第210話 詐欺師とご対面
こんにちわ!
さあ、いよいよ物語も大詰めです!
真樹は伸治の母親を騙した詐欺師を言葉巧みに誘導し、成田駅のコインロッカーに誘い出すことに成功。そして、300万円入っていると見せかけてダミーの荷物を掴ませ、犯人はあっさり警察に確保された。そして、そのダミーを受け取りに来たのは、なんと真樹と同じ大谷津学院且つ、伸治と同じ2年B組の生徒の一人である小室香菜だったのである。
「薄々感じてはいたが、案の定お前が詐欺師の正体だったとはな。だが、もう終わりだ。観念しろ。」
真樹は厳しい口調でそう言った。一方の小室はと言うと、完全に動揺しながら喚き散らしている。
「ちょっと、話してよ!何すんのよ!つーか、なんで湯川がここにいんのよ?電話したのはあんたん所のジジイのはずよ!」
そんな小室を見て、真樹は笑いながら言った。
「フフフ。残念だったな。どうだ、俺の物真似上手かっただろ!それに、だめだねー。そんな単細胞的な思考で詐欺なんかやろうと思ったのが間違いだったな!お前が底抜けのバケツ馬鹿で、こっちは大助かりだぜ!」
これでもかと言うくらい、小室を煽る真樹。それに対し、小室は顔を真っ赤にして怒り出した。
「なっ…!」よくも、よくも私の事騙したわね!このろくでなし!悪魔!だから、女子から嫌われんのよ!」
ボロクソに言われたも、真樹は動じずに言った。
「フン。お前だっていろんな人騙して金をむしり取ってたじゃないか。そんな奴に、騙されただの悪魔だの言われたくないね。」
その真樹の言葉に伸治が続いた。
「そーだ、そーだ!てめぇ、よくもうちの親から100万も騙し取りやがったな!この金はきっちり返しともらうぞ!」
さらに美緒も続く。
「小室さん…最近やけにブランド物自慢が増えたと思ったら…。信じらんない…詐欺で儲けていたなんて…!」
二人から冷たい目を向けられても、小室は悪態をつき続ける。
「うっさい!この間のカモが中山君の親かどうか知らないけど、騙される方が悪いのよ!それに、こんなとこまで来て菅野さんの、その耳障りな説教聞きたくない!」
「なっ、あんたねぇ…!」
「やめろ、菅野!」
小室の言葉にカチンときた美緒を真樹が制止する。
「とにかく。お前、いやお前たちの悪事はもう終わりだ。残念だったな!」
「何のこと?こんなの、私一人でやったんだけど。」
真樹の言葉に小室はそう答えた。しかし、警察官たちから厳しい言葉が投げかけられる。
「とぼけても無駄だよ。」
「ここにいる湯川君含め、お前たちのやり取りの録音は残っている。」
「グループでやっていることは、もう分っているからね。」
「さあ、仲間の所に案内するんだ!」
警察官にそう言われると、小室はがっくりと項垂れて観念し、警察車両に連行されていったのだった。
その頃…詐欺グループがアジトとして使っているカラオケボックスでは…。
「香菜の奴、上手くやったかな?」
「そろそろ受け取ったころじゃない?」
「でも連絡ないけど。」
「変ねぇ…。でももうすぐ300万手に入る!」
小室の詐欺仲間である少女二人が、今か今かと待っていた。そう、騙されたのは自分たちで、小室がすでにつかまっているとも知らずに。そして…。
「動くな!警察だ!」
「逃げても無駄だぞ!」
突然の出来事に、驚きを隠せない二人。
「なっ…警察?!」
「どうして、ええっ?」
動揺している二人の前に、一人の刑事が警察手帳を見せながら言った。
「お前らの仲間を捕まえたら、あっさり白状したぞ。お前たちが仲間であることと、ここで待機していることもな。」
「そんな、嘘よ!」
「香菜が捕まるなんて、何かの間違いよ!」
喚き散らす二人に対し、刑事は呆れ顔で言った。
「はいはい、そういうのは所に行ってから話そうね。そういうわけだから、田中理子、佐藤由香。二人とも詐欺容疑で逮捕します!」
手錠をかけられ、カラオケボックスから出される二人。店の外に出た所で、先に捕まった小室が田中、佐藤に謝る。
「理子、由香!ごめん!そこにいる湯川って奴に騙されて…!」
「香菜…おい、そこの湯川とかいうやつ!」
「私たちの事騙して、ただじゃ置かないからね!」
「早く乗れ!署に連行するぞ!」
真樹に悪態をつく二人を車に乗せる刑事たち。その様子を見た真樹はすっかり呆れていた。
「はぁ~、どいつもこいつも騙すのは好きだけど騙されると怒るってか。どうしようもないわ。」
真樹の横で、伸治と美緒は何とも言えない表情をしながら言った。
「まさか…こんなにすぐ100万が戻って来るなんて。真樹、恐るべし。」
「にしても、詐欺師に詐欺働くなんて…犯罪的に頭が切れるわね。湯川君って。」
こうして詐欺グループ3人は逮捕され。真樹達も事情聴取のために警察に向かったのだった。
こんにちわ!
犯人逮捕しました。
おっと、それとこっちはそろそろ新章の内容を考えないと!
次回もお楽しみに!




