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16:深夜の死闘

 誰もが眠っている時間帯の宿屋の一室では、テリストとアリサが抱きあって眠っている。

 テリストは唐突にミシミシという音を聞き飛び起きたのだが気配探知と魔力探知を全開にすると宿屋の中にはすでに六人、そして宿の屋上に四人、道に見張り役だろうか、三人いるのが感知出来た。

 強引に拘束から抜け出してアリサを叩き起こす。物理的に、悪いとは思うよ、叩くと音が響くので申し訳ないがお尻をつねる。

 痛みで意識が一気に覚醒したのだろう、不機嫌そうに一体何なのよ、起こすにしてももう少しなどと言ってるから一言伝える。暗殺者だと、ベッドの下に隠れてくれと、そして【ライトボール】の光源を窓枠の上部に張り付ける形で浮遊させる。

 相手は暗闇で移動してきているだろう事から目が慣れているはず、それなら不利を承知で明かりをつける以外の選択肢は存在しない。

 アリサは服を着る時間すら惜しいのか、薄手の毛布をひっつかみベッドの下へと潜り込む。

 俺は身支度など出来るはずもなくブーツを履いて武器の槍を持ったほぼ素っ裸の状態だ。そしてベッドの位置は窓枠側なので、ベッドに近く槍が届きドアと窓が視界に入る位置に陣取る。


 さあ戦闘開始だ。当然相手の初手から始まる。

 外からロープを使い窓を蹴り飛ばしながら侵入して来る。中の人員が突入したのに合わせて外からの侵入より外からの侵入に合わせる方が楽だからだろう。

 窓からの侵入に対してその時点で攻撃を仕掛ける。完全無防備な体を晒してる時点で御察しだろう。

 槍を使い手前側にいる敵には横腹から心臓の位置を突き、奥側の敵には【ウインドスラッシュ】で胸部をザックリ切り込み最初の二名は即脱落する。


 侵入の音に合わせて扉にタックルをした状態で突入して来る先頭の暗殺者に対して、槍を横に振り抜き槍の先端で首を切り飛ばす。完全には切れず皮一枚で繋がっているが……。

 更に踏み込み逆方向へ振り抜き後ろに追随して来る者の頭をぶん殴り意識を刈りとる。

 更に踏み込みその崩れる体を前蹴りで通路の方へ蹴り飛ばして三人目にぶち当て、移動を阻害してる状態に無詠唱の【ウインドスラッシュ】を発動して胴体から上下に切り分けた。

 その間、外の監視員は突入と同時に一人離れた。

 そしてバックステップで元の位置に戻る。

 中の人員は警戒してる様だ。一瞬で自分の前の三人が殺されたのだ。当然だが、此方としては都合が良い。

 こんな事態になっている事など露知らず、屋根上からロープを使い侵入して来る残り二名の侵入を無防備な状態で突き殺す事が出来た。

 残りは三名。ドアの左右に陣取っているのはがわかっているので此方が仕掛ける事にする。

 縮地を使い、速度に体重を乗せた突きで壁を貫通、壁越しに槍を突き入れて一人の方を殺す。

 それで待っていては不利だと理解たのだろう、頭の回転が速い事だ。片手剣で切り込みながら部屋に侵入して来たので槍を回収する時間が無くそのままバックステップで距離を確保しつつ盾とエストックを装備する。

 俺の正面に一人、そして最後の一人はじわじわと回り込むように横へすり足しながら移動してる。


「こんなガキ一人に八人もこ


 話す暇があるなんてすごいね、って事で、縮地を利用して急接近だ。盾を使って相手の剣を跳ね上げながら顔面をエストックで突き刺し、引くと同時に縮地を使ったバックステップで距離を取る。

