第225話 またまた嫌な予感?
こんばんわ。
今日はすごく寒いですね。
12月25日。この日はクリスマス当日である。そして、その午前中。野球部の本郷丈とチアリーディング部の宮下郁美のカップルは朝から列に並び、浦安市にある大型テーマパークでクリスマスデートを楽しんでいた。
「丈、早く早く!」
「もう、そんなに急がなくてもアトラクションは逃げねぇよ!」
そんな感じで二人は園内を移動し、ジェットコースターに乗る。クリスマスだけあって園内は非常に混んでおり、一歩間違えばはぐれてしまいそうだった。ジェットコースターに乗り終えた二人は、昼食をとるためにレストランに入る。そこで、宮下はトマトスパゲッティ、丈はハンバーグセットを注文し、美味しそうに食べている。
「美味しぃ~!最高!染みわたるぅ!」
「ああ。色々乗りまくって腹減っちまったからな。美味い、美味い!」
満足げな様子で昼食を食べる二人。すると、丈が宮下にあることを質問する。
「そういえば、郁美。この前陳先輩の鍋パ行ったんだよな。大野に仕返しするあれ。」
宮下はパスタをに見込んだ後に頷きながら答えた。
「そうよ。マジで爽快だった。激辛鍋と臭豆腐を前に逆ギレしながら逃げていく様が爽快だったわ!」
「うっそ…見たかった!でも、アイツに横取りされるのを気にせず食事できるのはいいよな。」
「本当それ!マジで腹立つ!」
すると、丈がスマホの画面を見せながら宮下に言う。
「大野の奴、昨日成田の児童会主催のクリスマス会に現れて、ケーキを横取りしようとしたらしいぜ。」
「何それ、マジで意地汚いじゃん。」
「でも、湯川先輩が大野をヒーローショーの怪人に仕立て上げて、追っ払ったらしい。こんなコスプレまでして。」
丈が宮下に見せたスマホの画面には、真樹とのやり取りが残されていた。そこには『大野は追い払ったぞ。少し体を張ったけどな。』という真樹のメッセージと共に、クリスマス仮面に変身した真樹と杜夫や児童会の子供たちの集合写真が送られていた。
「湯川先輩らしいね。でも、あの子なら仕返ししてきそう。」
「そうだな。でも、大丈夫っしょ。今度また先輩に何か考えあるみたいだし。」
「何それ?」
「終わったら話してやるよ。それより、食べ終わったら行こうぜ。今度はあれ乗りたい!」
「うん、行こう行こう!」
そんな感じで昼食を食べ終えた二人は店を出て、次のアトラクションに向かったのだった。
一方その頃、真樹は中学時代からの友人である佳久と共にいた。二人が向かったのは千葉市内にある映画館である。
「真樹、早く行かないと始まっちまうぞ。」
「焦るな。まだ20分もあるじゃねぇか。」
「ポップコーン買う時間込みだぞ。」
「確かに、人多いからな。少し急ぐか。」
こうして二人は急いで映画のチケットとポップコーンを購入し、シアター内に入った。この日二人が見た映画は「甲鉄戦士ウインメタル」というSF特撮ヒーローの劇場版である。ある日、突然銀色のアーマーを纏うヒーローになってしまった男子大学生が、各地で起こる怪事件を次々と解決するというストーリーだ。TVシリーズとして放送されていたが、今月劇場版が公開されたのだった。上映が終わって、二人は満足げにシアターから出てきた。
「面白かったな、真樹。TVで見るのもいいけど、劇場版だと迫力が違うぜ!」
「ああ。ウインメタルのデザインもいいし、アクションもカッコいい。俺がこの間やっつけで変身したクリスマス仮面のコスプレとは訳が違うぜ。」
真樹は昨日に大野を追い払うためにクリスマス仮面に変身した時の話をした。それを聞いた佳久は笑いながら言った。
「うん。お前に写真見せてもらった時は笑っちまったよ。」
「今も笑ってんじゃん。」
「いや、だって。お前がそう言うことするイメージ無いし。」
「そうでもしなきゃ、料理を食われてクリスマス会が台無しにされてたんだよ。」
真樹は大野の事を思い出しながらそう言った。それを聞いた佳久は難しい顔をしながら言う。
「そんなに酷いのか?その後輩女子。」
「ああ、所謂食い尽くし系だ。しかも全然反省してない。」
「そういう奴、今まで見た事ないけどマジでいるんだ。」
「実際何人も被害者がいるからな。」
「どうすんだ、真樹?仕返しはもうしないのか?」
佳久の問いに真樹は首を振りながら言った。
「いや。あいつはそんなんで懲りる奴じゃない。もう一度、懲らしめてやろう。」
そう言った真樹。その後、二人は夕方まで遊び通し、クリスマスを満喫したのだった。
こんばんわ。
真樹のさらなる計画とは一体何でしょう?
因みに、真樹達が映画で見ていた特撮の「甲鉄戦士ウインメタル」は私が以前なろうで執筆したSFヒーロー小説です。
もし気になる方は、私の作品一覧にありますのでそちらも読んでください。
それではまた次回で!




