第183話 悪夢の電話
こんにちわ!
これより、新章です!
クラスの女子達の陰謀によってハブクラゲに刺され、危うく命を落としかけた真樹だったが、無事に生還し、杜夫達の協力もあって仕返しも上手くいった。因みに、クラゲを仕掛けた女子達は書類送検され1ヶ月の停学処分、彼女達に肩入れして警察に暴行を働いた裕也も2週間の謹慎処分を受けたのであった。そして、その週の金曜日。真樹達はいつも通りの学校生活を過ごし、何事も無く放課後を迎えた。
「じゃあ、私は練習行くから気をつけて帰るのよ!」
そう言ったのは美緒だ。彼女は帰宅する真樹達にそう声を掛けて、体育館へ向かった。
「ああ、じゃあな。」
「またねー!」
ぶっきらぼうにそう言った真樹と、微笑みながら手を振った慶。真樹一同は昇降口を出て、話しながら学校を後にした。すると、杜夫が言った。
「にしても、ザマァ見ろだなあいつら。まったく、どんな教育受けてたんだか。」
「正直、逮捕じゃ物足りないから、いっその事クラゲだらけの水槽に突き落としてやりたかったわ!」
沙崙が中々怖い事を言い出す。それに対し、慶はクスクスと笑いながら言った。
「何それ?そりゃいいね!クラゲに刺される怖さを知るといいよ!」
そんな3人に対し、真樹が半分呆れた声で言う。
「そんな奴らの事なんかもういい。だが、とんだ修学旅行になっちまった。」
少しがっかりした真樹に武司と伸治が優しく声をかける。
「そりゃあそうだが、俺達はお前が生きて帰ってきてくれて嬉しいぜ!お前が悪いわけじゃないんだし。」
「そうそう。旅行なんてまたいつでも行けるって!気持ち切り替えて、選抜に向けて頑張ろうぜ!」
そんな二人に対し、真樹は安心したように微笑みながら頷いた。そして、駅まで雑談に花を咲かせ、それぞれ帰宅したのだった。
-十数分後、真樹の自宅-
「ただいま!」
真樹は無事に帰宅した。しかし、正三と多恵はまだ帰宅しておらず、家には誰もいなかった。靴を脱いで部屋に行こうとした時、玄関に置いてある電話が鳴った。
「ん、誰だ?」
不思議そうな表情で首を傾げながら真樹は電話に出た。
「はい、湯川ですが。」
「もしもし、その声はもしかして真樹?」
電話の相手は女性だった。相手は真樹の事を知っている様だが、真樹は無愛想に返答した。
「どちら様ですか?」
「ちょっと、私よ!忘れたの?お母さん、寂しいわ!」
「うちに母親はいません。掛け間違えじゃないですか?」
電話の女性は真樹の母親を名乗ったが、彼は冷たく突っぱねた。しかし、女性はまだ食い下がる。
「そんな事言わないの!真樹、私は貴方の事を陰ながら見守っていたわ。結構な進学校に行って、甲子園にまで出るなんて凄いじゃない!」
やはり、女性は真樹の事をよく知っているのは間違いなかった。しつこく話す女性に対し、真樹は苛立ちながら怒鳴りつける。
「あの!あんたがどこの誰だか知らないが、俺に母親なんかいないし、質の悪いイタズラ電話なら警察に通報するぞ!」
そう言って、真樹は受話器を叩きつけるようにして電話を切った。まだ頭に血が上っていた真樹は、不機嫌な様子で部屋に向かう。
「ざけんなよ…。」
真樹はイライラしながらそう呟き、不満げな様子でベッドに寝転がったのだった。
こんにちわ!
母親を名乗る謎の女性の正体は誰なのか?
次回もお楽しみに!




