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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode1 女嫌い現る
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第10話 助けて、慶!

おはようございます!

2020年最初の更新です!

「ふぅ…疲れた。帰ろう。」

 陸上部の練習を終えた慶は、着替えを済ませて学校を後にした。徐にスマートフォンを起動させた時…。

「ん?あ、真樹からメッセージ来てる。何だろう?」

 慶は真樹からのメッセージを開く。開いたメッセージを見ると、このようなことが書かれていた。

『オニィ、練習お疲れ。そんな中悪いんだけど、頼みたいことがある。丘ユカリを調べて欲しい。』

 メッセージを見た慶は、少し驚いていたが、察しがついたのかすぐに返信をした。

『まだ証拠が見つからないんだね。分かった!僕に任せて!』

『ありがとう、助かる。』

 慶が返信すると、すぐに真樹からも感謝のメッセージが来る。しかし、任せてと言ったものの慶はどうやって調べようかピンと来ていない部分もあった。

『具体的にどういうふうに調べたらいい?』

『そうだな…もしかしたら何人かと手を組んで俺を嵌めようとしたかもしれない。だから、奴が何人かと行動した時にぼろが出る事に賭けよう。映像か音声の証拠が取れればこっちのもんだ。』

 真樹のメッセージを見た慶は内心不安が無いと言ったらウソだった。正直上手くいく保証なんて無いし、真樹としても賭けに出ていることは分かった。しかし慶は…。

「下手に真樹が動いたら、余計に事態はややこしくなる。だから、ここは僕がやるしかないんだ。真樹を助けるんだ!」

 そう言い切った。正直慶の方も、ユカリの主張に疑問を感じており、真樹が犯人だとは思えていなかった。だから、一方的に犯人扱いされている真樹を何とかしてあげたい気持ちでいっぱいだった。

「でも、どうやって丘さんから証拠を集めよう…。」

 駅に向かって歩きながら慶は少し考えた。考えていくうちに、慶はある事を思い出す。

「ん?そう言えば…。うん、よし!これで行こう!」

 何かを閃いた慶は、足早に駅に向かって自宅を目指した。


-土曜日-

「よし、まずは学校の周りを10周だ!さあ、行って来い!」

 野球部顧問の関谷の声が朝の大谷津学院の校庭に響く。その声に合わせて真樹達野球部員が一斉に学校の外へ飛び出し、ランニングを始めた。野球部の練習は水曜日と土曜日である。しかし、運動部の練習に使えるグラウンドは一つしかない為、各部で交代で使わなければならない。よって、午後は女子ハンドボール部が使うため彼ら野球部員は早めに来て練習をし、練習が終わったらハンドボール部が来るまでに後片付けをしなければならなかった。野球部は先日のユカリが負傷した件で今の所特に学校側から何かを言われた訳ではなく、野球部側の責任という証拠も無い為この日も普段通りに活動している。真樹もいつものようにランニングに励んでいると、隣を走っている中山が話しかけてきた。

「真樹、この間は大変だったみたいだな。」

「全くだ。俺につまらない濡れ衣着せやがって。」

 愚痴を言う真樹に対して中山も少し同情していた。今回の負傷騒ぎは練習前に顧問の関谷から知らされたので既に部員全員が知っている。しかし、あの時の殆どの部員が真樹の打撃練習を見ていたので、真樹が犯人だと思っている部員はいなかった。勿論、球を拾いに行った堀切の証言もあり、自分達は無実であると強く思っている。

「まあ、運が悪かったな。でも身に覚えが無いんだろ?」

「ああ。」

「丘さんかぁ。美人だけど怖いなぁ、何か。敵に回したらやばいタイプかも。」

「敵に回した俺がここにいるぞ。」

「お前は常に女子を敵に回しているだろ。」

「負けたくないからな。」

 真樹と中山は二人並んで走りながらそんなやり取りをしていた。その後、10周走り終えた部員たちはグラウンドに戻ってクールダウン始める。そんな中、真樹は関谷に呼び出された。

