第201話 新たなターゲット
こんにちわ!
お盆過ぎてもまだ暑いですね。
千葉と東京で頻発する詐欺事件。真樹の友人、伸治の母親も事件に巻き込まれて、現金100万円を騙し取られてしまった。真樹は伸治の敵討ちをしようと犯人を探すが、未だに手掛かりが掴めないでいた。
ある日の夕方。ここは千葉県のとあるカラオケボックスだ。そこに3人の女子高生がやってきて、案内された部屋に入る。そして、入室後はすぐに歌うでもなく、どっかりと座ってから楽しそうに話し始めた。3人とも学校が違うのか、それぞれバラバラな制服を着ている。
「アハハ、今回も上手くいったわね!」
リーダー格のロングヘアの少女が笑いながらいった。続けて、ピンクのカチューシャをつけた少女も口を開く。
「うんうん、あのおばさんったら、私達の完璧な演技に騙されて、あっさり100万円振り込んでくれたよね!」
どうやら彼女たちが伸治の母親から100万円を騙し取った犯人の様だった。しかし、少女達は全く悪びれる様子もない。一方、リーダー格の少女は不安げに言った。
「でも、流石に10件も同じ手口繰り返したら怪しまれるわね。作戦変更して撹乱したいけど、何かいい案あるかしら?」
そんな言葉に対し、一同は少し考えた。そして、ポニーテールの少女が初めて口を開いた。
「じゃあ、やりたい事があるんだけど。」
少女は手を上げて話を続ける。
「うちの学校に、女子全員から嫌われてるマジでキモい男がいるんだけど、そいつ親いなくて貧乏っぽいから、取れるだけ取って無一文にするの面白くない?私も大っ嫌いだからそいつが苦しむの所を見たいの!」
ポニーテールの少女の提案に、リーダー格とカチューシャの少女は少し間を置いて頷いた。
「いいわね!同じ手口ばかりで飽きてきたし。」
「フフフ、もっと儲けて面白くなりそうかも。」
物騒な話を楽しげにする少女たち。彼女たちによる新たな詐欺事件が、今また起ころうとしていたのだった。
一方こちらは夕方の成田駅。下校途中の真樹は慶や杜夫たちと別れて、ホーム上にて帰りの電車が到着するのを待っている。電車が来るまで時間があったので、真樹はある所に電話をかけた。
「もしもし?」
「おう、真樹か。どうしたんだ?」
「佳久。お前に聞きたいことがある。」
電話の相手は、真樹の中学時代の同級生で現在は別の学校に通っている佳久だった。電話の向こうで首を傾げる佳久に対し、真樹は真剣な表情で続けた。
「最近、この辺で詐欺事件が頻発してるのは知っているだろ?お前の学校で、誰か騙されたやつとかいないか?」
「詐欺の事は最近ニュースでやってるから知ってるけどよ、なんでお前がそんな事を聞くんだ?」
佳久の質問に対し、真樹は声のトーンを落として説明する。
「俺の野球部のチームメイトのお母さんがその女詐欺師に騙されて、100万円を取られた。友人としてクソ女共に仕返ししてやりたい。頼む、何か情報あったら教えて欲しい。」
真剣な声色の真樹に佳久は戸惑いつつも話を続けた。
「まぁ、お前の事だしそんなんだと思ったよ。そーだな…。あ!」
「何かあるのか?」
「ああ。そーいえば、隣のクラスの女の子のおじいちゃんが騙されてたみたいだぜ。」
「そうか。どういう風に騙されたかは聞いているか?」
「確か…飲んでたジュースがオーダーメイドのブランド物の服にかかって、汚れたから弁償しろ的な感じだったかな?そいつのおじいちゃん、信じ込んで70万円振り込んじまったらしい。」
どうやら、佳久の学校にも被害者はいたようだった。真樹はそれを聞いて、礼を言う。
「分かった。忙しい中ありがとう。」
「お前もあんまり無茶すんなよ。」
そう言って、真樹は電話を切った。今の真樹の頭の中は、伸治の家から金を騙し取った女詐欺師をどう地獄に落とすかでいっぱいだった。佳久から得た情報も組み込んで、作戦を考えながら真樹は帰宅した。
「ただいまー。」
真樹はドアを開けながらそう言ったものの、祖父母の正三と多恵は不在である。そのまま靴を脱いで部屋に行こうとした時、玄関の固定電話が鳴った。
「何だ?」
訝しげな表情で真樹は受話器を取る。
「はい…。」
「もしもし?あんたが湯川さん家?」
受話器からは喧嘩腰の女性の声が響いてきた。真樹は眉をひそめながら、声のトーンを落してやり取りを続ける。
「何の御用ですか?」
「とぼけないで!お宅ん所の子が、うちの娘に何て事してくれたんですか?!」
受話器から女性の怒鳴り声が響き渡る。相手は真樹が出ている事に気付いていないみたいだが、真樹は何か良からぬ事が起きていると察したのだった。
こんにちわ!
またも事件が起きようとしています。
真樹は一体どうするのか?
次回もお楽しみに!




