表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode11 息子VS母
189/326

第184話 悪魔の再来?

こんにちわ!

段々暑くなってきましたね!

-およそ10年前 都内のとある家-

「じゃあ、私は幸せになるから!あんた達もせいぜい生き延びなさい。」

 一人の女性がキャリーケースを持って出ようとしていたが、その時に男性と小学生位の男の子にそう言い放っていた。男性は女性に問う。

「最後の台詞がそれか。俺はともかく、真樹にも申し訳無いとかは思わないのか?」

 男性の言葉に対し、女性は鼻で笑いながら言った。

「思わないわね!あんたと結婚して私の経歴に傷がついたし、真樹は完全な失敗作。私に黒歴史植え付けた事を謝罪して欲しい位よ。じゃあね。」

 去ろうとする女性を男の子…当時7歳の真樹が追いかける。

「待ってよ母さん!僕と父さんを置いてかないでよ!」

 しかし、女性は近づいた真樹を睨みつけながら張り手で突き放した。

「うっ!」

「真樹!」

 男性が真樹を抱き抱える。そして、女性は怒りながら言った。

「近づくなクソガキ!あんたみたいな出来損ない、私の子じゃない!二度とその面見せんな!」

 そう言って女性はさっさと出ていってしまった。泣き叫ぶ真樹を男性は優しく宥めていた。


-土曜日 AM6:00-

「うーん…。」

 真樹は唸りながら布団から体を起こした。昨日の電話の事が中々頭から離れず、中々寝付けなかった上、やっと寝れたと思ったら…。

「嫌な夢を見た…。」

 夢のせいで目覚めが悪くなっていたようだ。あまりいい気分とは言い難かったが、真樹は体を起こし、着替えと朝食を済ませて練習に向かった。


 そして、大谷津学院のグランドにて。

「みんなおはよう!次の試合に勝てば来年春の選抜に近づける。気合入れていこう!」

「「はい!!!」」

 関屋が真樹達野球部員に対し、そう言った。大谷津学院は秋季大会も好調で、来年のセンバツ高校野球出場を目指していた。因みに真樹もクラゲの毒から完全に回復し、他の皆と同じ練習メニューへの参加が許された。

「よーし、各自準備運動してからランニング!その後は打撃練習だ。」

 関屋がそう言って練習開始。言われたとおり、準備運動、ランニングで体を温め、打撃練習の時間になった。

「そりゃ!」

 真樹の番が回ってきて、彼はバッターボックスでボールを打ち返す。空振りは少ないが、長打コースもやや少なめと言う内容だった。

「ありがとうございました!」

 真樹はそう言って打撃練習を終えた。そんな真樹に関屋が声をかける。

「湯川。悪くない。だが、俺はお前をクリーンアップで使おうと思っている。もっと力いっぱい振っていいんだぞ!」

「分かりました。すみません。」

 関屋にそう言われて、真樹はベンチに戻ろうとした。その時、一年の丈と登戸が心配そうな表情で話している。

「今日の湯川先輩、なんか暗くない?」

「いつも無愛想だけど、今日は確かに元気ないよね。」

 二人に心配されながら真樹はベンチに腰掛ける。すると、武司と伸治、沙崙が話しかけてきた。

「真樹、今日はテンション低いがどうした?クラゲの毒はもう大丈夫なんだろ?」

「また女子と喧嘩したか?いや、違うな。お前はそんな事で落ち込む奴じゃない。修学旅行の件は解決したし。」

「ねえ、真樹。悩んでる事あるなら話して。選手の心のケアもマネージャーの仕事よ!」

 真樹はあまり話したくなさそうだったが、心配してくれる仲間に全部隠すのは気が引けると思い、抽象的ではあるが話す事にした。

「大した事じゃない。昨日悪い夢…しかも思い出したくない内容の物を見てな。少し頭に引っかかっていただけだ。」

 真樹がそう話すと、三人は微笑みながら言った。

「まぁ、そういう時もあるよな。だが、今いるのは現実だから、そっちで流れを良くしようぜ!」

 と言ったのは伸治。

「お前が元気ないと、次の試合も勝てる自信無くすわ。切り替えて元気出してこうぜ!」

 と励ましたのは武司。

「私、来年春に台湾帰るんだから、その前にあと一回甲子園に行かせて!頼んだわよ、真樹!」

 帰国まであと半年を切った沙崙もそう言った。

「お前ら…。そうだな。気にしてても仕方ない。心配かけて済まなかった。」

 そう言った真樹の表情には僅かだが明るさが戻り、その後は守備練習等をこなしてこの日の練習を終えた。


 練習終了後。

「じゃあ、俺帰るから。」

「じゃあな、真樹!」

「またねー!」

「再見!」

 学校を出て、真樹達はそれぞれ帰宅していった。真樹は電車に乗り、最寄りの佐倉駅に到着して自宅に向かう。家までもう少しの所まで来た時、何やら大きな声が聞こえてきた。

「帰れ、どの面下げてきた!?」

「今更会わせるつもりはないわ!」

 声に反応する真樹。物陰から隠れてみると、祖父母の正三と多恵が家の前で険しい表情をしているのが見えた。

「爺ちゃんに婆ちゃん…それともう一人いる?」

 どうやら二人の口論の相手はそのもう一人の様だ。相手は40代後半〜50代と思われる女性と思われる。女性は二人に引き下がる様子を見せない。

「何よ!私だって血が繋がった家族よ!少し位話をさせてもらったっていいじゃない!」

「いいから帰れ!あの子は今いない!」

「いたとしても絶対に会わせませんからね!」

 彼女の言葉と声に効き覚えがあった真樹。そして、意を決して3人の前に出てきたのだった。

「爺ちゃん、婆ちゃん。何してんの?」

 真樹の言葉に正三と多恵が振り返る。しかし、それよりも先に反応したのは相手の女性だった。

「真樹?真樹でしょ?!久しぶり、会いたかった!」

「母さん…。」

 相手はなんと真樹の母親だった。予期せぬ人物の再会はまた一騒動を巻き起こすのであった。

こんにちわ!さぁ、また新たなキャラが出てきました!

ひと悶着起きそうですが、どうなるのか?

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 『いきなり出てきた母親を騙るクズ女……どのツラ下げて表しやがった!!』 真樹の心中は正にこんな感じだろうなぁ……。本当に度し難いババァだ!!誰か他に頼れる相手がいないのだろうか……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