「どうしました、先生?」

「湯川。今回の件、あの時あまり力になってやれなくて済まない。」

「い、いや。大丈夫ですよ先生。」

 関谷は真樹と共に職員室で事情聴取を受けた際、堀切の証言と共に真樹の無実を主張したが、結局丘ユカリと共に証拠不十分で保留に持ち込むのが精いっぱいだった。関谷は真面目で正義感が強い性格故、騒動から部員を救えなくて申し訳なく思ったのだろう。

「とりあえず、俺はお前が無実だと信じているし、野球部の練習もいつも通りやる。今は気にせず頑張ってくれ!」

「はい。分かりました先生。」

こうしてクールダウンを終えた部員たちはそのままキャッチボール、ポジション別練習、フリーバッティングングを終え、ハンドボール部が使う時間が迫ってきたので片付けをして撤収した。

「はあ、終わったー。帰ってゲームしたい!」

 真樹の横でそう言った中山。二人で歩いて帰ろうとした時、グラウンドの横にある中庭で一人の生徒が見えた。

「ん、おいあいつ。」

「あ、元山じゃん。」

 中山と真樹は元山という男子生徒を見つけて近づいた。彼はスマホのカメラで動画を取りながらダンスの練習をしているようだった。

「「おい、元山!」」

「ん、おお。真樹と伸治じゃねーか。部活帰りか?」

 この生徒は元山修二(もとやましゅうじ)。真樹達と同じ大谷津学院の1年男子生徒でダンス部に所属。将来EXILEに入りたいと熱望する位のダンス好きで教室でも時々踊っているのでそのうまさは結構有名である。

「そうだけど、お前はどうしてここにいるんだ?ダンス部の活動今日はないだろ?」

 真樹は疑問に思っていた事を聞いた。土曜部はダンス部の活動日ではないし、見た所元山以外の部員は見当たらない。

「自主練だよ、自主練。今練習中のステップがあるんだ。」

「何も休日学校に来てまでやらなくてもいいじゃん。」

 そう言ったのは中山だ。成田市内には広い公園がいくつかあるの底で練習する事も出来るのだが、元山は首を振りながら言った。

「ここが一番やりやすいの!どうせ今日は暇だから、いい感じになったら帰るぜ!」

 そう言って練習を再開する元山だったが、よほど難易度が高いのか足が絡まって転んでしまう。

「だいじょうぶか?無理しない方がいいんじゃないの?」

「いてて…ここ結構難しんだよな。あ、でもこの間一回成功したんだ!絶対マスターできるはず!」

「ホントか?」

「ホントだって!動画も撮れてるから見ろ!」

 元山はそう言ってスマホスタンドから本体を外し、上手く行った時の映像を二人に見せる。映像には難しいステップを見事に決めている元山が映っていた。

「ほら見ろ!次は絶対100%成功させる!」

 そう言ってなんとなく映像を見ていた真樹と中山だったが、真樹がある事に気付き、血相を変えて元山に聞いた。

「元山、この動画いつ撮った?」

「確か…この前の水曜日の夕方だったかな?」

「そうか…なぁ、この動画コピーして俺にくれないか?」

 真樹は元山にそう言った。隣にいた中山は少しびっくりしていたが元山は喜んで応じてくれた。

「おう、いいぜ!お前もようやく俺の技術が分かってくれたか!ほれ、もってけ!疲れた時に見てくれ!」

「ありがとう、助かった!」

 真樹は動画を受け取ると、中山と共にその場を後にした。すると、中山が真樹に聞く。

「真樹、そんなもんもらってどうする気だ?」

「髪は俺を見放さなかったみたいだ。逆転満塁サヨナラホームランのチャンスが巡ってきたぜ!」

 真樹は微笑みながらそう言い、少し嬉しそうに学校を後にした。

明けましておめでとうございます!

色々あって更新遅れました!

ごめんなさい!

今年も本作品を宜しくお願い致します!

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