第174話 緊急事態発生
こんにちわ!
今月最後の投稿です!
今、大谷津学院一同が訪れている宜野湾市の海岸で大変な事が起きていた。何と、荷物置き場で水を飲みに行った真樹が戻ってこないと思って一同が見に行くと、クラゲを左手に付けた状態で倒れていた。話を聞いた立石はすぐに救急車を呼び、慶も慌てた様子でライフセーバーを呼びに行った。
「こっちです!」
慶の案内でライフセーバーが真樹の所に到着。ライフセーバーはその異様な光景に驚きを隠せなかった。
「ほ、本当にクラゲだ。どうしてこんな所で…?」
「分かんないんです!何とかできませんか?!」
慶は完全に動揺している。そして、ライフセーバーは救命道具が入った鞄から何かを取り出した。
「これは…ハブクラゲですね。まずは触手を剥がすためにこれを使います!」
そう言って取り出したのは瓶に入った透明な液体だ。それをかけると、真樹の左手に絡みついている触手が収縮を始め、剥がれ落ちていった。
「酢は触手の毒に効きます。ひとまず剥がして応急処置しましょう。」
ようやく触手を剥がしたが、真樹の意識は戻らない。苦しそうに横たわり、辛うじて息をしている様だった。
「まずいな、呼吸困難を起こしている。このままではまずい!」
ライフセーバーは携帯用の酸素マスクを取り出し、真樹の顔に付けた。すると、真樹は先程よりは落ち着いたのか、苦しそうな様子ではなくなっている。
「取り敢えず、この状態で救急車が到着するのを待ちましょう。それにしても、海中ならともかくどうして砂浜でクラゲに刺されたんだ?」
「そんなの、こっちが聞きたいですよ!」
ライフセーバーの質問に対し、そう返したのは杜夫だ。第一発見者の伸治と沙崙も説明する。
「戻ってこないと思ったら、ここで倒れてたんです!」
「声かけても返事ないし、鞄に手を入れたままだったから引き抜いて…そしたらクラゲがいたんです!」
2人の説明に、ライフセーバーはますます訳が分からなくなっていた。そして、そこに煽るような声が近づいてきた。
「おいおい、見ろよ!湯川がクラゲに刺されて倒れてるぞ!ダッセー!」
裕也だった。そして彼は笑いながら倒れてる真樹に近づき、意識がない事をいいことに頭を踏みつけながら言った。
「ざまー見ろ!日頃女の子達に嫌がらせしている天罰だ!このままくたばれ!」
「ちょっと、止めてください!緊急事態なんですよ!」
「うるせー、知るか!」
ライフセーバーが慌てて裕也の足をどけたものの、裕也は知ったこっちゃないという顔をしていた。そして、美緒が怒りの表情を浮かべて前に出てきた。
「大和田君。あなた、いい加減にしなさいよ。いつも好き勝手やっておいて、挙げ句の果に瀕死の患者を踏みつけるってどういう神経してるの?信じらんない!」
「あ?うるせーよ!美人だから許してやろうと思ったけど、やっぱり菅野、お前は駄目だ!生意気すぎる!だから気に入らねえんだよ!」
裕也の言葉に親衛隊の女子達も乗っかる。
「そうよそうよ!」
「菅野さんはどっちの味方なのよ?」
「バレー部のエースで学級委員長だからって調子乗らないで!」
女子達は全く聞く耳を持たない。そして、武史も怒りながら前に出てきた。
「おい、テメーら!真樹が気に入らないからって、鞄にこっそり仕掛けやがったな、このヤロー!」
それを慶と杜夫が止めに入る。
「武史、気持ちはわかるけど、暴力は辞めようよ!」
「そーだぜ。これじゃあ、こいつらと同じ穴のムジナだ。」
とんでもない修羅場となってしまった大谷津学院の修学旅行。するとそこに、ようやく救急車が到着した。
「あ、来た!こっちです!お願いします!」
立石は手を振りながら救急隊員を呼ぶ。そして、救急隊員は真樹を担架に乗せて救急車に乗せた。
「先生が付き添います!みんなはガイドさんや他の先生達に従って!」
こうして真樹は立石の付添いの元、救急車で病院に向かった。楽しかったはずの大谷津学院修学旅行は、真樹のアンチによってとんでもない状況になってしまったのだった。
こんにちわ!
今回、倒れていたこともあって初めて真樹のセリフが無い回でした。
果たして真樹は無事なのか?
次回もお楽しみに!




