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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode10 死の修学旅行
183/328

第179話 真樹退院

こんにちわ!

今月初投稿です!

-AM10:00 宜野湾市のとある病院-

「お世話になりました。」

 病院の出口にて、真樹は担当医師や看護師達にお辞儀をしながらそう言った。容態が完全に回復した真樹は、無事に退院することになった。

「いえいえ。」

「気をつけてお帰り下さい。」

 医師と看護師も優しい表情で真樹にそう言った。真樹は荷物を持って病院を後にすると、携帯を取り出す。

「もしもし。私、湯川と申します。はい、お話したい事があるので今から伺いますね。」

 真樹はそう言って携帯電話を切ると、キャリーケースを引きながらどこかへ向かったのだった。


-10:30 沖縄県警宜野湾警察署-

「あ、すみません。先程お電話させて頂いた湯川と申します。」

「湯川さんですね。少々お待ちください。」

 真樹がやってきたのは警察署だった。受付の女性警官に挨拶をした真樹はしばらく待合用の椅子で待っていた。しばらくすると、スーツを着た男性刑事が現われた。

「お待たせしました。湯川君だよね。」

「はい。お邪魔してしまって、申し訳ありません。」

「とんでもない。僕は宜野湾警察署、少年課の新垣です。さぁ、こちらに。」

 新垣と名乗る男性刑事は、真樹を取調室に案内した。取調室の椅子に掛けた真樹に対し、新垣は一息ついてから話し始める。

「昨日、ライフセーバーさんからも話聞いたけど、あのクラゲは本当に湯川君が自分で鞄に入れたわけじゃないんだよね?」

「勿論です。そんなもの拾ってどうしろって感じですよ。」

 真樹の返答に新垣は納得したような表情で続ける。

「うん。そうだよね。確かにあの海にもクラゲはいるけど、誰も防護ネットの外には出ていないってセーバーさんからの証言もある。すなわち、警察の考えだとあのクラゲはどこか別の所から運ばれた可能性が高いと見ているよ。」

 そして、今度は真樹が新垣に言った。

「刑事さん、これを見て下さい。」

 真樹はスマホを起動し、保存されている動画を再生した。

「これは何だい?」

「僕の友達がデジカメを動画モードにしたまま放置してたんですけどね。そこに気になる部分があったんですよ。」

 そう、その動画は杜夫のカメラの物だった。昨日、真樹は慶達とビデオ通話をした後、杜夫に頼んで映像データをスマホに送ってもらっていた。

「ここを見て下さい。」

 とある場面に差し掛かった所で、真樹は新垣にそう言った。新垣は目を凝らしながら映像を見ると、4人の女子がテントの方へ歩いているのが映っている。

「これは…?」

「当時、ここにテントで荷物置き場が設置されていたんですけどね。男女別れていたんです。今は、女子4人がテントに入っていきましたが、こっちは男性用なんですよ。」

「確かに変だな。」

「それに、映像を拡大すると、一人が手にガラス瓶を持っています。恐らくここにクラゲを入れて持ち運び、僕の鞄に仕掛けたと思います。」

 真樹の言葉に対し、新垣が難しい表情で言った。

「確かに、湯川君の主張に不自然な所はどこにも無い。だが、これじゃあまだ決定打にできないな。」

「そうですか…。問題はこれがクラゲだと証明することと、どこでクラゲを捕まえたかですよね。可能性があるとすればあそこしか無いですね。」

「ほう、それはどこだい?」

 その後、真樹の話を聞いた新垣は、取調室を出て何処かに向かうことになったのだ。


-11:45 琉球タクシー本社-

「いきなりすみません。私、宜野湾警察の新垣です。」

「大谷津学院の湯川真樹です。」

 真樹達が訪れたのは、自由行動の時にお世話になったタクシー会社だった。新垣は事情を説明し、真樹の鞄にクラゲを仕掛けたと思われる女子の担当のタクシー運転手から話を聞くことにした。しばらくすると、応接室に当時担当していたタクシー運転手が現われた。

「どうも、はじめまして。警察と…大谷津学院の人が私に何の用ですか?」

 運転手の質問に対し、まずは真樹が質問する。

「運転手さん。うちの自由行動の際、この四人を乗せましたよね?」

 真樹が杜夫からもらった映像を見せると、運転手は頷きながら言った。

「あー、乗せましたね。この子達です。」

 続けて、今度は新垣が質問した。

「では、その自由行動の際に海とか行かれましたか?クラゲがよく出そうな。」

 新垣の質問に対し、運転手は首を傾げながら答えた。

「海は行きましたよ。いい写真が取れる海岸に行きたいと申してましたから。クラゲは…まぁどこにでもいますから。」

 少し困った表情の運転手に対し、再び真樹が質問する。

「じゃあ、海岸に行った時に、この四人の行動で変な部分はありませんでしたか?」

 真樹の問いに運転手は最初少し悩むような表情を見せたが、何かを思いだしたかのように話始める。

「そういえば…遠目に見ててよくわからなかったけど、砂浜で何か拾ってたな。あ、そうだ。多分瓶に海水を入れているのをは見たかもしれん。何でそんな事をしたのかは分からないけど。」

 運転手の言葉に、真樹と新垣ははっとした表情になった。

「新垣さん。」

「うん。段々見えてきたぞ。すみません、ありがとうございました!」

 2人は運転手に礼をいい、タクシー会社を後にした。

「そういえば、湯川は午後の便で帰るんだよね?送るよ。」

「わざわざすみません。」

「いえいえ。後は警察に任せてね!」

 新垣はそう言うと真樹を車に乗せ、那覇空港へと向かったのだった。空港のロビーに到着すると、真樹は新垣に礼を言った。

「ありがとうございました。」

「いえいえ。気をつけてね。」

「それと、さっきの映像を見る限り、瓶を海に捨てた形跡はありませんので、恐らく…。」

「分かってる。その線でも捜査するから安心して!じゃあね!」

 新垣はそう言うと車に乗って空港を後にした。真樹は搭乗手続きを済ませて、成田行きの飛行機に乗る。

「フン!馬鹿な女子共め!もうすぐ証拠を突き付けて仕返ししてやるからかくごして待っておけよ!」

 飛行機の座席に座った真樹は不敵な笑みを浮かべてそう言った。そして、真樹を乗せた飛行機は定刻通りに那覇空港を出発し、成田へと飛んでいったのだった。

こんにちわ!

真樹君、無事退院です!

そして、すごい話になってしまいましたが、結末はどうなるのか?

次回もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[一言] ハブクラゲによって一度は生死を彷徨った真樹…とうとう反撃の糸口を掴んだのかな?果たしてどの様な反撃を見せるのかワクワクします!まぁ、奴等からの余計な横やりや妨害が入らない事を祈っております
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