第223話 クリスマス会を守れ!
あけましておめでとうございます!
今年初投稿です!
今から1週間程前の事。真樹は自宅である人物に電話をしていた。
「もしもし?どうも、湯川です。」
真樹は電話の相手に対し、丁寧な口調で話している。そして、本題を切った。
「以前お話しいただいたことなんですが、はい。やらせてください。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
「いえいえ、僕の友達にも手伝ってくれる人がいないか声かけてみますね。」
「お願いします!」
そう言って真樹は電話の相手との通話を終えた。続けて、今度は杜夫の電話を掛けた。
「おい、杜夫。俺だ。お前に手伝ってもらいたいことがある。」
「ま、真樹?なんだよいきなり。」
こうして、また真樹の悪巧みが炸裂しようとしていた。
そして、12月24日。時刻は午前10時を回っている。場所は成田市内にある市民プラザの1室なのだが、何やら賑やかな雰囲気であった。
「みんなー、集まったかな?じゃあ、私のお話をよく聞いてね!」
30代半ばくらいの女性がホワイトボードの前でそう言った。あたりを見渡すと、小学校低学年くらいの事も達が男女半々、およそ30人近くいる。
「今日は、皆さん待ちに待ったクリスマス会です!これからケーキを作りますから、頑張っていきましょうね!」
「「はーい!!!!」」
女性に言われて子供たちも元気に返事をする。そう、この日は地元の児童会が主催するクリスマスパーティーだった。児童たちが班に分かれて、それぞれクリスマスケーキを作るのだ。先ほどの女性は今日いる児童の一人の母親であり、児童会の会長なのだが、女性は更に横を向いて言った。
「それと、今日皆さんを手伝ってくれる方々を紹介しま~す!」
そう言って女性は横を向きながら話を続ける。
「まずは向かって左から。真樹お兄さんと、杜夫お兄さん。」
「よろしく。」
「どーも!」
そこにいたのは真樹と杜夫だった。手伝ってくれる学生ボランティアを募集しているときに、真樹が杜夫を巻き込んだった。更に…。
「そして、慶お姉さんと、美緒お姉さん!」
「やっほー!」
「頑張りましょう!」
慶と美緒も巻き込まれていた。因みに、いつもの面々である武史と伸治には二人とも祖父母の家に帰省するので断られ、沙倫も両親が来日する為参加は不可能だった。こうして、あいさつや軽い説明を終えた所で、ケーキ作りの準備が進められた。
「おい、真樹。前にも言ったけど、本当にこれが作戦なのか?」
「ああ。その通りだ杜夫。大野がノコノコやってきた所を返り討ちにする。」
首をかしげる杜夫に対し、真樹は自信満々でそう答えた。そして、不安そうな表情で慶も真樹に聞く。
「でも、大野さん本当に来るの?大和田君に気に入られているから、そっちのパーティーに行ったんじゃない?」
「あいつのパーティーはどうせ夜だ。大野は自分の身近の、それも食べ物関係のSNSに敏感で見つけるとそいつの後をつける習性があるみたいだからな。今回の事も俺のSNSで場所と時間も載せたから間違いなく食いに現れるだろ。」
そういう真樹に対し、美緒は険しい表情で言った。
「でも、本当に現れたらどうするのよ?登戸君のケーキをホールごと強奪したのよ。子供たちのケーキまで食べられたら可哀想じゃない!」
美緒の疑問はもっともだった。それでも真樹は表情を変えずに言った。
「大丈夫。勿論策はある。大野に一口も食わせない方法がな。」
自信満々にそう言い切った真樹。こうして、クリスマス会は始まった。子供たちは4つの班に分かれ、真樹達が一人ずつ班に付く形で手伝うのだ。各班が順調にケーキ作りを進めている時、ホールのドアが開いた。
「ちわーっす!総菜の鈴木屋でーす!ご注文の品お届けに来ました!」
「あ、はい!ありがとうございます!」
会長の女性が宅配の男性から、唐揚げやポテトなどの総菜を受け取る。さすがにケーキだけでは味気ないので地元の総菜屋からパーティー用に大量に手配していたのだった。子供達がケーキを作っている間は保護者たちが総菜の盛り付けを行い、同時進行で準備が進められた。その後、ケーキも無事に焼き上がり、クリームを塗って飾りつけも行われて無事に完成した。
「ふう、上手くできたな。」
真樹の所も完成した。
「俺も完成。あ、あとでみんなで写真撮ろうね!」
杜夫の繁茂無事に完成した。そして、慶と美緒の班も無事にケーキを作り終えた。
「できたー!美味しそうだね!」
「フフフ、私の所が一番きれいよ!みんな、ありがとうね!」
こうして、全員がケーキを作り終え、保護者たちが盛り付けた総菜が各テーブルに並べられたその時だった。
「ちょっと待ったぁ!」
