番外編 心配の声
こんにちわ!
都合により、今回は短い番外編です!
土曜日の朝。グラウンドではこれから大谷津学院野球部の朝練が始まろうとしている。しかし、そこに真樹の姿はない。クラゲに刺された左手の炎症がまだ完全に治ったわけではなく、真樹はその事を顧問の関屋に話し、この日は大事をとって休養に入っていた。練習前、関屋は武史、伸治、沙崙の3人を呼び出し、心配そうな表情で事情を聞いていた。
「それで、湯川の様子はどうなんだ?」
「昨日話した限り、体調は大丈夫みたいですけど、左手の痛みはまだ完全に取れたわけじゃないみたいッス。」
「何せ相手は猛毒クラゲでしたからね。本当にびっくりですよ!」
「にしてもひどい修学旅行でした。真樹が倒れても誰一人助けようとしないどころか、早く死んでくれなんていってたんですよ。絶対にあの中の誰かが仕込んだに違いありません!」
3人も今回の件に関しては怒りを覚えていた。そして、関屋も顔を顰めながら言った。
「そうだったのか。大変だったな。しかし、もしそれが本当だったら俺も許せないな。分かった、ありがとう。取り敢えず、湯川がまた元気に練習に戻ってくるのを信じて、今日は練習頑張ろう。」
「「「はい!!!」」」
3人は元気に返事をして練習準備に入った。そして、一年生の本郷、登戸、幕張、千葉の4人も心配そうに聞いてきた。
「湯川先輩、大丈夫何ですか?」
「クラゲに刺されたって聞きましたけど。」
「ニュースでもやってましたよね。びっくりしました。」
「誰かに仕込まれたって噂聞きましたけど、本当なんですか?」
4人の質問に武史、伸治、沙崙の3人は微笑みながら言った。
「安心しろ、命に別状はない。まぁ、あいつが簡単にくたばる訳がないのはお前らも分かるだろ?」
「間違いなく誰かの嫌がらせだよ、あれは!犯人め、許さん!」
「大丈夫よ。真樹は必ず戻ってくるし、犯人も問い詰めてやるわ!だから安心して。今日も練習頑張るわよ!」
そう言って、大谷津学院野球部一同は不在の真樹を心配しつつ、この日も練習を始めた。
一方その頃、美緒は自宅で読書をしていた。しかし、表情はまだ浮かばれない。
「はぁ…どうしてこうなるのよ。」
修学旅行も真樹と裕也及び親衛隊の女子の雰囲気は最悪そのものだった上に、修学旅行も打ち切りになってしまい、結末的にはバッドエンドである。
「もう、大和田君達!勝手な事ばかりで許せないわ。」
そう言った美緒は本を読み終えると、代わりにスマホを手に取った。
「湯川君は警察と証拠を集めたって言ってたけど、私も委員長として、班長として何もできない訳にはいかないわ。こっちにも切り札あるもんね。」
スマホを見つめながらそう言った美緒。そして、再び目を釣り上げながら言った。
「覚悟してなさい。修学旅行を台無しにした代償をうんと高く付けてあげるから!」
美緒はそれだけ言うと、キッチンで湯を沸かし、お茶を入れたのだった。
こんにちわ!
本編先延ばしして申し訳ありません。
今回のエピソードもいよいよクライマックスです!
果たしてどうなるのか?
次回もお楽しみに!




