表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

くまとくらす

 よくある話です。



>野生の熊が現れた!

>猟友会の攻撃!

>野生の熊は死んだ!



 「殺すなんてかわいそう!」

 「麻酔銃で捕まえて山に返せばいいのに」

 「猟友会はすぐ殺せばいいと思ってやがる」

 「人間が自然破壊するせいで生態系が狂うから熊が山から降りてくるんだ」

 

 

 ニュースなどのメディアで「街中に現れた熊を猟友会が射殺」といった内容が報道されると上記のような反応が現れます。

 今回もそんなよくある話だったのですが、キレの良いコメントで対応した方がいたようでいつも以上の盛り上がりをみせたようですね。



 どうも、はいよるくまです。

 初めての方は、はじめまして!

 そうでない方は、おひさしぶりです?


 さて、なろうの作者名ハンドルに使っている事からお察しの通り、作者くまは熊が好きです。

 かわいいですよね、熊。

 あのらぶりーな目、短い前足、丸い尻尾、大きなにくきゅー。

 どこをとってもかわいさ満点です。

 臭いけど。

 本州在住なので胸元に光る月のような胸毛とかに萌えます。

 臭いけど。

 キャラクターとしての熊、デフォルメされた熊とかみれば大衆からの人気の高さが伺えますよね。

 世界的な黄色い熊は絶許だけど。

 そんなこんなで作者くまは、待ち受けが子熊(捕獲檻ごし)にするくらい好きです。

 なので「猟友会が熊を射殺した」なんて報道を聞くとこう思います。




 よし! よくった!




 人間の生活圏内に降りてくる熊は皆殺しにすればいいと思ってます。


 好きといっているのに殺せというのは矛盾してないか?

 そんな思想ですきと言えるのか?


 なんてツッコミがありそうですが、「それ(すき)それ(すき)これ(ころせ)これ(ころせ)」ですよ。

 かわいいから、すきだからといって、何もかも許せるほど作者くまは聖人ではありませんので。


 ここで作者くまの生活場所を説明しましょう。

 険しい山に囲まれた山間部です。

 人口……村民は3000人を切っており、限界集落認定一歩手前(のはず)であります。

 国道は存在せず、県道が主線であり、生活道路は村道、林道です。

 野性動物はツキノワグマの他に猿・猪・鹿(カモシカ?)・狸・鼬などが闊歩してます。

 

 都市部の住宅地に猪が出たとかニュースになりますよね?

 都会にお住まいの方は、目の前に猪出てきたら通報しますよね?

 

 猪……見かけても通報なんかしません。

 その日、下手したら出会って数時間程度しか話題になりません。

 それくらい日常に溶け込んでいる存在です。

 主に「畑あらしやがって!」「また道のアスファルト剥がしやがった」「○○さん(猟友会メンバー)に頼んでみるかね?(結局頼まない)」といった内容です。

 

 で、熊の場合。

 大体、防災無線で「○○で熊がでたぞー! 注意しろー!」といった放送が流れるのが年に20回ほど流れます。

 人が襲われて怪我をするのが大体5年に一回くらいであります。

 熊と遭遇して襲われたけど無事だったというのが毎年2~3件あります。

 たまに熊を轢いた、跳ねたという事例が2~3年に1度くらいでます。

 

 これだけ熊と人間が遭遇しているにもかかわらず、新聞に記事が載ったのがここ20年で1回しかありません。

 いや、まじで。

 生死をさ迷った重体患者がでた1回だけですよ。

 それだけ日常茶飯事扱いで記事にもならんのですわ。

 

 住宅地に熊が現れる。

 都市部だと大量の警察官(と野次馬)に猟友会の皆さんが集まっている映像になりますよね。

 作者くまの地元だとどうなるか?

 地元猟友会(5人)+近隣猟友会(暇なら来る)+派出所のおまわりさん(1人)。

 以上!

 

 ちなみにおまわりさんは居るだけで発砲はいたしません。

 猟友会が発砲するのに許可を出すためにいます。

 それだけです。

 住宅地などの「許可された猟場」以外での発砲は警察官立ち会い(許可)の元でないと違法となり、発砲した猟友会が捕まる場合があります。

 おかげで……「駐在おまわりさんこねぇから熊にげちまったよ!」とか「来ても許可もってこねぇから見てるだけだった」なんて愚痴をよく聞きます。

 まあ地元駐在員の判断で許可が下ろせる訳じゃなく、上の方に連絡して許可とってるようなので致し方ないのですが。


 ちなみに地元の駐在さん、常時駐在しているわけではないのです。

 都会とちがって24時間おまわりさんしてません。

 だってひとりだもん。

 地方おまわりさんあるあるです。


 ここまではメジャー案件である人的被害についてですね。

 まあこれしかメディア映えすることがないんで、熊=人を襲う、というイメージしか想像できないのではないでしょうか?

 熊と生活圏を共にする作者くまの地元では主に物的被害に困っているのです。

 山間部なので農業ですね。

 畑で作る農作物や、リンゴなどの果樹園です。

 これを言うとですね。


「たかが熊一匹が食べる作物の量なんてたいしたことないだろ」


 とか言われちゃうんですが、違うんですよ。

 まあ熊に限らず大抵の野性動物たちにとって畑の農作物や果樹園の果実はご馳走です。

 人間用に甘味が自然物よりも増していますからね。

 それに人間は1つのリンゴを綺麗に食べますよね?

