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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode10 死の修学旅行
182/326

第178話 泣き寝入りはNO

こんにちわ!

今月最後の投稿です。

 修学旅行の最中、真樹がクラゲに刺され、入院すると言うトラブルに見舞われた大谷津学院。それにもにも関わらす裕也達の身勝手な行動や不謹慎な発言を重く見た立石達教員やガイドの玉城の判断により、あと一日を残して修学旅行は打ち切り、入院中の真樹を残して一同は千葉に帰ることになった。


-翌日 夕方の那覇空港にて-

「あーあ、つまんねー!これから楽しくなる所だったのに!全部湯川のせいだ!許さねぇ!」

 帰りの飛行機を待っている間、裕也はずっと愚痴をこぼしていた。そして、他の親衛隊の女子達も賛同する。

「ホント、ホント!」

「そもそも、湯川が来なければこんな事にならなかったのに!」

「何で私達まで疑われなきゃならないの?」

「あいつは学校の癌細胞だから、放っておけばいいのに!」

「ありえない!帰ったらみんなの費用を湯川に賠償させようよ!」

 反省するどころか、相変わらず身勝手な発言を繰り返す裕也達。一方の慶はと言うと、やはり真樹の事を心配していた。

「いくら急な打ち切りとはいえ、手負いの真樹残して僕達だけで帰るっていうのも、なんか申し訳ないな。」

「私も心苦しい所はあるけど、仕方ないわよ。あと一日入院が必要ってお医者さん言ってたでしょ?」

 美緒が優しい口調で慶を宥める。伸治と武史も少し悲しい表情で呟いた。

「あいつが無事だったのはいいとして、このまま何もできずに終わっちまうのかよ…。」

「何とかしてやりたいけど、証拠が無いからな…。」

 その言葉を聞き、沙崙も悲しそうな顔で言う。

「このままじゃ真樹が報われないわよ。クラゲは絶対に真樹のせいじゃないのに。」

 杜夫はと言うと、持っていた一眼レフの写真を確認していた。すると、あることに気づく。

「あれ、やっば!事件の直後で動揺してて気づかなかったけど、この時連写モードと間違えて動画モードのまま放置してたわ…ん?」

 マリンスポーツ体験の直後の自由行動の様子をカメラで収めようとしていた杜夫だが、体力を削られて頭が働いていなかった事もあり、動画を撮りっぱなしにしていた。しかし、そんな動画を見ている時に、ある事に気がついたのだった。

「じゃあ、みんな!今から飛行機乗るわよ!くれぐれも行動は慎みなさい!」

 立石は一同にそう呼びかけた。こうして修学旅行を打ち切られた大谷津学院2年はそのまま那覇から成田空港へと向かったのだった。


 その夜。真樹は病院のベッドに寝転がっていた。テレビも見れるし、スマホも持っているとはいえ、すっかり元気を取り戻した真樹にとって入院中の生活は暇で仕方なかった。

「みんなはもう、帰っちまった頃か。」

 真顔でそう呟いた真樹。そんな時、突如スマホのバイブレーションが響いた。

「おっと、着信か。」

 真樹はスマホを持って病室を出ると、無人の階段の踊り場にやってきた。着信は杜夫からだった。

「杜夫か。どうした?」

「真樹。元気そうだな。取り敢えず、ビデオ通話モードにしてくれないか?」

 杜夫に言われても、真樹はビデオ通話モードに切り替えると、杜夫だけでなく慶、美緒、沙崙と言った自由行動の班のメンバーが揃った。そのタイミングで慶が話し始めた。

「真樹。いきなりごめんね。でも、大事な話だから伝えたいって思って!」

「気にすんな。オニィ達も無事に帰れたようだな。」

 真樹がそう言うと、沙崙も口を開く。

「まぁ、大和田くん達は相変わらず態度最悪だったけどね。結局アイツらが後味悪くしてんじゃん。」

「まぁ、あんな奴らは放っておけ。それで、話ってなんだ?」

 真樹が沙崙を宥めた後、その質問に対し美緒が答えた。

「湯川君、喜んで。このまま泣き寝入りしなくて済むかもしれないわ。公津君のカメラのデータがその鍵になってるの。」

 その言葉に対し、真樹は軽く頷きながら言った。

「そうか。まぁ、おおよその事は予測できた。だが、あいつらは何かと言い訳して絶対に認めないだろうから、今はまだそれを使わない方がいい。やるなら、言い逃れできない証拠を掴んで、それと一緒に付きつければ俺達の勝ちだろう。」

 そう告げた真樹は一同に自身の容態等を報告し、通話を終えたあと眠りに就いたのだった。

こんにちわ!

杜夫が持っていた逆転の手がかりとは?

次回もお楽しみに!

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