第168話 湯川真樹抹殺計画 その4
こんにちわ!
寒すぎて、雪が降りそうです。
大谷津学院の沖縄修学旅行も3日目を迎えた。朝、ホテルで目を冷ました真樹はベッドからゆっくりと起き上がる。
「ん〜…朝か。」
カーテンを開けると既に外は朝日が登っており、沖縄の青い海を美しく照らしている。真樹は顔を洗って着替えをし、荷物の確認をすると隣のベッドで寝ていた杜夫を起こした。
「おい、杜夫。起きろ、朝だぞ。」
「ん?ふぁぁ…。おはよう真樹。ソーキそばお替りは?」
「寝ぼけてないで、早く着替えろよ。」
杜夫が起きて着替えるのを待ち、準備が済んだ所で二人は荷物を持って部屋を出たのだった。
-AM9:00 バス車内にて-
「えー、皆さんおはようございます。本日は楽しみにしていた方も多いでしょうか?海に向かいますよー!」
ガイドの玉城がA組の生徒達に今日の説明をしていた。言葉の通り、この日は宜野湾市内のビーチへ向かう予定である。
「海だ、海だ!沖縄の海で思いっきり泳げるなんて楽しみ!」
「私も!あー、早く着かないかなぁ!」
慶と沙崙はワクワクした様子でそんな話をしていた。そして、杜夫も微笑みながら真樹に話し掛ける。
「フフフ。今日こそこの公津杜夫様の腕の見せ所だ。水中モードの設備も準備万端だし、美しいサンゴ礁と熱帯魚の写真を撮ってやるぜ!」
「テンション上がり過ぎてジタバタするなよ、杜夫。魚が逃げちまうだろ。」
やれやれといった表情で真樹は杜夫にそう忠告した。しかし、美緒も真樹達に向かって注意をする。
「もう、あんた達!まだ着いてないうちに浮かれ過ぎよ!ちゃんと、溺れないように準備体操する事!後、ビーチを汚さないようにゴミが出たらちゃんと片付ける事!いいわね。」
美緒の言葉に慶と沙崙は頷きながら返事をした。
「はーい!分かってるよ美緒!僕だってアスリートだから準備体操は忘れないって!」
「フフフ。なんか今の美緒ってママって感じ。頼りにしてるわ!」
「ママじゃない!」
二人の言葉に美緒は顔を赤くしながらそう言った。一方その頃、後ろの席では他の女子達がスマホとにらめっこをしている。全員メッセージアプリを開いていた。
『いいわね。今日は計画実行よ!成功すればその場で湯川を抹殺出来るから、くれぐれも失敗しないように!』
『分かってるわ!勿論よ!』
『こっちは昨日切り札を拾ったしね!』
『さすがの湯川でもこいつには勝てないわ。』
真樹と敵対する女子達はグループチャットの部屋を作り、そのようなやり取りをしている。そして、メンバーに含まれている裕也からもメッセージが来た。
『みんなおはよう!今日はみんなの可愛い水着と、湯川がくたばる所を見れる日だから楽しみだよ。昨日話した事、俺も協力できる所はするから頑張って!じゃあ、また後でねー♡』
『ありがとう、裕也君♡』
『裕也の水着も見たい♡』
『裕也君、後でサンオイル塗ってー♡』
『裕也君に応援されたら頑張っちゃう♡』
一見ただのグループチャットにしか見えないが、所々真樹に対する恐ろしいほどの敵意が感じ取れる。そして、真樹の方も自分が他の女子達から敵意を向けられている事を知りながらも、これから向かう海水浴場で仲間達と楽しむ事が彼の脳の大半を締めていた。その後、真樹サイドと裕也サイドの正反対の雰囲気が混じった大谷津学院一同を乗せたバスは宜野湾市に入り、トラブルなく海水浴場に向かったのだった。
こんにちわ!
今まで真樹サイドばかり見せていたので、敵サイドの場面も増やしていこうと思います。
海で真樹を待ち受けている物は何なのか?
次回もお楽しみに!