大声と共にドアが勢いよく開けられる。そこには目をぎらつかせた大野がいた。
「こんなおいしい物、私抜きで食べようなんてずるいじゃないですか!湯川先輩のケチ!」
ずかずかと入ってくる大野に子供たちは戸惑っている。
「え、何?」
「あのお姉ちゃん誰?」
そんな子供たちを無視して、大野は食べ物に手を出そうとする。
「ちょっと安っぽいけど、私お昼まだなのよねぇ。いただきます!」
そんな大野を見て杜夫、慶、美緒は慌てだした。
「お、おい。ほんとに来やがった!」
「ちょ、ちょっと大野さん!やめなよ、勝手に来て!」
「子供達の物まで強奪するなんて、どれだけ意地汚いの?!」
3人が止めに入ろうとした時、真樹が叫んだ。
「そうはいくか!変身!」
そう言うと真樹は来ていた服を脱ぎだした。その下からは赤、緑、白の3色の全身スーツが現れた。更に、机の下に隠していた赤いフルフェイスのヘルメットをかぶり、大野の前に立ちはだかる。
「な、何なんですかそれ?」
「俺は、子どもたちの味方、クリスマス仮面だ!」
突然の状況に、大野だけでなく杜夫達や保護者、子供達もぽかんとしている。クリスマス仮面とやらに変身した真樹は強い口調で大野を指さしながら続けた。
「現れたな、大食い怪人ハナゴリラ!」
「誰が怪人よ!失礼ですね、先輩!」
「やい、食べ物を強奪して子供たちが楽しみにしていたクリスマス会をぶち壊すことは、この俺が許さん!」
「何なんですか?!先輩たちが私抜きでクリパやって美味しい物を独り占めするのが悪いんですよ!それに、子供がこんなに食べれるわけないじゃないですか!残して捨てるくらいなら私が食べたほうがいいですよね!そういう訳で、ここの御馳走は全部私が頂きます!」
注意されても全く反省せず、料理に手を伸ばそうとする大野。真樹はそれを見てヘルメットの下でフッと笑いながら言った。
「そんなに食いたきゃ食わせてやる。ただし、お前の分はこれだ!」
真樹は再び机の下から何かを取り出した。それは小さなバズーカ砲の様なものだった。更にその後ろにはチューブが伸びており、背中にしょっているガスボンベの様な銀色のタンクにつながっている。
「くらえ、発射!」
真樹が引き金を引くと、白い塊が発射されて見事大野の顔面に命中。発射したのは生クリームだった。大野の顔面はクリームで真っ白になり、のっぺらぼうの様になった。
「わっ!何するんですか!前が見えない!」
大野はクリームまみれになって慌てていたが、子供達はその様子を見て大爆笑していた。
「わはははは!面白ーい!」
「頑張れー、クリスマス仮面!」
子供たちに笑われた大野は、クリームまみれのまま怒り出した。
「もういい!こんな恥かかされて食べる気なくした!最低、ケダモノ!覚えててくださいよ!」
そう怒鳴りながら大野は立ち去り、料理はみんな無事だった。
「すごかったですね!クリスマス仮面が助けてくれてよかったね!みんな、お礼言おうね!」
会長の女性が言うと、子供達から拍手と歓声が沸き起こる。
「ありがとう、クリスマス仮面!」
「かっこよかったよ!」
真樹はそんな子供たちに手を振りながら、着替えるためにトイレに向かうべく一旦部屋を出た。
そして、着替えが終わった後。
「お、おい。真樹、何だよあれ?」
杜夫が真樹に聞いた。
「あれか?ショーを模して子供たちを楽しませつつ、大野に恥をかかせる作戦だ。」
それを聞いた美緒は呆れながら言った。
「呆れた。でも、大野さんも自分がいかに意地汚いか痛感したんじゃない?それに関しては、ナイスアイディアだけど、やり方の癖が強すぎて…。」
「ああでもしなきゃ、クリスマス会が滅茶苦茶になってたんだから仕方ないだろ。」
真樹はそう言い返した。一方、慶は少しむくれながら真樹に言った。
「ずるい、僕も変身したかった。何で僕の変身セット用意してくれなかったの?」
「時間なくって1着しか用意できなかったんだよ。ってか、怒る所そこ?」
何だかんだ言いつつ、4人は部屋に戻る。皆席について、パーティ開始を待っていた。真樹達は飛び散ったクリームを掃除した後席に着く。
「じゃあ、みんなお待たせ!ケーキも美味しそうにできたね!それでは、改めて、クリスマスパーティーを始めまーす!メリークリスマス!」
「「「「メリークリスマス!」」」」
皆ジュースを手にもって乾杯し、料理を堪能したり、真樹達も子供たちと交流して楽しいクリスマス会として成功を収めた。そして、真樹の大胆な戦法により、またも大野の食い尽くしを阻止したのだった。
あけましておめでとうございます!
相変わらず、真樹のやり方は大胆ですね!
という訳で、新年初投稿になりましたが、今年も本作品をよろしくお願いします!




