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80:脱出2

 王都まで戻って来た俺は先ず王都内にアレサたちが居ないのかを確かめるべく行動をした。

 食料品の買い込みを頼んでいる為、東門の上空から侵入し、貴族用の高級品店を確認した。王城から大通りを北上、居ない事が分かると南門へ。そこから更に南下すると我が家の馬車で移動する嫁たちが確認でき。無事に合流する事が出来た。


「御者さんが何故に居るのさ?」

「港町までは送らせて頂きますよ旦那様。それでお別れです」

「なるほど。面倒を掛けてしまうな。それはそうとそろそろ止めたが良いぞ、馬も今日は走りっぱなしで疲れてるだろ。距離は稼げてないが」


 朝からずっと走りっぱなしだからな。王城で大立ち回りをしていた時間はあったが相当に疲弊している頃だろう。


「よろしいのですか? 追っ手を振り切るには心もとない距離ですが」

「大丈夫大丈夫。馬車を収納して脇の森に少し入り込めば見つからないって、そんな訳で今日はこれまでにしとこう」

「左様ですか。ではこの辺りで野営といきましょう」

(テリ。戻って来たのね、待っていたわよ)

「今戻った、馬も疲れてるから今日はここで野営するぞ」

(暗くなっても来たからそれで良いわ、対策が有るんでしょ)

「そう言う事。止まったら少し奥に入り込むぞ」


 馬車を止め馬から切り離して本体を収納する。馬を連れて三百mほど森の中に入り込むのだった。

【ライトボール】を発動して準備していると虫が寄るわ寄るわ、光に集まって来るので溜まっては焼き払い、溜まっては焼き払いを繰り返すのだった。

 釜戸を準備してその上に羽釜を乗せ、焚き物は錆びたナイフに火をエンチャントを施した品だ。

 水を入れて沸騰するまでに具材を切って下準備をする。

 切った品から順番に投入して、味付けはスーシーに丸投げだ。

 適度な広さの場所を見つけてテントを設営した。例の凍った樽を四つ配置してベッドを取り出して並べれば完了だ。

 光源はこの場に残し、新たに【ライトボール】を発動して、周囲一帯の魔物を狩りに出かける。

 ゴブリンや鼻の聞くウルフ程度しかおらず、ドロップ品を回収するのも手間なのでそのまま放置だ。

 周囲五百m程度処理して戻れば今夜の具沢山スープが出来上がっていた。

 明日朝の分も考えて大量に作った。

 食事も進み、前回食べきれなかったスイーツも取り出して食べ始めた頃、話し始めるのだった。


「テリに先に言っておくわ、資金から退職金代わりに金貨十枚ずつ配布しておいたわよ」

「了解。それは良いが聞かせろ、何でヤヨイが居るんだよ」


 そう、何故か居るのだ。俺が最も警戒してる奴が、連れて来るなよこんな奴。


「連れて行けの一点張りで仕方なかったのよ」

「じゃあ、連れて行かないの一点張りで追い払えば良いだろう」

「テリクンは警戒してるのですよね、そこまでの事はしてないと思うのですが」

「裏切り行為をしておいて信用できる訳ないだろ、命令されたらお構いなしに犯罪に走る奴だぞ」

「どうしたら信用して頂けますか、テリスト様」

「無理だな、うせろ。それしか言う事は無い」

「申し訳ありませんでした。私は失礼させて頂きます」

「待ちなさいヤヨイ。テリも少しは相手にしてあげたらどうなの、そんな頭ごなしだと信用以前の問題よ」

「信用以前より信用の問題だろ。こっちに来て裏切行為ばかり見て来たぞ。

 親には最悪な態度を取られるわ、暗殺者は腐るほどいるわ、ハンターは恩賞に釣られて直ぐに人を殺そうとするわ、獣と喧嘩売って来るわ、嫁さん奪おうとして来るわ、終いには王家が敵になるわ。

 こっちに対処する力があったから生きているが、普通なら今頃は墓の中だぞ。今信用できるのは、ヤヨイを抜かした屋敷の者とクインに嫁だけだ。何か言う事あるか?」


 本当にろくなのが居ない。買い手を見下して喧嘩売って来るのが本当に絶えない、その都度対応するのが本当に面倒だ。


「テリストはこれまでの体験で明確な線を引かざるを得ない状況に追い込まれたのですわ。

 信用できる者と出来ない者。それが自分たちの安全に直結するからこの線は変えられない。

 そう言いたいのですわね」

「状況が状況でしたもの、テリクンの考えも満更ではありませんよね。ですが、女性をこのまま追い返すのも忍びなく思います」

「はぁ、もういい。ヤヨイの処遇はアリサに全て任せるが一つ言っておく。何かやらかしたら、即座に殺す」

「ヤヨイの面倒は私が見るわ、任せなさい」

「興ざめだ、俺は先に寝るわ」


 もう食事している者はいない。スープを羽釜事収納して寝るのだった。

 こうして、町には寄らずに突っ切る。俺たちの通った痕跡を残さない為の手だ。全て睡眠は野営でしのぎ、港町に到着したのは王都を出て八日目のお昼前であった。

 









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