 野性動物は旨いところしか食べない。

 旨い部分だけ食べたら後は捨てて、別のに手をだす。

 いわゆる食い散らかしです。

 とうもろこしとかも一番甘い部分だけかじるんですよね……。

 なおかつ、人間は本体である樹が傷つかないように採取するわけですが、熊はお構いなく爪は立てる、枝は折る(折れる?)などの行いでダメにしてしまう。

 

 そんなこんなで地元では熊は立派に「害獣」で「猛獣」なんですよ。

 なので人間の生活圏内に降りてきた熊は皆殺しでいいと作者くまは思ってます。

 山奥まで入って絶滅させろとまではいいませんがね。


 

 で、よくある「かわいそう」派の言い分。


・殺さず保護すればいいのに。


 ……飼育費や世話する人の人件費、施設などに掛かる維持費なんかどこからでると思っているんですかね?

 村民3000人いかない地元では税収だってお察しですよ?

 ただでさえ除雪費用で年2~4億飛んでいるのに。


・麻酔銃で捕まえて山に戻せばいいのに。


 ドラマや小説、コ○ンで頻繁に登場しお手軽に使用されているので勘違いが酷いのですが……。

 麻酔銃は一般の銃取得者には撃てません。

 警察官も猟友会でも撃てませんし、所持できません。

 麻酔なので獣医師免許がいるんです。

 なので撃てる人の絶対数が少ないんです。

 もちろん作者くまの地元にはそんなレアな人はいません。


 そして山に返す。

 人間の生活圏内におりてくるような個体というのは山奥での縄張り争いに負けた個体ですよ?

 戻した所でまた追いやられて人里に降りてくることになるだけですよ。

 人間が山を切り開いて熊が住むところが少なくなったからだといわれる場合もありますが、地元ですと開発なんて終わっている状態でもう50年くらいたってます。

 逆に過疎化が進んで人が住まなくなっているから、熊の生活圏内が広がって熊被害が出てる気がしてならないんですが。

 いや、マジに。


 熊は臆病だから騒げば近寄ってこない。

 なんて伝聞があるくらいですからね。

 山裾に集落(民家5~6戸)があって生活していれば熊も近寄ってこなかったでしょう。

 今現在、そこにばーちゃん1人しか住んでなかったら、それはもうとても静かな事でしょう。

 そう、まるで森の中にいるかの如く!

 そしてばーちゃんが丹精込めて作った山にはない美味しい農作物が!

 ……降りてこない理由がないきがする。


 実際の話、このシチュエーションでばーちゃん家の納屋(ほぼ無使用)に熊が巣を作って猟友会が出動したなんて笑い話がある。


 そう、笑い話ですんじゃうんですよ。

 作者くまの地元では。

 当事者のばーちゃんが「また1人になってさびしいわ」なんて言ったとか。

 ……いや、さすがにこれは尾ひれ話だろうと作者くまは信じたい。

 又聞きな上に、真実は墓の中であるので確かめようもないのであるが。


 


 で、結局のところなにが言いたいのかというと。

 熊という脅威が日常に組み込まれているような生活をしている者からすると、ただ「かわいそうだから」という感情論をぶつけられても鼻で笑うくらいにしか感じられないのである。

 保護施設を作れとか、被害対策を~などの理想論を語られても、言うだけなら簡単なので実際に金だして実行してから言ってくれとしか思えません。

 所詮は対岸の火事ですからねー。


 「くまとくらす」。

 なんてタイトルをつけてみましたが、所詮相手はけだもの

 話の通じる相手じゃないんだから、利害がぶつかり合えば戦争にしかならんのですよ。

 それが愛護精神者えらいひとにはわからんのですよ。


 まあ、そんな感じでぶっちゃけて言えば、個人的な発言の発信の場であるSNS系やホームページやなろうなどの投稿場所で「かわいそうだから殺すな」という主張はいくらでも叫んでいいと思ってます。

 言論の自由ですからね。

 対策も代案もなく、ただ感情論だけで行動にでることさえ慎んでもらえれば。


 前述した作者くまの地元で熊出現が新聞などのメディアに載らない理由がコレにあります。

 載らないんじゃなくて載せない、止めているんですよ。

 メディアに乗るとですね……、少なからず役所に「かわいそう」な人達から問い合わせがくるんです。

 ただ感情論をぶつけてくるだけの、なんの得にもならない事柄に人手を取られる。

 業務妨害ですよね。

 なので極力メディアに載らないようにする方針だそうです。

 あ、あくまでも作者くまの地元役所の対応方針ですから、全国の熊所在地で同じ対応をしているとは限りませんので、お近くの役所に問い合わせる事は止めてくださいね?



 以上、熊が日常に組み込まれた山間部在住民の愚痴でした。



 うちのむら くまやしなえる かねはない!


さて……本文中にくまは何回でたでしょうか!


正解者は景品の発送を持ってお知らせ致します。(この手の物って来た試しがないのですが……)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 麻酔銃は本当に勘違いがひどいですよねf(^_^; 麻酔資格をもつ獣医師でかつ狩猟免許までもってる人なんてウルトラレアどころじゃなくいない上にそのうえ現役なんてf(^_^; まして、日本の麻…
[一言] 面白かったです! 私の生まれ育ったところの小学生もクマ鈴つけております (*´▽`*)
[一言] ルビで作者にくまと書いてあるのを含めて43。 見落としや数え間違いがある可能性はかなり高いですがw 某キャンプのドラマでも触れてましたが、熊は車並みのスピードで走れるので襲って来たら逃げら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