第188話 友人達の懸念
こんにちわ!
今日はメッチャ暑いですね!
真樹が早紀と共に去って行った後、残された慶達の一行は困惑しながら駅へ向かっていた。そして、慶が口を開く。
「さっきの人、何だったんだろう?真樹のお母さんって言ってたけど。」
杜夫も言う。
「ああ、言ってた。でもあいつ、嫌そうな顔してたけどな。」
その事に武史と伸治が何かを思い出したように言った。
「そう言えばあいつ、親の話とかした事なかったよな。いないとは聞いてたけど。」
「確か、今はお爺さんとお婆さんと3人で暮らしてるんだっけ?じゃあ、さっきの人、本当に母親なのか?」
沙崙も心配そうな顔で言った。
「もしかして、昔何かあったんじゃない?だとしたら真樹が心配だわ。」
その言葉に全員が深刻な表情で黙り込む。それから、モヤモヤしたまま駅に到着し、それぞれの自宅へ帰って行った。
一方、真樹は早紀の運転する赤いポルシェに乗って移動していた。彼はまだ不満そうな表情を浮かべている。
「もう、何そんなに不貞腐れてんのよ?」
「学校にまで押しかけるなんて、非常識過ぎて呆れただけだ。」
「親なんだからいいでしょ?」
「そう言う問題じゃねぇだろ。」
真樹が何を言っても、早紀は悪びれる様子を一切見せなかった。そして、車は高速道路に入ってどんどんスピードを上げ、県境である江戸川を超えた。
「おい、東京に入っちまったぞ。どこまで連れて行く気だ?」
「そんな怖い顔しないで。悪いようにしないから!お母さんを信じて!」
「…。」
周囲の人を守る為とは言え、真樹は早紀に付いていったことを少し後悔した。元々不倫した事を恨んではいたが、10年以上経ってもここまで非常識さが変わらないとは思ってなかったからだ。それから真樹はすっかり黙り込み、早紀の車はどんどんスピードを上げて目的地へと向った。
約2時間後。
「着いたわよ!」
早紀がそう言った。結局真樹は早紀に連れられて、御茶ノ水まで来てしまった。車を降りた真樹は目を顰めながら早紀に聞く。
「何だここは?」
「見ての通り、病院よ!」
そこは大きな大学病院だった。真樹は嫌な予感を感じ取りながらも、黙って早紀に付いて行き、病院に入った。
こんにちわ!
早紀はどうして真樹を病院に連れてきたのでしょうか?
果たしてその目的は?
次回もお楽しみに!




