第182話 生きててよかった
こんにちわ!
本エピソードのラストです!
修学旅行中にクラゲに刺され、病院に搬送された真樹だったが、無事に回復して学校に帰ってきた。そして、警察の捜査が進んだことにより、首謀者である女子4人も逮捕された。その事がその日のニュースに取り上げられた事は言うまでもない。
『同級生の荷物に毒性の強いハブクラゲを仕込んだとして、千葉県成田市の女子高生4人が殺人未遂で逮捕されました。警察の捜査によると、少女4人は修学旅行で訪れた沖縄県宜野湾市の海岸にて、男子生徒1名の鞄の中にハブクラゲを仕込み、触れさせて重症を負わせた模様。男子生徒は病院に搬送されましたが、命に別状は無く、現在は回復して復学しているとのこと。少女4人は容疑を認めており、「クラゲは前日の自由行動中に拾った。嫌いな奴だったから酷い目に遭わせたかった。」と供述。また、少女たち4人を庇おうと暴れた男子生徒1名を公務執行妨害で逮捕しました。』
「フン。ザマァ無いぜ。この俺を殺そうなんて1億年早いわ!」
帰宅後、自宅で夕方のニュースを見ながら真樹はそう言った。しかし、その後少し寂しそうな表情でつぶやく。
「でもまぁ…俺も油断しすぎたな。もう少し警戒していればこんな目にならなくて良かったし、修学旅行も打ち切られずに済んだはず。オニィ達に申し訳ない事をした。」
真樹は油断した事を反省した。その直後にスマホが鳴る。
「もしもし?」
『もしもし?真樹、体調は大丈夫?』
「オニィか。安心しろ、学校で大丈夫なのは確認済みだろ?」
慶からだった。彼女は心配そうに話している。
『そうだけど…まぁいいや。とにかくみんな逮捕されて良かったね。』
「当然だ。あんな奴ら野放しにできるか。でも、俺も甘かった。修学旅行打ち切りにして申し訳無い。」
『いいんだよ。真樹が無事で良かったから。』
「ありがとな。」
そう言って二人は電話を切る。平和な日常が再び訪れた時だった。
翌日の放課後。
「皆さん、お騒がせしてすみませんでした!」
グラウンドにて、真樹は関屋達野球部の面々に頭を下げながらそう言った。体調も問題なかったので、この日から野球部の練習に復帰することになったのだ。しかし、左手の炎症はまだ完全に治ったわけではなかったので、真樹だけ走り込み等の下半身強化トレーニングや走塁練習と言った、手を使わない別メニューでの調整になった。謝る真樹に顧問の関屋が言う。
「湯川。お前が悪い訳じゃないんだからそう気負うな。とにかくまた一緒に練習できて良かった!心配したんだぞ!」
そして、武史と伸治も微笑みながら言った。
「そうだぜ。全部アイツらが悪い。お前は気にすんなよ!」
「昨日大和田共々逮捕された時はスカッとしたぜ。自業自得だ。」
そして、一年の丈も…。
「先輩、帰ってきてくれて本当に良かったです。また一緒に練習しましょう。」
部員達の言葉を聞き、ホッとした気分になった真樹だった。
「さぁ、今日も練習するぞ。まずはランニングだ!」
「「はい!」」
関屋に言われ、真樹達は元気に返事をする。ランニングに行こうとした真樹に沙崙が声を掛けた。
「真樹!」
「どうした?」
「お帰り!本当に無事で良かったわ。でも完治するまでは無理しないでね!」
「謝々、敏腕マネージャー!」
こうして再び皆と練習を始める真樹。修学旅行が台無しになり、命を落としかけたが、それでも真樹は負けずに日常を取り戻したのだった。
こんにちわ!
4月最初の投稿です。
これにて、死の修学旅行は終わりです。
次回から新章ですので、お楽しみに!




