第106話 デートの監視
こんにちわ!
今月最後の投稿です。
真樹達は台田の学校である北下総高校を訪れ、彼女の人物像の聞き込みを行った。そこで分かった台田の幼稚性、異常性に真樹は驚きと共に危機感を覚えざるを得なかった。一方、一番の被害者でもある丈もその日の晩に彼女から一方的に長電話に付き合わされ、我慢の限界を感じていた。
翌朝、教室にて。
「ええっ?本当に?」
「マジか…想像を超えたヤバさだった。」
昨日の聞き込みの結果を聞いた慶と杜夫は、案の定驚きを隠せなかった。真樹は難しい表情で話を続ける。
「とにかく、学校でも何かしらの問題を起こして、誰からも相手にされてないらしい。あと、思い通りにならないと先生が相手でもキレるんだとか。」
話している真樹の表情は少し呆れているようだった。そして、昨日一緒に聞き込みに行った美緒と沙崙も険しい顔で話した。
「直接彼女を見た訳じゃないけど、お金を借りておいて返さないみたいね。一番やっちゃいけない事だと思うわ。」
「本郷君もお金貸してるって言ってたしね。このまま調子づかせると、本当に手遅れになるわ。」
皆としても、何とか台田の暴走を食い止めて丈を救いだしたいと思っていたが、なかなか方法が思い浮かばない。すると、真樹が口を開く。
「仕方ない。現行犯逮捕しかないかもな。」
「どういうこと?」
慶が首をかしげながら聞いた。真樹は手をパンと叩いて言った。
「そのまんまの意味。まずは本郷にその事を説明しないとな。」
真樹がそう言ったタイミングで始業のチャイムが鳴り、この日も授業が始まる。
昼休み。
「本郷、いるか?」
真樹は丈の教室を訪れた。その声を聞いて、丈が真樹の所にやってくる。
「あ、お疲れ様です湯川先輩。どうされました?」
「昨日、お前の彼女の学校で事情聴取してきたが、お前の彼女、ヤバいぞ。」
「…。なんか、色々すいません。」
丈は申し訳なさそうに言ったが、真樹は彼を宥める。
「お前が気にすることは何もない。所で、昨日彼女からは連絡はあったか?」
「…はい。」
丈はそう言って自身のスマホを取り出し、メッセージアプリを開いた。そこには案の定、夥しい量の返信を求めるメッセージや、不在着信が表示されていた。
「夕飯中だから出られなかったって言ったら逆切れされて、その後も2時間以上愚痴を言い続けてきました。もう我慢の限界です。」
「なるほど、分かった。安心しろ、俺に考えがあるから良く聴け。」
真樹はびしっとした様子で丈に言う。
「お前、今度の日曜日デートしろ。」
「えっ?デートですか?」
「そうだ!」
丈は訳が分からないと言った表情で真樹を見ていた。
「まぁ、詳しく説明すると、お前の彼女を現行犯逮捕する為に一番ボロが出やすいデート中を取り押さえようってところだ。俺達が後ろから監視してな。おとりみたいな真似させちゃうことになるけど、引き受けてくれるか?」
「そ、それは分かりましたけど…そう上手く行くのかどうか?」
「安心しろ。良い考えがある。」
真樹は丈の耳元で作戦の詳細を伝えた。
「な、なるほど。分かりました。」
「そう言う事だ。じゃあ、またな。」
真樹はそう言って自分の教室に戻り、午後の授業の準備をした。
そして、日曜日。
「あ、丈!」
「みどり…。」
大型ショッピングモールにやってきた丈は、そこで彼女である台田と合流した。合流するや否や、台田は真樹に手を差し出す。
「ん、何?」
「スマホ、出して!いつもやってるでしょ?丈が私とのデート中に他の人と連絡取られても困るから!」
丈は黙ってスマホを台田に手渡した。すると、台田は笑顔になった。
「じゃあ、行こう!」
そう言って丈の手を引き、歩き始める二人。その様子を、少し離れた所で真樹が見ていたのだった。
「よーし、作戦開始だ。」
昌k字は小さい声でそう言うと、丈たちの尾行を始めたのだった。
こんにちわ。
デートの尾行ということですが、真樹は台田の暴走を止められるのか?
次回をお楽しみに!




