第224話 大野花子は何者だ?
おはようございます。
更新が遅れてしまい、申し訳ございません。
近頃、大谷津学院の1年生を中心に、大野花子の食い尽くしの被害が拡大。ついには2年である美緒と沙倫にまで被害が出たことにより、真樹は本格的に仕返しを決行した。1回目は鍋パーティで大野の嫌いな物ばかり用意し、2回目はショーを模して怪人に仕立て上げ、クリームまみれにして追い払うという奇妙奇天烈な物ばかりだったが、先戦は無事に成功。しかし、大野としてはもちろん面白くない。
「あーもう、最悪!」
そう言いながら巨大なターキーレッグを齧る大野。真樹達がいたクリスマス会に出没したその日の夕方、大野は裕也の主催するクリスマスパーティに参加していた。千葉市の中心部にあるその家は、庭付きの3階建て1軒家とかなり大きく、パーティが行われている1階の居間も20畳以上はあるほど広い。テーブルには大量の料理があるが、あまりにも料理数が多いので大野が多く食べてもそれほど目立ておらず、食べ続ける大野を白い目で見る者もいない。メンバーは2年生女子が10名ほどで参加していたが、他にも1年女子が大野を含め数名いた。皆料理よりも裕也としゃべることに夢中になっており、料理が減り始めたことはあまり気にしてない様だ。
「やぁ~、いいね!女の子たちとこうして楽しくクリスマスパーティーできるなんて!」
「私も、裕也君とクリスマス過ごせて最高!」
「メリクリ~!裕也君、ケーキ!はい、あ~ん!」
燥いでいる裕也と取り巻きの女子たち。暫くすると、裕也は大野の所にやってきた。
「どう?花子ちゃん?楽しんでる?」
「はい、どれもこれもすっごく美味しいです!」
「よかった!だってどれもこれもA5ランクの材料ばかりだもん!」
「さすが、裕也先輩!ケチで安っぽい湯川先輩とは大違いです!」
「あいつは今頃寂しいクリぼっちになってるだろうな?何ならその辺で凍死でもしてんじゃね?ま、その方がいいけど!」
笑いながらそう言った裕也。大野も笑顔で食べ続けている。そもそも、この大野花子とはいったいどのような人物なのだろうか?
大野花子は一人っ子だった。昔からよく食べる子ではあったが、両親はそんな大野の姿を見て喜んだ。
「花子、いっぱい食べな!」
「父さんの分も1つあげる!たくさん食べて、大きくなるんだ!」
「ありがとう、パパ、ママ!」
こうして両親は大野が美味しそうに食べるのを見るのが嬉しく、食事はお代わり自由にし、それでも足りないいときは自分たちのおかずを分け与えていた。そうしているうちに大野は誰かの物を食べることに「抵抗がなくなっていき、小学校時代にトラブルも起きていた。
「そのハンバーグ、食べないなら貰うね!」
「あっ!」
小学校2年の給食時に、大野は向かいに座っていた小柄な男子児童の皿に残っていたハンバーグを無断でかっさらった。当然、男子生徒は唖然とした後涙を流した。
「うわぁんん!大野さんがハンバーグ取ったぁ!!!」
突然の出来事に周りは驚きつつも、すぐに担任の教師が駆けつけて大野に注意を促す。
「大野さん!駄目じゃないか、勝手に人の物食べちゃ!」
「だって、一郎君がハンバーグ残すのが悪いじゃないですか!」
「うっ、最後に食べようと思ったのにぃ…!」
ハンバーグを食べられた一郎という男子は、泣きながらそう説明した。これにはほかの児童からも非難の声が上がる。
「可哀想だろ。」
「泥棒じゃん。」
「謝りなよ!」
しかし、大野は反省するどころか開き直っていた。
「だってぇ、ハンバーグはすぐに食べないと美味しくないじゃないですか!それを最後まで手に付けないってことは、もう食べないってことだと思います!一郎君小さいから食べきれないと思ったし、私は肉を目の前にすると我慢できないんです!そもそも、すぐ食べたほうがいいハンバーグを冷めるまで残す一郎君の方が失礼だと思います!」
挙句の果てに悪いのは一郎という男子と言い始めた。これには担任も頭にきて大野を厳しく叱責し、両親にも連絡。しかし、両親も軽く注意しただけで大野の悪食はその後も治らず、トラブルも多かったのだった。
一方で、真樹達はというと…。
「皆さん、手伝って頂きありがとうございました。」
クリスマス会を終えた真樹達は児童会長の女性に礼を言われいた。真樹は謙遜した様子で児童会長に言う。
「とんでもないです。お役に立てて何よりです!」
そして杜夫も。
「いい写真取れました。データは後で送りますんで。」
と笑顔でカメラを持ちながら言った。慶と美緒も微笑みながら礼を言う。
「僕たちも楽しかったです!ありがとうございました!」
「いいですね。こういう賑やかなクリスマス会!いい時間過ごせました!」
こうして、後片付けを済ませて子供達や保護者と別れた真樹達一同は駅に向かった。そんな時、杜夫が口を開く。
「いやぁ、すごかったな。いろんな意味で、大野も…真樹もな!」
笑いながらそう言う杜夫に対し、真樹も微笑みながら返す。
「これであいつも懲りただろ。子供たちの前で大恥かかされたからな。」
その言葉に対し、慶が難しい表情で言った。
「いや、あれは懲りてないね。反省せずにずっと文句言ってたし。」
美緒もうんうんと頷きながら言った。
「そうね。あの手のタイプは何か仕返ししてきそうだから、湯川君も気を付けた方がいいわね。」
その言葉に真樹も少し考えながら言った。
「報復…か。まぁ、まだ考えはあるさ。」
そんなことを話しながら一同は駅に到着してそれぞれ帰宅し、個々にクリスマスを楽しんだのだった。
おはようございます!
最近、寒いですね。
私もこの間のどを痛めてしまったので、皆さんも体調に気を付けてください!




