第166話 湯川真樹抹殺計画 その2
こんにちわ!
今月初投稿です!
大谷津学院の沖縄修学旅行は2日目を迎えていた。この日は班別自由行動なので、各班タクシーで様々な所を回っている。真樹達第5班は残波岬と琉球村を訪れた後、沖縄そばの店で昼休憩を取っていた。
「はぁ…散々な目にあったわ!」
「まぁまぁ、無事に返してくれたから良かったじゃない!」
疲れ切った表情の美緒を沙崙が優しく宥めている。美緒は先程琉球村でブレザーを水牛に噛まれ、取り返そうと格闘していた。
「もう、洗ってどうにかなったけど、歯型取れないじゃない!最悪!」
「美緒、そんなに怒んないで!こういう時は食べて機嫌治そう!ね!」
ウインクしながらそういったのは慶である。食べるのが大好きな彼女は今一番笑顔でいる。
「しかし、セミにしろ水牛にしろ、菅野からは沖縄の生物が好きな匂いが出ているのかもしれない。」
「かもな。しかし、さっきのは今日1のベストショットだな!タイトルは美女と水牛で決定!」
真樹と杜夫がそんなことを話していると、美緒は更に目を吊り上げた。。
「おい!湯川君、勝手な事言うのは許さないわよ!それと、公津君、その写真は消させてもらうわ!」
「ああっ!俺のベストショットがぁ…。」
美緒は杜夫から一眼レフを取り上げると、水牛に噛みつかれている写真を削除した。そんな様子を見て、運転手の波照間は微笑みながら言った。
「ハハハ。いいね、みんな仲良くて!青春楽しんでて羨ましいよ!」
「いえいえ。折角の修学旅行なのでみんなで楽しみたいと思ってるだけですよ。」
真樹は落ち着いた様子で波照間にそう返した。しばらくすると、一同が頼んでいた沖縄そばが運ばれてきた。
「来た、待ってました!うわぁ…美味しそう!」
慶が目を輝かせながらそう言った。透き通ったスープに太めの麺、上には巨大なアグー豚の肉が乗っている。
「「「頂きます!」」」
一同が挨拶して、食べ始めた。真樹はウンウンと頷きながら感想を述べた。
「うん、肉の出汁がよく効いてて美味い!やはり本番の沖縄そばは違うな!」
そして、慶は食べた瞬間に笑顔で言った。
「美味しい!美味しすぎる!僕もうこの料理の虜になった!」
「大袈裟ね、慶ったら。でも本当に美味しいわ!」
美緒も沖縄そばの美味しさに関心していた。そして、台湾出身の沙崙も故郷にはない麺の味を絶賛した。
「好食、好食!台湾の麺料理と全然違う!味が濃くていいわね!」
杜夫もしっかりとカメラに収めた後、沖縄そばの味を堪能した。
「いやぁ、美味い!最高!沖縄に来て良かったぜ!」
「みんな気に入ってくれて良かった!ここは地元では知る人ぞ知る名店で、有名人とかもよくお忍びで来るんだよ。」
波照間は笑顔でそう言った。その証拠に店内はかなり賑わっており、壁には多数のサイン色紙が飾られている。その後、昼食を終えた一同は昔の遺跡や防空壕跡を巡り、沖縄を楽しんだのだった。
夕方。市内のホテルに一台のタクシーが到着した。そして、降りてきたのは第1班だった。
「ありがとうございました!楽しかったです!」
「あいよ!これからも沖縄楽しんでねー!」
彼女らはタクシー運転手に挨拶すると、荷物を持ってホテルに入っていった。
「結局持って帰ってきちゃったけど、本当にそれで湯川が倒せるの?」
「大丈夫よ!いくら湯川でも、これには敵わないでしょ!」
彼女達は先程海岸で拾ったものを見ながらそんな話をしていた。
「でも、どうやってやるの?気づかれたら終わりよ!」
「そうよねぇ、そこまでは考えてなかったわ。」
「取り敢えず、部屋で休憩しよ!あと、裕也くんが帰ってきたら相談すればいいわ!」
相変わらず物騒な会話を続ける彼女達。真樹が気付かない間に、抹殺計画はゆっくりではあるが着実に進んでいた。
こんにちわ!
沖縄そば、美味しいですよね!
しかし、真樹も狙われています!
どうなってしまうのか?
次回もお楽しみに!




