第218話 史上最悪な誕生会
こんばんわ!
気が付いたら今年ももう終わりですね!
12月になると、高校生にとって避けることが出来ないのは2学期の期末テストである。真樹達が通う大谷津学院も勿論テスト期間を迎えており、各人必死で勉強してテストを迎えた。そして、最終日の最終科目を迎え…。
「はい、終了!解答用紙を前へ回してください。」
2年A組の教室内で、試験官の教師の声が響き渡った。解答用紙が集められ、教師が出て行った所で試験終了。
「ふう…ようやく終わったぜ。」
真樹は安堵した表情でそう呟いた。あとは終業式まで1週間ほどテスト休みに入り、野球部の練習も復活する。近くにいた杜夫も嬉しそうに言った。
「やっと遊べる。もうテストなんてうんざりだ!」
慶と沙論も安心した様子で微笑みながら言った。
「お腹すいたぁ…。早く帰ってお昼食べたい。」
「日本も台湾もテスト期間は緊張するわね。とにかく終わってよかった。」
そして、美緒の方は、たまたまこの日が所属しているバレー部の練習再開日とあって、妙に気合が入っている。
「さーてと、やっと練習できるわ!鈍った分を取り戻さなきゃ!」
こうして、真樹たちはその後ホームルームを終えて、休みに入ったのだった。
「気を付けて帰るのよー!」
「分かってますよ、先生。」
帰り際、真樹は声を掛けた担任の立石にそう答えた。立石は少し呆れ顔で真樹に言う。
「湯川君、休み中に変なトラブル巻き込まれないように気を付けるのよ!」
「大丈夫です。」
立石にそう言い残して帰ろうとする真樹。その横で、一緒にいた慶、杜夫、沙論が笑いながら言った。
「真樹、気をつけようね。」
「お前は何かと騒動の渦中にいることが多いからな。」
「真樹、冬休みの練習で怪我しないようにね!」
「うっせ、分かってるわ!」
真樹はそう言い返し、慶たちと共に帰宅していった。
一方その頃、野球部の1年生達はと言うと…。
「ありがとう、でもなんかすまねぇな。」
そう言ったのは登戸である。彼はこの日誕生日を迎えていた。そういう訳で、これから誕生日会を開催することになっているのだ。テスト終了後、彼と同じ野球部のメンバーである丈、千葉、幕張は勿論の事、丈の彼女である宮下と、吹奏楽部の大神も参加するために一緒に歩いている。因みに、開催場所は登戸の自宅だ。
「良いってことよ。せっかくの誕生日なんだ、遠慮するな!」
と言ったのは丈。千葉と幕張も笑顔で祝福する。
「今日はお前が主役だ。これから練習も再開するし、のんびりできるのも今のうちだぜ!」
「その通り。今日はもうパーッと行こうぜ!」
大神と宮下も優しい笑顔で登戸に話しかけた。
「そうよ、今日は登戸君の好きにしていいの!」
「とにかく楽しも!そのための誕生会なんだから!」
そんなことを話しながら、1年生一同はケーキ屋で注文していたホールケーキを受け取り、その後コンビニに立ち寄ってお菓子やジュースを買い込んで登戸の自宅へ向かった。因みに、登戸は一人っ子で父親は昨日より大阪へ1週間の出張中、母親は入院した祖母の世話の為に10日程仙台に滞在しなければならず、自宅には登戸しかいない状態が続いていた。暫くして登戸の自宅に到着し、丈たちが率先して誕生会を設営し、主役の登戸を部屋でくつろがせていた。そして、準備が終わっていよいよ誕生日会が始まろうと全員が集まったその時だった。ガチャっという音が玄関から響いた。
「ん、何だ?」
登戸が玄関まで行くと、そこには予想外の人物がいた。
「え?」
「やっほー、上がらせてもらうわ!」
「あ、おい!ちょっと待てよ!」
なんとそこにはどこから聞きつけたのかは知らないが、大野花子がいた。登戸の制止も聞かず、大野は強引に上がり込んで誕生会に乱入してきた。当然、参加者一同は驚きを隠せない。
「お、おい。何だよお前?」
丈が驚きながらそう言ったが、大野はお構いなしだった。
「誕生日会?私をハブるなんてひどいじゃない!」
そして、用意されていたバースデーケーキを見て言った。
「誕生日?私には関係ない、頂きまーす!」
大野はそう言うと、登戸のバースデーケーキをホールごと奪い食べ始めた。
「おいしい!やっぱりいいお店のケーキは違うわね!」
あまりに非常識な光景に、丈と千葉が怒り始めた。
「おい、登戸の誕生日ケーキなんだからやめろよ!」
「そうだぞ!いくら何でもそれは無いぞ!」
二人に注意されたが、大野は謝るどころか反論してきた。
「うっさいわね!男のくせに生意気なのよ!ケーキ1つでネチネチ言ってんじゃないわよ!」
逆ギレする大野に対し、今度は宮下と大神が怒った。
「大野さん、もう帰ってよ!」
「そうよ!こんなの非常識すぎるわよ!」
しかし、大野は聞く耳を全く持たなかった。
「なんで?折角の登戸君の誕生日なのに!」
そう言って大野は登戸の誕生日ケーキを全部食べつくし、更にはサブで用意したお菓子の一部を勝手かっさらっていった。
「美味しかった!私、この後用事あるからこれだけ貰っていくわね!じゃあね!」
こうして、大野は好き放題やって登戸の誕生日会を滅茶苦茶にした挙句、謝りもせずにさっさと帰ってしまった。そんな様子を見て、1年生一同は唖然とするしかなかった。
こんばんわ!
すごい展開になりましたね!
因みに、作者である私も先週誕生日でした!
次回もお楽しみに!




