第220話 プチ反省会
こんばんわ。
最近、やけ酒するのをどうにかしたいです。
大谷津学院は期末テストを終え、終業式まで1週間ほど休み期間がある。その間に野球部1年の登戸の誕生日会を行ったのだが、同じく1年女子の大野花子に乱入された挙句、バースデーケーキをホールごと奪い食べられてしまうという事態になった。その後、真樹の家で誕生日会をやり直し事無きを得たのだが、翌日美緒と沙倫も外食時にいきなり乱入され、頼んだ唐揚げを全て食い尽くされるという被害に遭ったのだった。そして、その日の夕方の事だった。沙倫から被害に遭ったことが真樹に伝えられ、更に真樹もそこから杜夫に連絡したのだった。結局4人で成田駅近くにあるファミレスに集まり、話をすることになった。
「で、二人とも食われるだけ食われて金まで払わされたのか。」
真樹は美緒と沙倫にそう聞いた。すると、二人ともプリプリ怒りながら言った。
「本当に意味わかんない!嫌になっちゃう!」
「何なの、あの子?いくら何でも酷い!」
二人とも完全に怒り心頭だった。真樹はそれに対し、ため息交じりで言った。
「はぁ…。オニィもこの間被害受けたって言うし、被害受けてないの俺と杜夫くらいじゃないか。」
「伸治と武司もな。まぁ、あいつらが同じ事されたらブチキレると思うけど。」
真樹の言葉に対し、杜夫が横からそう突っ込みを入れた。真樹としては、自分は関係ないのにこうして立て続けに大野の被害者の嘆きを聞くことが段々きつくなってきていた。
「昨日登戸達が被害受けて、誕生会やり直したばっかりだって言うのに、今度はうちの学年まで被害が出ちまったか。」
「し、仕方ないでしょ。突然すぎて、意味わかんなかったし!」
「そもそも、あんなことする人自体が異常だし!」
美緒と沙倫の主張はもっともだった。しかし、大野花子という人物に対し常識が通用しない以上、完全な悩みの種となっている。
「でもよ、真樹。このまま放置していいのか?放置したらその大野とかいう1年、何しでかすか分からないぜ。」
「そうだな。1年達の前で、大野の食い尽くしを邪魔してやるって言っちまったばかりだからな。」
杜夫の言葉に真樹は少し悩まし気にそう言った。前日、登戸の誕生日会を滅茶苦茶にされた1年生一同に、真樹はそう啖呵を切ったばかりだったのだ。
「私なら縛り付けて、摘まみ出すけどね。口も塞げば何も食べれないし。」
「い、いや。菅野…昔のヤンキーじゃないんだから。」
怒りながら物騒なことを言う美緒に対し、杜夫が冷静な突っ込みを入れる。少し間が開いた後、真樹が何かを思いついたかのように言った。
「あ、そうだ。いいこと思いついた。」
「どうしたの、真樹?」
杜夫が真樹に聞く。真樹はさらに続けた。
「目には目をって言葉があるように、大野にはより相応しい仕返しを受けてもらおうか。」
そして、沙倫の方を向いて言う。
「沙倫!」
「どうしたの、真樹?」
沙倫も不思議そうに真樹に対し問う。真樹は真面目な表情で言った。
「奴に仕返しするには、沙倫の協力が一番必要だ。仕返しできるならしたいだろ?」
「ま、まぁ、そりゃそうよ。」
「なら決まり!俺にいい考えがある。」
真樹はそう言って沙倫、そして美緒と杜夫にも作戦の概要を話した。その後、4人は運ばれてきたポテトや魚フライの盛り合わせを、お腹いっぱい食べたのだった。
こんばんわ。
果たして、真樹の作戦とはなんのでしょうか?
次回もお楽しみに!




