第228話 大晦日の大炎上
こんばんわ。
投稿が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
12月31日。この日は大晦日である。その年の最後の早朝に、真樹は目を覚まして、布団から起き上がった。
「んん…。もう6時か。」
そう寝ぼけ気味に言いながら真樹は立ち上がって着替えを始める。着替え終わった後、真樹はスマホを手にして画面を開いた。
「どうなったかな…?」
そう呟きながら真樹は自身のSNSを見てみる。すると、真樹はつい最近投稿した物の反応を見て、微笑みを浮かべた。
「やっぱりな。思った通りだ。やはり、世間はやはり俺たちの味方だったな。」
勝ち誇った様な顔でそう言った真樹は、ご機嫌な様子で居間の方へ向かっていった。
午前8:00。大野家。
「ちょっと、花子!起きなさい!」
「ほら、起きろ!一体どういうことなんだ?!」
大野はまだ布団の中で眠っていたが、物凄い形相の両親に叩き起こされた。大野は寝ぼけた様子で布団から出てくる。
「ううん…何よ。まだ眠い~。」
不満そうに体を起こした大野に対し、両親は更に詰め寄った。
「花子!何なのよ、これ!」
「請求書って、どういうことだ!?」
顔を真っ赤にする母親の横で、父親が1枚の紙を見せた。大野はそれを読むと、一気に目が覚める。
「な、何よこれ…?」
そこにはこう書かれていた。
『請求書 当店は12月30日にご予約された、大谷津学院野球部に急遽追加で入られた大野花子女史に対し、当日急遽人数変更の手数料2000円及び1名分の料金3500円が未払いの為、ご請求致します。支払期限は1月5日、午後20時迄。お支払方法は来店して現金一括払いでお願いいたします。期日までに支払われない場合は法的措置も考慮致します。 店主。』
それは、真樹達大谷津学院野球部が先日練習納の打ち上げを行った店からの請求書だった。大野は勝手に乱入して料理を注文したが、真樹達が仕返しでつまみ食いをした結果、逆ギレした上に1円も払わずに帰ってしまった。
「こんなの知らない!絶対に払わないわ!」
大野は起こりながら支払いを拒否したが、両親は大野の味方をしなかった。
「何言ってるの!あんたの名前が書いてあって、うちのポストに入ってたのよ!何で知らないのよ!」
「それにこの日、お前が忘年会に出るって言って家飛び出して行ったあと、すぐに怒って帰ってきた日じゃないか!とにかく店に行くぞ!」
「やだぁ、嫌だぁぁぁぁ!」
こうして、大野はパジャマ姿のまま、両親に引きずられて店に行ったのだった。
実は大野がキレて帰った後、こんなやり取りがあった。
「本当にすみません。彼女は野球部とは関係ありませんが、うちの生徒が迷惑かけたのは間違ありません。」
関屋は店主に頭を下げながら謝罪した。だが、店主は特に起こった様子は見せなかった。
「いえいえ、そんな。見た所、皆さんも被害者みたいですし。」
さすがに店主もあの大野と真樹達の修羅場を見て、真樹達が迷惑を掛けられているのはすぐに分かったようだ。それでも関屋は謝罪を続ける。
「でも、追加料金も発生しましたし、ここは私がお支払いいたします。」
「そ、そうですか…。それならここは受け取りましょう。」
「すみません。」
「その代わり、その代金は彼女に請求致します。」
こうして、関屋は発生した追加料金を立て替え、店側が大野に後程その請求をするに至ったのだった。
一方その頃、真樹は慶と共に自主トレーニングをしていた。一通りランニングを終えた後、水分補給の休憩をしていたのだが、真樹はスマホを開いて、画面を見て笑みを浮かべる。
「おお…燃えてる、燃えてる。」
そう言う真樹の横で慶が興味津々に聞いた。
「どうしたの、真樹?何が燃えてるの?」
「これ見てみ。」
真樹は慶にスマホを見せる。するとそこには『炎上、ある女子高生の食のマナーが悪すぎるとバッシング。』とのタイトルが書かれたネットニュースの記事があった。
「これって、真樹が参加した野球部の忘年会の動画だよね。しっかし、よくもまぁ、自分の事棚に上げて逆ギレできるよね。」
ネットニュースには名前こそ伏せられていたものの、大野が忘年会に勝手に乱入し、1円も払わずに帰ったことが書かれていた。更に、登戸の誕生日に乱入してケーキをホールごと強奪した動画も上がっており、それに対し批判の声が上がっている。
『誕生会乱入は無いわ。』
『サイテーじゃん、この女。』
『食のマナーもかけらもない。』
『仕返しした野球部員、ナイス!』
『食い尽くし系、マジで嫌い!』
こんな感じで、大野の行いには誰も擁護するものがいなかった。慶もうんうんと頷きながら話を続ける。
「まぁ、あれだけの事をしたんだからお咎め無しなって訳にはいかないよね。この歳にもなって意地汚いのが悪いんだから。」
かつて被害に遭った慶も、大野を全く許すつもりはなさそうだった。真樹の方も続ける。
「今頃、店も大野に先生が立て替えた追加料金の請求をしている所だろ。とにかく、アイツにはキツイお仕置きが必要だからな。」
「そうだよね。やっぱりご飯はみんなで美味しく食べなくっちゃね!その方が楽しいもん。」
「その通りだ。」
「よし。体も休まったし、もう少し走ろ、真樹!」
「ああ、行くか。」
真樹と慶は少しスカッとした気分でトレーニングを再開した。こうして、大野は真樹の手によって地獄へ引きずり落されたのだった。
こんばんわ。
風邪をひいたり、諸事情でいろいろ忙しかった為、投稿が遅くなってしまいました。
皆さんも体に気を付けてください。
それではまた次回で!




