全力で!
大変長らくお待たせいたしました!
これからは早めに書いていきますので、どうぞよろしくお願いします!
後半が始まる前に、チームメイトに1つ提案をしておいた。
驚いた顔をしていた、まぁ当然だろうな…
ある意味とんでもないことをしようとしているのだから。
皆は渋々承諾してくれた。
あとは俺が上手に出来るかどうかだな…
後半が始まり、相手ボールからスタート。
涼のチームは特に目立つ動きは無く、前半通りディフェンスをしていた。
そして、相手のチームがシュートを打ち、外れた。
ボールが落ちた先に運良く涼がいた。
涼は内心ため息をついた。
絶対疲れるんだろうな……でも…やるしかない!
涼は疲れることをあまり好まない性格だ。
ゆとり世代によくあるようなタイプである。
逆に言えば、疲れるほど動くとそれなりに動けるのだ。
涼がドリブルを突き、攻める。
相手のチームは驚いた。
涼がドリブルを突いて攻めてきたからではなく、涼以外はオフェンスに参加せず、ディフェンスだけ参加しているのだ。
そう、涼1人でオフェンスをしているのだ。
しかし、涼の動きは今までとは段違いに速い。
相手をするする抜いてシュートを打ち、ゴールに入る。
そしてディフェンスに戻る。
ただそれだけのことを5分続けた。
涼の顔にも疲れが見えだした。
しかし、残り5分になると他の4人もオフェンスに参加してきた。
後半が始まる前に、涼が提案していたのは、5分間1人でオフェンスをするから他の4人は休んでいてほしい、ということだった。
他の4人は体力も回復し、動きも良くなっていた。
対する相手のチームは全員疲れ始めていた。
これなら、勝てる!
そして、残り時間は6秒。
点数は44対45。
1点差で負けている。
相手がボールを外に出し、俺たちのオフェンスからスタートだ。
俺はボールを受け取り、ドリブルを突きながら全速力で走った。
相手のチームも必死にディフェンスをしてくる。
仲間に1度パスをする。
そして、一瞬ではあるが相手のディフェンスが緩んだ。
その隙にボールを再び受け取る。
チラリと横目で時間を見る。
残り2秒か? いや、1秒!?
急いでシュートを打ち、ボールが空中に浮く。
そして、ブザーがなり、ボールは……相手のゴールに入った。
ルール上、ブザーが鳴る前にシュートを打てば得点が認められる。
つまり、2点が入り、46対45になる。
そう、逆転したのだ。




