吉城さん
雪がかなり降りましたね。
足元が滑りやすいのでみなさん気をつけて下さい。
教室に戻ると、吉城がいた。
しかし。
なぜか俺の席に座って寝ていた……
「なにしてんすか吉城さん」
驚きすぎて話し方が変わっちゃったよ。
驚いたりすると噛んじゃったり話し方変わることがよくあると思うのよ。
うん、今のがそれ。
それよりも今大事なことは、なぜ吉城が俺の席で寝ているのかということだ!
これは非常に難問ですね。
俺は必死に考える、そして結論が出た。
「ごめん、吉城!一緒に昼メシ食べれなくて!財布を失くして困ってる人がいて、一緒に探してたんだよ!」
やはり起きない。
おそらく、吉城は怒っている。
吉城が怒ることなどあまり無いのだが、怒った時は寝てしまうのだ。
寝ることで怒りをリセットするとか、賢いんだか賢くないんだか……
普通ならこのまま寝かせておくんだが、吉城は俺の席に座っている。
吉城はこのまま授業まで寝続けるつもりだろう。
周りから見たら可愛いイタズラって思えるかもしれないけど、俺からしたら恐ろしい作戦だ。
どうにかして吉城を起こさないといけない。
しかし、普通に揺さぶったりなどという事では起きない。
それなりのことをやるしかない。
くっ!吉城め……なんて恐ろしい!
「吉城、必ず昼メシのことは埋め合わせする!もちろん俺が食事代は出す!」
「……」
お、吉城が少し反応した!
だが、起きないってことはまだ足りないのか!?
「メシの埋め合わせは1回じゃなくて2回だ!」
「……ん〜……」
かなり反応したが、起きないだと!?
……切り札を出すか。
「……メシとは別に、1つだけなんでも言うこと聞く」
「……ほんとに〜?約束だからね〜?」
「もちろんだ、約束する」
「やった〜!ふふっ、たのしみ〜!」
なんとか機嫌を直してくれたか……
しかし、今の吉城の笑顔を見ると、こっちまで笑顔になってしまうな。
天使なんじゃないか?ってくらい可愛い……
「なんでもいいんだよね〜?」
「ああ、1つだけだからな?」
な、なにを要求するつもりだろう……
大雪の影響でいろいろと大変ですが、頑張りましょう。