうな顔で見ている。

「んー…。」

「どうしたの、真樹?」

 慶が気になって声を掛けてくる。

「いや、先生の雰囲気がいつもより暗く感じる。」

「そうかなぁ?僕はあまり変わらないような気がするけど。」

 そして、杜夫と沙倫も会話に加わる。

「真樹の言うことも分からなくはないな。声のトーンが年明け前より低い。」

「確かに、最近笑っている所見た事ないかも。」

 そんな時、美緒がチクリと真樹の方を見て言った。

「湯川君が色々騒動巻き起こすからじゃないの?それで、周りから色々言われて疲れているとか。」

「ちげぇよ!って言いたいところだが、全否定できない自分が悲しい。」

 真樹も誰かを守る為に大胆な作戦を実行し、結果大騒ぎになってしまうことばかりであった。結果、真樹は学校内で要注意人物として扱われ、その担任である立石にも目が向けられるのは仕方ないだろう。

「だが、ここまで元気を吸い取られていると少し心配になるな。」

 真樹も少し罪悪感があるのか、雰囲気が暗い立石の事が気になっていたのだった。


 そして、その日の夕方。

「終わった。帰ろう。」

 立石がその日の仕事を終え、帰ろうとした時にメッセージの着信音が鳴った。スマホの画面を見ると、『伊藤葵』という名前が表示されている。

「何かしら?」

 立石がスマホを開くと、メッセージが書かれている。

『美咲、久しぶり!今日暇?もし時間あれば二人で一杯やらない?』

 メッセージを見て、立石は微笑んだ。

「葵、久しぶりね。最近会えてないし、お酒も飲みたい気分だから行くわ!」

 立石はそう言うと、早速返信した。

『久しぶり、勿論OKよ!行きましょう!』

 そうメッセージを送り、立石は学校を後にした。


-19:00 船橋駅前-

「美咲、久しぶり!」

「葵も久しぶり!去年の同窓会以来じゃない?」

「うん、とりあえず行こう!店は私が見つけたから。」

 スーツを着た小柄でショートカットの女性が手を振りながら立石を迎える。その葵と名乗る女性はそう言って立石を店に連れて行った。そして、二人はそれぞれ好きなものを頼んで、来るまでの間談笑する。

「どう、美咲?元気でやってる?」

「うーん、最近色々ありすぎて疲れたわ。そっちは楽しそうね。」

「うん!って、美咲大丈夫?」

 そんな話をする二人。立石を気遣うその女性は伊藤葵と言い、二人は葛飾大学教育学部の同級生である。伊藤は卒業後、立石とは別の都内の学校に勤務し、現在もそこで英語教員として働いている。

「何か…ちょっと癖の強い子がうちのクラスにいてね。悪い子じゃないんだけど、その子を中心に色々騒動が起きているっていうか…。」

「そ、そうなんだ…。私もさ、チビだからって生徒たちみんなに馬鹿にされて、ちゃん付で呼ばれたり、敬語も使ってくれなくて、舐められてるみたいでキツいの。」

「いいじゃない。愛されてるみたいで。」

「そうなんだけどね。威厳は取り戻したいわ。」

 そう話している時に、伊藤は何かに気付いたように立石に言った。

「もしかしてだけど、その癖の強い子って、甲子園で物投げられながら野次られてた子?」

「なんで分かったの?」

「だって、美咲。うちのクラスの子が甲子園行ったって喜んでたし、それにホームラン打って物投げつけられる子なんて他にいないでしょ?」

「ま、まぁ…普通はね。そうなんだけど…。」

「他にも、修学旅行で殺されかけたり、陸上の姫宮麻衣や声優ユニットのトライスターズの不祥事暴いて逮捕に貢献したっていう噂も聞いてるわ。」

「噂広まるのって本当に早いわね。そうよ、何もかも事実よ。悪いのは湯川君じゃないけど。でも、あの時は本当に大変だったんだから。」

 少し疲れた表情で立石は言った。真樹が悪いわけではないが、騒動の渦中に彼がいると担任として心配になるからである。

「でも、その子だって悪気がある訳じゃなくない?話聞く限り、彼が被害者のパターンもあるみたいだし。」

「そうなんだけどね…。でも、成績も優秀だし部活も頑張ってるから、私なりに期待してるのよ。」

「そう来なくっちゃ。美咲は真面目で優しいから、あんまりため込みすぎないようにね!」

「葵はもう少し、中身も大人になりなさい!だから、生徒たちに舐められるのよ。」

「うっさいわね!とりあえず、来たんだし、飲も!」

「うん、お疲れ!」

「「カンパーイ!」」

 こうして、つかの間の癒しの時間を過ごした二人。立石に、災難が迫っているとも知らず…。

こんにちわ。

リアルでの生活が現在ドタバタしているので、前みたいに毎週投稿はしばらくできません。

ご理解をお願いいたします!

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