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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode9 慶と宿敵
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第144話 始まる受難

こんにちわ!

久々の本編投稿です!

 終末に行われる、高校陸上の関東予選。埼玉の名門、春日部学院に通う天才ランナー、姫宮真依は今大会の優勝候補である。ある日の晩、練習を終えた彼女は自室に戻り、携帯電話で誰かと話していた。

「何?失敗したの?」

『ごめん、隣にそいつの友達がいて邪魔された。後、人も多かったからすぐに撤退したわ。』

「ちっ…まあ良いわ。それなら…この作戦でいこう。」

 姫宮は電話の相手に何やら作戦を伝えている。

『それでいいの、真依ちゃん?』

「うん。今度こそ大丈夫。外堀埋めてメンタル痛めつければ、あいつは大会どころじゃなくなるから。」

『分かったわ。』

「じゃあ、宜しくね。」

 そう言って姫宮は電話を切った。

「フフフ…覚悟しなさい鬼越慶。」

 不敵な笑みを浮かべた姫宮は、そのままベッドに野転んだのだった。


 翌朝。始業前の教室では慶と美緒が昨日のことを真樹、杜夫、沙崙に話していた。

「本当に意味が分からなかった!何で僕達が狙われたんだろう?」

「もう、最悪よ!お陰でスカート破けて恥ずかしかったわ!あのバイク、許さない!」

 怒り心頭の二人。あの後、近くを通行人が警察に通報し、二人はバイクの特徴や、運転していた者に面識はないか等、事情聴取を受けることになった。よって帰宅時間は遅くなり、すっかり疲れ切ってしまった。

「にしても、白昼堂々人を轢きに来るなんて、ろくでもない奴だ。締めてやらなきゃな。」

「やめとけよ、真樹。どこのだれかも分からないんだし、下手すりゃお前が殺されるぞ。」

 怒る真樹を杜夫が宥めた。沙崙は首をかしげながら、慶と美緒に質問した。

「でも変ねぇ。何で慶と美緒をバイクで轢こうとしたんだろう?事件の前後に何か変わったことはなかった?」

「いや、全然。皆目見当がつかないよ。」

「私もよ!むしろこっちが聞きたいくらいなんだから!」

 慶も美緒も訳が分からなくなっていた。そんな二人に対し、真樹は真面目な表情で言った。

「とにかく、二人とも登下校時には気をつけた方がいいな。特にオニィはもうすぐ大会なんだし、怪我でもしたら下の子も無いからな。」

「うん、分かった。心配ありがとうね、真樹。」

「もしまたあの轢き逃げ犯が出てきたら、ガツンていってやるんだから!」

 そう話しているうちに、始業チャイムが鳴って授業が始まったのだった。


 放課後。

「じゃあ、俺達は先に帰るから気をつけろよ。オニィ。」

「うん。昨日家でそのこと話したら、お母さんが迎えに来てくれることになったから。」

 真樹は慶にそう声をかけた。この日、慶は陸上部の練習で、帰る時に一人になった所を狙われる可能性があった。なので、慶の母親である悠が迎えに来てくれることになったのだった。

「ひき逃げ犯だか何だか知らないけどよ。」

「見つけたらただじゃおかねぇ!」

「とりあえず、菅野は俺達が護衛しよう!」

 杜夫、武司、伸治が気合いっぱいでそう言った。武司と伸治も昨日のことを聞いて、二人のことを気にかけたのだった。その隣で、沙崙は美緒に優しく声をかける。

「大丈夫よ、美緒。これだけいれば犯人も簡単に出て来れないから。」

「ありがとう。なんか安心した。」

 こうして、美緒は真樹達に護衛される形で帰宅し、慶は陸上部の練習へ行った。真樹達は美緒の護衛をしつつ、周りを見渡している。

「どうだ菅野?昨日お前達を轢いたバイクはいるか?」

「うーん、いないわね。さすがに二日連続同じ手は使わないか。」

 真樹は美緒に質問した。どうやら昨日のバイクは来ていないようだった。

「にしても、こんな人通りが多い所で轢き逃げなんて、犯人も悪趣味だな。」

「ああ。でも、本当に目的が分からんな。」

 伸治と武司はそんな事を話しながら、今回の事件に疑問を呈していた。そして、結局何も起こらないまま真樹達は駅に到着した。

「もう大丈夫よ。犯人は私の家なんて知らないだろうし、ここまでは追ってこないと思うわ。」

「分かったわ。でも気を付けて帰ってね。」

 そう言って美緒は一人で京成成田の方へ向かい、沙崙が心配そうな目で見送った。そして、真樹達も改札に入り、沙崙は団地の方へ向かった。

「じゃあな。」

「うん、再見!」

 こうして、美緒に関しては何事も無く護衛できた真樹だった。


 約2時間後。練習を終えた美緒は、校門前にいた。これから母親である悠に来るまで迎えに来てもらうのだ。しばらくすると、1台の車が止まった。

「お待たせ、慶!」

「わざわざありがとう、お母さん。」

 悠は慶を車に乗せ、家に向かって発進させた。運転しながら悠は心配そうな顔で言う。

「もう、本当に心配になっちゃったわよ。あんなに何かあったら、どうすればいいやら。」

「心配しないで、お母さん。これなら犯人も簡単に出て来れないから安心だよ。」

 そう話しているうちに、慶の自宅が近づいてきた。悠が車をガレージに入れる為に減速させた時に二人は目の前の光景に目を疑った。

「ちょっ…。」

「何よ、これ…?」

 慶の家の玄関前には大量のゴミが放棄されていた。おまけにドアには赤い油性ペンで「死ね!」と書かれており、二人は茫然とした。

「なんなんだよ、もう!どこのだれか知らないけど、僕に何の恨みがあるんだよ!」

「そんな…家出た時は何も無かったのに…。」

 怒る慶に、怯える悠。そして、ここから悪夢がまだ続くのだった。

こんにちわ!

慶が大ピンチですが、どうなってしまうのか?

次回もお楽しみに!

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