 九人も殺され不利は悟っているだろうがもう逃げられない。下手に下がって隙を見せればそれで殺され、走って逃げれば言わずもがな。

 そして時間が経てば騒動を知った者たちが押し寄せてくる可能性もあり、時間を稼ぐと有利になる事は絶対に無い。

 切りかかって来られるも弱い、弱すぎる。魔物ハンターギルドの試験官さんがはっきり言って強かった。

 盾で受け流してがら空きの目に突き入れて終わり、槍を回収した。


 外にいた監視員の残りの二名だが一人は、奇襲が成功すればこの程度の時間を基準にしていたと思われる。その為戦闘の途中で北方向へ逃走している。最後の一人はいる。

 室内へ侵入して来た二人目だけは辛うじて生きているが、思いっきり手加減無しで頭を殴りつけたので半死半生だろう。

 これで一応この場は完全制圧が完了したのだった。

 このままではアリサが出れないので死体をズルズルと場所を動かして話しかけた。


「アリサ、もう大丈夫だぞ」

「う、う、うわあああああ!」

 いかん、不味い! 錯乱してる。

 動かすのは手間なのでベッドを収納して頭を抱き抱える。

 シュールな光景だが……なんせ俺ってブーツ履いただけの素っ裸でフルチンなのですけども。


「大丈夫だ、もう大丈夫。此処には敵は一人もいないし、俺も無事だ。誰もアリサを傷つけるものはいないよ。ま、現れても俺が蹴散らすけどね!」

「グスッ、グス、本当に?」


 俺より年上と言っても二十台にも満たず、こんな修羅場はに遭遇するはずもなく、慣れるのもあれだが。

 普段強がっていてもそりゃ女の子だ、男だとしてもこの惨状は最悪だものなぁ。

 辺りは血の海、鉄ぽい匂いが辺りを埋め尽くしている。

 ちょっと、俺も気分が……。


「本当も何も無いだろ、恋人を守らないような男は屑だ。俺はそんな屑には成りたくないからな、元から選択肢は一つしかないよ」

「うぅぅ、だけどこれで終わりって訳じゃ」

「それなら大丈夫だ、外に監視してる奴がいるからな。それに、監視してた奴が先に二人戻ってる、情報を持って帰ったとすれば行先は一つだろ、証拠もここに一杯あるからな。アリサをギルドに送り届けたら乗り込んで潰して来る。

 そんな訳だ、身支度を済ませよう、流石に素っ裸で乗り込むほど太い神経してないから」

「それもそうね、さぁ、さっさと済ませて行くわよ」


 大丈夫なようだな、若干顔色が青白く見えるがそれだけ軽口叩けるなら後は時間の問題だろう。

 こっちの方が堪えてるかもしれないな……。


「ゲェェェ、っぷ、フゥーフゥーフウゥーあー、やっぱきついな。はぁはぁ」


 単にゲロっただけですはい。周りをみると、自分でしたとはいえ、物凄い阿鼻叫喚で見るに堪えないのですわ。

 今度は逆に抱きしめられる始末、はぁ、初殺人か、殺さなきゃこっちが死んでたんだ。割り切るしかないが……慣れないだろうな……。

 二人共に【クリーン】を掛けて身支度を済ませて宿を出る。もちろん個人の所有物も奇麗にして回収済みだ。

 部屋にはまだ消えてない光源を残して新たに【ライトボール】を光源とし移動している。

 例の監視者、俺たちが無事だと知ると急いで北へと向かって行った。

 俺たちの行き先は魔物ハンターギルドだ。逃げ込み先の一つとして利用するつもりでいたし、その為にばれている宿をそのまま利用して引っ越ししなかったんだからな。

 ギルドには常時戦力が置かれている。それは二十四時間体制で受け付け業務を行っており、職員や保管されている様々な品を守る為である。そこにアリサを送り届ければ安全だろう。


 さて、最後の仕上げだ、気合いを入れて行くとしよう。


____________________________

 テリスト

 レベル:32

 年齢:9歳

 種族:猫人族

 状態:健康

 HP:440/525

 MP:197/241


 装備品:鉄の短槍(150cm)

 資金:9、480リル(金貨9枚、銀貨4枚、銅貨8枚)

 予備武器:鉄製エストック(刃渡り40cm)、ラージシールド(小円形盾、直径30cm)




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