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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode11 息子VS母
199/328

第194話 もう手遅れ

おはようございます!

体調が回復したので、久々に投稿します!

「もう助からない?」

「何でそんな事が分かるんだよ、真樹?」

 真樹は異父妹の菜穂はもう助からないと言ったが、慶と杜夫はその言葉に驚きを隠せなかった。真樹は冷静に答える。

「実は、あいつに病院に連れて来られた帰りに、医者達が話し合っているのを盗み聞きしたんだが…。」


-昨日の夜 御茶ノ水の病院にて-

「あ〜あ、時間無駄にしたわ。帰ろ!」

 早紀との話を切り上げた真樹は、病室を出て家に帰ろうとしていた。そんな時、ある部屋から話し声が聞こえた。

「杉田菜穂ちゃんの事ですが…。」

「うーん…。」

 どうやら二人の医者が菜穂の事を話し合っている様だった。真樹はこっそり物陰に隠れて聞き耳を立てる。

「症状の進行が思った以上に早いです。」

「確かに、ここの所の生体機能の低下も著しい。」

「初めはドナーさえ見つかれば、肝臓移植も考えたのですが…。」

「これじゃあ、移植しても結果は同じですね。」

「もって、あと2~3ヶ月と言った所でしょうか。」

「お母さんには申し訳ないけど、こればかりは…。」

 そんな会話が聞こえてきた。話を聞いた真樹は、複雑な思いでその場を後にしたのだった。


「そういう事だ。だから俺から肝臓取っても全く意味がない。」

 真樹は真顔のまま説明を終えた。その場にいた全員が話を聞き終えた後、どんよりとした気分になっている。そんな中、美緒が口を開く。

「確かに、生まれた子供に罪は無いけど、私が湯川君の立場でも同じ判断をするわ。ずっと音沙汰無かったのに、今更助けてくれは虫が良すぎるし。」

 続けて沙崙も。

「可哀想だとは思うけど、仕方ないわよね。真樹ももうこれ以上干渉すること無いと思うわ。」

 最終的に少し重い雰囲気になってしまったが、真樹達は気持ちを切り替えて午後の授業に臨むのだった。


 一方こちらは菜穂が入院している御茶ノ水の大学病院である。菜穂の病室には早紀が見舞いに来ていた。

「ママ…苦しいよ。早くお外に出て遊びたいよ。」

「大丈夫よ菜穂。絶対に治るから!」

「本当に?」

「勿論よ!お兄ちゃんが助けてくれるから!」

「真樹…お兄ちゃん?」

「そうよ!お兄ちゃんの肝臓を菜穂にあげれば助かるかも知れないのよ!」

「本当に?」

「本当よ!治ったら3人で遊園地行きましょ!」

「うん…。」

 だが、医者からは菜穂が既に手遅れと言う事は早紀に伝えられておらず、早紀の方は真樹からの生体肝移植を諦めていなかった。

おはようございます!

今月最後の投稿です!

そして、本エピソードももうすぐクライマックスです!

お楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[一言] 諦めの悪い早紀という女はまだ菜穂の事を気にかけてはいるんだな…。しかし肝心の真樹との信頼関係を築けていないのがキツいよなぁ…。仮に助かる可能性があるにしても真樹の今後の通常生活と引き換えにな…
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