表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/186

35:我が家

 そして我が家となる屋敷に向かう訳だが、その足となる箱馬車は恩賞の一部である。

 はっきり言えば王家が使用していた中古の馬車だ。中古品といえどそこは王家専用に作られた品だ、重厚感のある黒を基調とした配色で派手さは無い。

 あまり派手なのは趣味では無いので俺の趣味にぴったりな品、ナイスチョイスである。

 馬は四頭での四頭引き、御者は馬の管理も担う者で二名共に男性だ。


 屋敷の場所ははっきり言って北東側の端っこではあるがその分地価が安いのだろう、そこそこの面積がある。

 屋敷はこんじまりした木造二階建て、その分庭が広く、直接馬車で乗り込んでも旋回が可能だ。

 馬車を降り、後の管理は任せて早速我が家へと入る。当然の様にメイド三名に挨拶される俺たちだった。


「お帰りなさいませご主人様」

 え? マジに?

「…………」

「ほら、何か言いなさいよ、これからお世話になるんだから」

「いや、ご主人様って言われた事無かったから戸惑った。

 俺は魔物ハンターBランクで、今日男爵を拝命したテリスト・ファーラル。

 連れは王女殿下でカーラ・グラグロス、もう一人はアレサリア・ファーラル。

 二人は未来のお嫁さんだからその扱いでお願いするよ、そういう訳でよろしくお願いします」

「勿体なきお言葉、スーシーと申します。テリスト様、カーラ様、アレサリア様、何かあれば何なりと申し付け下さい」


 どうもこの人、獣人族では無い様だ、耳が丸く、耳の位置が人族と酷似していることから人族だろう、そしてスイカを二つ抱えてるな、他の人は普通だけども、すんごい重そう、肩は凝らないのかな……。


「スーシーさん、決闘時の品が運び込まれてるって聞いたけど、案内してもらえる?」

「はい。何分物が多く整理して置けませんでした、後はその目でお確かめ下さい」

 はい、拝見させてもらいました。装備品から調度品、はたまた家具から貴金属まで。

 そして肝心の武器防具だが使えそうにない。それはそうだ、あの爺さんの背の高さは俺に頭三つは飛びぬけていた、そんな人の装備だ、合う訳がない。

 ミスリル製品だが、例のバトルアックス以外にもツヴィハンダーやハルバードといった重量武器も購入していたようだ。これは潰して俺たちの装備に加工が必須だね、それに着ていたミスリルフルプレートメイル一式も。


「これは加工代金払って作ってもらう他ないね」

「元SSランクだしな、それに見合った稼ぎって事だ。カーラ様が案内したんだろ? 武器屋、あそこなら腕も申し分無い、買うよりははるかに安上がりだ」

「だね。お金も大量に貰ってるし、学校に行く前には揃えておきたいな。

 それでおっちゃん、騎士の仕事で魔物討伐に行ったりしないの? 行くならついでに便乗しようかな」

「俺たち近衛騎士は国王直属だ。基本的に行かない、知ってると思うが、魔物を倒さずともレベルは上がるからな」

「え? 上がるの?」

「なんだ、知らなかったのか? 何かしら行動すればそれに見合った経験を取得できる。そういう訳だな。

 寝たきりでもなければ、少しずつではあるが一般の人も成長するぞ。魔物狩るよりは劣るがな」


 知らないも何も元々レベル一から成長しない様に抑制されていたわけで、この体になってからこっち、そんな事確認できてないんだよね。そんな訳で知りませんとも。

 元兄がテリストはレベル六だったよね、と話していた事から、雑貨店の雑務を手伝う事で経験値を取得。それでレベルが上がっていたのだろう。俺が乗っ取った事で一に上書きされたと。


「ふむ。なら数日間缶詰でお世話になろうかな、その後一日休息後、魔物との実践訓練だ」

「来い来い。歓迎するぞ、テリストに鍛えられたら俺たちにもプラスだ」

「そう言えばカーラの矢が殆どないな。面倒だから千本程度まとめて買っとくか」

「もう訓練を開始してたのか?」

「昨日一日だけね。俺が的になって移動する相手へ正確に射る訓練、後はアリサと連携する訓練、それだけしかしてないよ」

「テリストが的って……そんな事してたのかよ、危なくないか……」

「俺も訓練になるから丁度良いんだよ、遠近両方から同時に攻撃されても捌く訓練。こんどおっちゃんが的になりなよ、二人からの攻撃躱すだけ」

「うーむ、アレサリアの力量次第だが……物は試しにしてみるか」

「そうそう、アリサの槍の先端はミスリルなんで、躱し損ねたら刺さるかもしれないから注意な」


「刃ぐらいは落として訓練しろ!」

 怒鳴らなくても良いじゃん。別に当たらなければ問題無いから。

「それが、刃が有っても無くても関係ないのですよギルバード殿。全て躱し打ち払われてしまい、攻撃は一度として当たっていません」

「カーラ様の弓の腕でも当たらないのですか……まぁ、あの馬鹿との決闘見た限り当たり前ではあるのかな?

 そろそろお暇せんと仕事が詰まってるんで怒られるな。帰る前にこいつを渡しておく、何時も着用しろ」

 ネックレスを渡された、シンプルなチェーンだけ。

「陛下の個人資産だから気にするな、鑑定妨害とアラームが込められている。誰かに鑑定されたら分かる仕組みだ」

「ああ、身バレするんですね、それは有難いです。陛下に感謝をお伝えください」


 こうして案内してくれた隊長以下近衛騎士たちは帰って行った。


 鑑定

 阻害のミスリルチェーンネックレス

 材質:ミスリル

 価値:12万リル

 【鑑定遮断】

 【アラーム】


 たか! 俺の武器全部より高かったのね……。

 さてさて、屋敷内の確認でもしますかね。

 毎度の如く風呂ないかなと思うのだが、当然の如く無かった。あの伯爵の家にはあったのかね? それを思うとちょっぴり残念だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