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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode10 死の修学旅行
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第159話 出発前日

こんにちわ!

最近天気が不安定ですね。

 大谷津学院2年生の修学旅行は刻一刻と迫り、そしてついに出発日の前日まで来た。修学旅行を楽しみにしている真樹達は、それぞれ準備をしていたのだった。


 ある日の晩、ここは真樹の家。真樹は祖父母である正三と多江と共に夕飯を食べていた。

「真樹、明日は修学旅行でしょ?しっかり食べていた、今日はゆっくりと寝なさい。」

「うん、分かったよ婆ちゃん。」

 そう言って真樹はご飯をお替りした。そして、正三が何か感慨深い様子で話し始めた。

「沖縄か。懐かしいのぉ。わしは若い頃、戦争で沖縄に行っただけじゃからな。あの頃に比べて平和になって良かったのぉ。」

「あなた。こういう時に戦争の話は…。」

「いいんだよ、婆ちゃん。平和記念公園にも行くし、沖縄の歴史を知るのも大事だよ。爺ちゃん、気にしないで。」

 真樹はそう正三をフォローした。

「とにかく、体だけは気をつけてね。具合悪くなったら、折角の修学旅行が台無しよ。」

「ハブには気を付けるんじゃぞ!草むらをむやみに突いたら出てくるからな。」

「うん。ありがとう、二人共。」

 こうして、夕飯を食べ終えた真樹は、部屋に戻って忘れ物が無いかを確認し、眠りについた。


 その日の午後に遡って…。

「やっほー、沙崙!」

「来たわよ!」

 慶と美緒は、沙崙が寮として住んている団地の一室を訪れた。

「慶、美緒!よく来たわね。入って来た入って!」

 沙崙は二人を部屋に招き入れると、テーブルを拭いて床のクッションに座った。慶と美緒も後に続くように座る。

「今、お茶とお菓子持ってくるから待ってて!」

 沙崙はそう言って、戸棚から台湾名物である鳳梨酥パイナップルケーキを取り出し、湯を沸かしてジャスミン茶を淹れた。今から3人で女子会兼プチ前日祭を開くのだ。お茶とお菓子の準備が出来た所で、慶が立ち上がって言った。

「それでは、大谷津学院2年A組、第3班の修学旅行の無事を祈って、乾杯!」

「「乾杯!」」

 慶に続き、美緒と沙崙も乾杯の温度を取り、それぞれの湯呑を合わせた。

「うん、美味しい!ありがとうね沙崙!」

「ジャスミン茶もいい香りだし、ケーキもパイナップルの味がしっかりしてて美味しいわ!」

「どういたしまして!二人の口に合って良かった!」

 喜ぶ慶と美緒を見て、沙崙は微笑みながらそう言った。そんな時、美緒が口を開く。

「いよいよ明日ね!湯川君と公津君にもくぎ刺しといたけど、遅刻と忘れ物は厳禁よ!」

「わかってるよ、美緒!折角の修学旅行を僕のヘマで台無しにしたくないからね!」

「ああ…沖縄か!すごい楽しみ!台湾より綺麗な海が見れるんでしょ?待ちきれないわ!」

 慶と沙崙は満面の笑みでそう言った。しかし、慶には少し気がかりな事があった。

「一つ引っかかるのは真樹の事かな。修学旅行中に他の子たちや大和田君が因縁付けてこなければいいんだけど。」

 その言葉に対し、美緒がむずかしい表情で言った。

「湯川君から何かしてくる事はないと思うけど、そうよね。まぁでも大丈夫!モラル違反を見つけたら、班長権限で私が何とかするから。」

「流石美緒、頼りになるわ。」

 沙崙が美緒を褒める。その後、3人はお茶とお菓子を楽しみながら話に花を咲かせ、慶と美緒は帰宅することになった。

「じゃあね、沙崙。また明日ね!」

「ゆっくり休むのよ!じゃあ!」

「うん、再見!慶、美緒」

 こうして女子会はお開きになり、3人は修学旅行出発に備えて体を休めることにした。


 一方こちらは杜夫の家だ。彼は部屋にこもって荷物、そしてカメラの最終確認をしていた。

「着替えよし!しおりよし!カメラも…充電器と予備バッテリーもあるな!OK、OK!完璧!」

 全ての準備を終えてご機嫌な杜夫。そして、彼の頭にある考えが浮かんだ。

「そう言えば、バス移動もあるんだよな!ガイドさん、綺麗な人かな?ツーショット写真撮れるなら撮らせてもらいたいな。」

 不純な事を考えていると、スマホにメッセージが届いた。

「ん?お、木下先輩だ。」

 写真部部長の木下からだった。そして、メッセージにはこう書かれていた。

「公津君。防水装備持ってたわよね?出来たらでいいけど、野生の魚とかサンゴの写真撮ってきてくれる?」

 そのメッセージを見て、杜夫は苦笑いしながら言った。

「やれやれ、相変わらず注文の多い人だ。」

 そう言いながら杜夫は最後にもう一度チェックし、不備がないのを確認したところで眠りに就いたのだった。

こんにちわ!

真樹達と一緒に、筆者も沖縄行きたいですね(笑)

さあ、次回は修学旅行初日です!

お楽しみに!

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