雨のち風邪
昨日投稿する予定だったんですが、遅れてしまいました。
綺麗な紺色の瞳が驚いたように、俺を見つめていた。
俺だって驚いてる。
無意識に傘をさしていたのだから。
自分の顔が今どうなっているのか、鏡があったらぜひ見てみたい。
100人中100人が笑ってくれるような間の抜けた顔をしていると思う。
無意識で知らない人に傘をさしていたら、さすがに自分でも驚いて間抜けな顔をするさ。
傘をさしたことで女性との距離が近くなり、女性の顔がより鮮明にわかる。
和風の印象が強く、長い茶髪の似合う顔立ちである。
もちろん美少女だ。いや、美人の方がこの人には合っている。
可愛さよりも綺麗さが溢れ出ている。
「…………」
「…………」
ど、どうしよう……
お互い驚いた顔をして、無言で見つめ合っている。
「……傘、使ってください。濡れてしまいますよ」
「で、でも……あなたはどうするんですか?」
「俺は家が近いんで大丈夫ですよ。それに、もう濡れてますし……」
雨が当たる外に歩き始めた、その人に傘をさすなら、自分も当然雨に当たる外に出ることになる。
つまり、自分は濡れることになる。
もうせっかくだし、濡れて帰っても問題ない!
……家が近いってのは嘘だけど。
「だから、傘使ってください!俺はもう行くんで!」
「え?いや、ちょっと!」
彼女に傘を握らせると、俺は家に向かって走り出すことにした。
たまにはカッコつけるのもいいかもな!
翌日、案の定風邪を引いた。
ま、自業自得なんだけどね!
この時期は忙しくなりますよね……
だからといって投稿しないという訳ではありませんので。




