第229話 大食い怪獣、退治される
こんばんわ。
この章も、もうすぐクライマックスです。
大野花子。大谷津学院の1年生の女子で、異常な程食い意地が張った少女だ。特に、誰かの食事の時に同席するのが好きらしく、人が頼んだ物を勝手に食べつくし、尚且つ円も払わないという図々しさを炸裂させていた。しかし、そんな彼女も真樹の罠に嵌り、窮地に立たされていた。野球部の忘年、会にアポなしで突撃した挙句、勝手に料理を注文。真樹達が仕返しに摘まみ食いすると、それに逆上し、指摘されると更に逆上して1円も払わずに帰宅してしまう始末だった。それに対し、関屋は料金を建て替えたものの、店側は改めて大野に料金を請求。当事者である大野花子自身は自身に非は無いと支払いを拒否したが、大野の両親はさすがにこれはまずいと思ったのか、大野の手を引き店にやってきたのだった。
「本当に申し訳ございませんでした!」
「娘が…ご迷惑をお掛けしました!」
大野の母親と父親は、忘年会が行われた店に大野を引き連れて現れ、請求分の料金を払って謝罪した。しかし、大野の方はまだ不服そうである。
「ママもパパも謝らないでよ!私は悪くないのに!」
全く反省の色を見せない大野に対し、店主は溜息交じりで話し始めた。
「はぁ…まぁ、代金は頂きましたし、私も今回はこれ以上大事にするつもりはありませんけどね…。ただ、お宅の娘さんには…もううちのお店に来て欲しくないですね!」
店主の言葉に大野は納得いかなかった様だった。
「ちょっと!店の分際でお客を選ぶつもり?!こっちは客よ!舐めたこと言ってんじゃないわよ!」
当の大野は全く反省せず、店主に嚙みつく始末だった。両親は慌てて大野を叱る。
「花子、何てこと言うの!」
「すみません、すみません!」
大野の両親は改めて店に謝罪した。しかし、店主は厳しい表情で言い放つ。
「ご両親のそのお気持ちは受け入れました。しかし、当の娘さんはまるで反省してないようなので…、これ以上傷口を広げるなら、我々も被害届出すことを考えましょうか。」
被害届と言う単語を聞いた瞬間、大野の両親は更に青ざめた。
「た、大変申し訳ございません!」
「花子、いい加減にしろ!すみません、今すぐ連れて帰りますんで!」
両親は再度謝りながら大野の手を引いて店を後にした。その際も大野は悪足掻きを続ける。
「ヤダ、ヤダ!私は悪くない!」
大野は両親に引きずられるように店から連れ出された。今回、店主は大野の出入り禁止のみで事態を終わらせたが、店主は更にため息をつく。
「はぁ…こんな気分で年越ししたくなかった。」
そう呟きつつ、店主はその日の仕込みを再開したのだった。
その日の夕方、真樹は慶との自主トレーニングを終えて、自宅に戻っていた。夕飯を食べ終えた頃、スマホに着信が来る。
「ん、誰だ?」
スマホの画面には知らない番号が表示されていた。真樹は首を傾げながらも電話に出ることにした。
「もしもし?」
「もしもし?!湯川先輩ですよね?!どうしてくれるんですか?!」
スマホ越しに女性の金切り声が聞こえる。真樹にはそれが誰なのかすぐに分かった。
「大野か?何で俺の番号知ってるんだよ?」
「そんな事どうでもいいですよね?それよりも、私先輩のせいで散々目に遭ってるんですよ!どうしてくれるんですか?」
大野は怒りながら真樹に怒鳴り散らす。だが、真樹は冷静だった。
「どうせ店側から追加料金でも請求されたんだろ?払っちまえばいいのに。」
「ええ、パパとママが代わりに払ってくれたんでそれは大丈夫です!でも、私は湯川先輩の事を許しません!」
毅然とした真樹に、大野は喧嘩腰で噛みついた。だが、真樹は動じない。
「俺たちの忘年会乗り込んでおいて、勝手にキレてバックレたよな。その上その料金を関屋先生に肩代わりさせて、さっき親に払ってもらったんだろ?」
何もかも真樹にはお見通しだった。それに対し、大野はまだ悪足掻きを続ける。
「そ、そうですけど…先輩が私の事隠し撮りしたせいで悪評広がってるのは間違いないですよね!だから、全部先輩のせいです!慰謝料払ってください!あと、最高級フレンチのフルコース奢ってください!それで許してあげます!」
あまりに厚かましい大野に対し、真樹は声のトーンを落としながら言った。
「好き勝手にするのもいい加減にしろよ、大野。全部お前の自業自得だ。それに、好き勝手やって大勢に迷惑かけた代償は払ってもらうからな。ま、どの道もうお前を無罪放免って訳にはいかないから!」
「な、何を勝手に!」
「俺からはもう話すことはない!じゃあな!」
真樹は一方的に電話を切った後、真樹は呆れ顔で呟いた。
「やれやれ、ようやく鉄槌を下せたよ。あいつの親はまだマトモだったみたいなのがせめてもの救いだな。」
そう言いながら畳に寝そべる真樹。そして、大野の受難はまだまだ続くのであった。
こんばんわ。
さあ、もうこの章も終わりです。
大変お待たせいたしました。
次回もお楽しみに!




